野村総合研究所(野村総研・NRI)の事業内容/経営戦略

目次

  • 野村総合研究所(NRI・野村総研)の特徴
  • コンサルティング事例
  • これまで事業の歩み
  • 今後の経営戦略
  • 野村総合研究所(NRI・野村総研)や、出身者による著書

野村総合研究所(野村総研・NRI)の特徴

野村総合研究所(野村総研・NRI)は、日本の最大手シンクタンク・コンサルティングファーム・システムインテグレーターです。略称はNRI、野村総研。日本の上場企業のうち、サービス業の中では15位、405,984百万円の売上高(2015/3)を誇ります。

(1)社会・産業の予測と展望、(2)市場分析・業務分析・経営診断、(3)企業経営・政策立案に関する提言、(4)経営・業務革新のソリューション提示、(5)システム設計・ソリューション提供、(6)アウトソーシング・システム運用、(7)ビジネスの実行支援の7分野からなるトータルソリューションを強みとし、問題発見から問題解決に至る総合力が強みです。

野村ホールディングス株式会社、株式会社セブン&アイ・ホールディングス、リクルート、KDDI、サッポロビール、味の素等、名だたる日本の大手企業の経営コンサルティング、システムコンサルティングを担っており、経営は比較的安定していると言えるでしょう。特に収益力が高いことが特徴で、売上高営業利益率は13.8%を誇り、同業他よりも高い水準となっています。

海外展開も初期から積極的に実施しており、現在は中国11拠点、シンガポール2拠点、香港、フィリピン、台湾、韓国、インド2拠点、インドネシア、タイ、ロシア、イギリス2拠点、ルクセンブルク、アメリカ7拠点にネットワークを広げています。2014年7月にはドイツのコンサルティングファームh&z Management Consultingとの戦略的な協力関係構築や、アフリカ諸国の政府機関との業務協力関係(例:2015年には南アフリカ共和国・貿易産業省が加わる)などもあり、M&Aも含めたグローバルビジネスを積極的に推進しています。また、NRIグループとして13社の子会社を有しており、積極的な分社化を行っています。

コンサルティング事例

民間企業

製薬メーカー 全社構造改革支援

コスト構造改革、人事制度改革などの複数の社内プロジェクトを、PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)で推進支援

運輸物流業 事業構造改革支援

組織改編、M&Aによる事業強化など、大掛かりな改革を伴走型で実行支援

飲料メーカー 営業改革支援

大掛かりな営業組織の改編と、それにともなう経営システム改革を実行支援

官公庁

環境省 除染事業推進支援

除染情報管理支援と、推進を指揮する福島環境再生事務所の業務支援

経済産業省 医療国際化事業支援

政府+民間企業の国際展開、民間企業の国際展開への補助事業の実施を支援

総務省 G空間シティ構築事業管理支援

「G空間シティ構築事業」の実証プロジェクトの選定から契約、進捗管理、成果確認までの一連の業務を受託

これまでの事業の歩み

野村総合研究所は、野村證券の調査部から派生して設立した「旧・野村総合研究所」と、電子計算部から派生した「野村電子計算センター」が元になっています。この2つが合併し、日本初の民間シンクタンク「野村総合研究所」としてスタートしました。米国Stanford Research Institute(現在のSRI International)のモデルが基本となっており、徹底したリサーチに基づいたコンサルティングが特徴です。野村ホールディングスとは一定の資本関係があるものの、子会社ではありません。

初期は、1970年における大阪万博の調査、1979年のセブン-イレブン・ジャパンの新発注システムなどが注目を集めました。近年では、年金制度改革への提言と確定拠出年金対応システム開発、NISA制度導入といった金融関係の大型プロジェクトを牽引。その他、日本郵政公社(現 日本郵政グループ)の郵政総合情報通信ネットワークといった取り組みもあります。

また、コンサルティングだけでなく、金融機関向けのクラウドサービスの先駆け(共同利用型サービス)を開発したことでも知られており、リテール証券会社向け「STAR」(66社)をはじめ、ホールセール証券向け(27社) 、投資信託運用会社向け(70社)、銀行向け(109社)など多彩なサービスを続々と稼働、多くの企業に利用されています。

「NRIらしい社会貢献」として、社外への情報発信にも力を入れています。2011年、東日本大震災復興に向けた提言活動も実施したことは記憶に新しいでしょう。ビジネスで培った基盤をもとに、日本の活性化への取り組みも行っています。

今後の経営戦略

アジア顧客基盤の拡大、欧米ベストプラクティスの拡大などによりグローバルな案件を増やしていくことと同時に、近年ではデジタル戦略ソリューションへの取り組みを強化しています。実際に中期経営計画としてVision2022を掲げており、それに付随したR&Dも継続して実施、その予算額は年々拡大しています。

R&Dへの取り組み
未来価値の創造
デジタル社会、デジタル経営に関する提言
FinTechに関する提言
金融市場・制度研究
制度戦略研究
グローバル関連の調査・事業探索
IT業界・コンサルティング業界のビジネスモデルの変革動向
デジタル領域における先端サービス動向
アジア・中国地域に関する調査研究
サービス・イノベーション
オープンイノベーション、NRI未来ガレージ
技術戦略
生産革新

Vision2022のキーワードは「磨く」「変える」「創る」となっており、主に金融機関向けの共同利用型サービスのブラッシュアップ、既存事業や能力の変革、デジタルマーケティングやグローバル展開を含めた新規事業・新事業の創出という3点に注力することが決まっています。

野村総合研究所(NRI・野村総研)や、出身者による著書

NRIは毎年多数書籍を出版しています。そのうちのごく一部をピックアップしました。