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最先端技術を実社会に応用する、時代に求められるエンジニアとは

ブレインズテクノロジーは高い技術力を実際の製品に落とし込み、企業や人々にとって“使える”ものにすることを第一としており、その卓越した技術力と優れた製品は国内外で高い評価を得ています。今回は同社取締役である榎並氏のキャリアを紐解きながら、エンジニアに必要な能力や価値あるエンジニアの条件など、テクノロジーの領域に関心がある学生なら知っておきたい内容についてお話を伺いました。

Jan, 15, 2021

ブレインズテクノロジー株式会社

榎並 利晃 氏

エンタープライズの技術革新で、企業の生産性向上に寄与し続ける

ブレインズテクノロジーは、ミッションに「企業活動の継続性と生産性の劇的な向上に貢献する」と掲げています。製造業を中心に、多くの企業が抱える「業務を継続しながら、より生産性を高めていくにはどうすれば良いか」という課題に対し、技術を用いてそれを解決するためのソフトウェアを提供している会社です。特に最近はコロナ禍で様々な制約を受けたこともあり、生産性への悩みを抱える企業は増えています。技術革新でそうしたお客様の生産性向上に貢献したいというのが私たちの想いです。

また“明るい未来を創造する技術集団“を目指し、早くから「未来工場」を立ち上げ、オープンソース技術を取り入れたエンタープライズの技術革新に貢献するための製品・サービス技術開発を行い、技術への投資を続けてきました。

現在はImpulseとNeuronという2つの製品を提供しています。Impulseは工場の中でも止めてはいけない重要な機械の異常検知をするソリューションです。また、Neuronは企業内に散在する大量のデータやファイルを、横断的に検索できる企業内全文検索エンジンです。ITトレンドの「エンタープライズサーチ」部門において、Neuronは2020年も年間ランキング1位となり、2017年より4年連続1位を獲得しています。

しかしながら、私たちはエンタープライズAIソフトウェアを提供する会社であり、今後もこの2つの製品だけを展開していくわけではありません。AIも一つの手段だと捉えているので、時代に合った最適な技術を取り込みながら、企業の生産性向上に寄与することを目指しています。

技術研究からサービス開発へ。20年間変わらない、サービスづくりへの想い

私は1996年に、新卒で日本電信電話株式会社(以下、NTT)に入社しました。その理由は当時のNTTが掲げていた、マルチメディアが支える新しい社会を創るという考えに共感したからです。

ただ同期が3000人もいたので初期配属では希望がかなわず、システムのパッケージ商品の企画とSEの両方を担う部署で、3年間経験を積みました。その後、マルチメディアを社会に浸透させたいという当初の思いから研究開発部門に移り、主に電子会議システムの研究をしていました。Zoomがこの1年で4倍もの成長を遂げたことを考えると、当時としてはかなり先進的な研究をしていたと思います。

2000年前後はITバブルと呼ばれ、特に米国ではIT技術の進化が凄まじく、新しい企業が次々と誕生しているような時代でした。その波は日本にも訪れていて、私の中でも技術を応用してサービスを創ることへの興味関心が次第に高まり、通信の枠組みに留まって仕事をするもどかしさも感じていました。そこで、デバイスからアプリケーションまで全てのソリューションをお客様に提供することを掲げていた、ソニーへ転職をします。

その頃から、私は「世界の人々が人生を豊かにすることができるサービスを創出したい」という想いを掲げているのですが、20年近く経った今もその想いは変わらずに抱き続けています。

サービス創りから運用、マネジメントまで。ベンチャー環境での経験が、自身の成長の礎に

ソニーでは、現在も使われている電子マネーのベースとなったFelicaという技術を活用し、様々なシステムやサービス開発に携わりました。他にもPlayStationへのコンテンツ配信の仕組みを手がけるなど、20代後半から30代前半にかけては開発マネージャーを担っていました。

仕事を通じて社会人としての基礎や、サービス運用におけるエンジニアのあり方を学んだのもこの頃です。通信制御、セキュリティ、インフラなど幅広い技術を扱うだけでなく、サービスの開発から運用、マネジメントまで様々な経験を積むことができました。大企業で携わることのできるサービスの規模は大きくても、一人が担う業務は細分化されてしまいがちです。しかし、ベンチャーのような環境であれば幅広い経験を積み、なおかつインパクトの大きな仕事ができることもあります。当時、電子マネーの事業に携わるメンバーは30名程しかいなかったこともあり、やらざるを得ない状況でしたが、今思えばその後につながる経験を積むことができた貴重な機会でした。

