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研修だけで一流エンジニアは生まれない。一流になるための条件とは?

わずか4名のエンジニアとデザイナーが人工知能によるビジネスマッチングアプリ『yenta』の開発から事業戦略までを担うなど、類を見ない少数精鋭の組織をつくり上げてきたアトラエ。「エンジニアが成長する場数の踏み方」や同社のユニークな価値観などを新居佳英代表に聞いた―。

Sep, 30, 2016

株式会社アトラエ

新居 佳英 氏

―「アトラエに入社すると、どのような技術が身に付くのですか」は愚問なんでしょうか

そうですね(笑)。学生からしばしば聞かれますが、これってすごく変な質問だと思うんです。例えばサッカーに置き換えてみると、「このチームに入ったら上手くなれますか?」と聞いているようなもので、「単に技術を教えてもらいたいなら、お金を出してスクールに通えば良い」と思います。少なくともプロサッカー選手はサッカーが上手くなるためにプロチームに入るのではないですよね。

もっと言えば、世界の一流のビジネスパーソンをイメージしてみてください。例えばAppleのスティーブ・ジョブズ、Googleのラリー・ペイジ、Facebookのマーク・ザッカーバーグなど、決して手厚い研修や誰かに育ててもらったことによって一流のリーダーへと成長したわけではないと思いませんか。

本質的には、一流のエンジニアになるのも、一流のビジネスリーダーになるのも、はたまた一流のアスリートになるのも、大切なことは同じだと考えています。

ついつい、研修制度や教育の手厚さを気にしてしまう学生も多いと思いますが、そういった受け身の姿勢では間違いなく一流にはなれません。いわゆる「教えてもらいたい」タイプの人で一流として活躍している人は、どんな業界でも皆無であると断言できます。もちろんアトラエのエンジニアたちも「頑張って技術を身に付けたので早く試合に出させてくれ!」とアピールしてくるタイプばかりです。

―研修を受けたから一流のエンジニアになれるわけではないという話はよく分かります。そうすると実践が重要だと思いますが、ただただ場数を踏めば良いのでしょうか

プロジェクトの経験を試合に例えるなら、ポイントは「試合に出た数(挑戦した数)」と「試合から得た気付きや失敗を経験や力に変える努力」だと言えます。

前者は、ただ試合に出れば良いということではなく、大きなプレッシャーで胸が押し潰されそうになるような試合に、若いうちからどれだけ出られるかが重要です。後者は、試合を通して何を学ぶかということです。

試合に出た後、その試合を通して得た失敗経験などを活かし、次の試合でより活躍するために何度も練習し、実力を向上させること。その繰り返しによって成長に大きな差が付くと思います。

―そのような環境がアトラエには存在するわけですよね。若手社員の成長事例を教えていただけますか

はい。若いエンジニアとデザイナーの活躍を一部紹介しますね。注目していただきたい点は、入社時点で