その後、ソニーで培ったサービス運用の知見を幅広く世の中に提供することができないかと考え、アマゾンウェブサービスジャパンに入社。AWSを利用していた経験から、技術者をしながらも、ユーザー目線でどうやって製品を活用すれば良いのかを広く知ってもらうための普及活動をしていました。当時はクラウドベンダーの中にユーザー視点で運用をしたことのある人材が少なく、その後はサービス創りの経験を活かし事業開発マネージャーを務めていました。

そんな折に出会ったのが、ブレインズテクノロジーです。早くからImpulseやNeuronといった革新的な技術を用いたサービスを創っていることを知り、再びお客様にサービスを提供する役割を担いたいという気持ちが高まり、2018年に入社しました。創業当初から、お客様の声に基づいた製品開発に取り組んでいる企業であり、徹底してこのカルチャーを貫いているところが、ブレインズテクノロジーに入社を決めた理由の一つです。

最先端技術を実社会に応用するために大切にして欲しいこと

皆さんは今まさに、「これからどのようにスキルを身につけ、自分の能力を高めて社会に貢献していくか」という問いに向き合っていると思います。そこで大切にしてもらいたいのは、サービスや事業を展開する上でお客様の声を大切にするということです。これは複数の企業で、最先端技術を実社会に応用する経験をしてきた私がお伝えできる一つの学びです。

例えば、「なぜソニーはFelicaのグローバル戦略に失敗したのか」というのは、今でもMBAの一つの教材になっています。また1990年代に一世を風靡したソニーのウォークマンも、iPodの登場によりマーケットで圧倒的な差をつけられてしまいました。こうした失敗の原因は、技術や事業ファーストで製品開発を進めたことにあると言えるでしょう。

Felicaの場合は、自社の革新的な技術をいかに応用するかを優先したことで、技術ファーストになってしまいました。またウォークマンの場合は、ソニーグループ内に音楽事業を手がける会社があったことで、お客様よりも音楽や事業そのものを守ることに主眼が置かれてしまい、その結果失敗に陥ってしまったと考えられます。

一方、Amazonで衝撃を受けたのは、「全ての答えはお客様が知っている。お客様のニーズから遡ってサービスを定義すれば失敗するリスクは少ない」という、Customer Obsessionの考え方が企業の根底に備わっていたことです。しかし、Amazonは「Good intentions don’t work. Good mechanisms work.」とも言っています。つまりお客様第一としながらも、善意やおもてなしで全ての意見を聞きいれるのではなく、お客様が本当に求めているものは何かを正しく理解し、真のニーズを汲み取ることが重要だということです。カルチャーとしてこの両輪が備わっていることこそが、グローバルで勝ち抜く企業の強さだと感じました。

これからの時代に求められるエンジニアの3つのスキル

では、これからの時代に求められるエンジニアのスキルとは何でしょうか。私は3つのスキルが大事だと考えています。まず、お客様の声を聞くだけではなく、真のニーズを把握するスキル。次に、お客様のニーズを技術で解決するスキル。そして最後に、技術を汎用性の高いものにして、幅広く価値を届けるスキルです。

またエンジニアとしてもう一つ忘れてはいけないのが、つねに学び、新しい技術・ビジネス・トレンドに好奇心を持ち続けることです。学生時代に新しい知識を学ぶのが好きだった人も、社会人になると仕事に忙殺されてしまうことが多々あります。そんな中でも常に新しい知見を持っていることが、お客様の真の声を聞き課題解決に導くことにつながるからです。

皆さんにはぜひ、興味があることや熱中できることを見つけて、トライアンドエラーを繰り返し行えるような力をつけて欲しいと思います。

そして、技術を製品にする価値を理解でき「社会に貢献したい」「技術を製品に落とし込んで多くの人に影響を与えたい」など、何かひとつでもブレインズテクノロジーの方向性と同じ想いを持っている人と一緒に働きたいですね。お客様のニーズに応える製品を作り続ける難しさに一緒に挑戦していける仲間を求めています。

ブレインズテクノロジーについて詳しく知りたい方はこちら

ブレインズテクノロジー株式会社

Interviewee

榎並 利晃 氏

えなみ・としあき

ブレインズテクノロジー株式会社

取締役 CPO / プロダクトマネジメント部 部長

通信キャリア、家電メーカでシステム開発、運用を経験。その後、アマゾンに入社し、AWSの展開に従事。特に、クラウドを利用したIoTやML利用を事業開発・ソリューションアーキテクトとして推進。お客様と一緒に最新技術を使って課題解決を行うプロトタイプ開発チームを立ち上げ、商用まで導く支援なども実施。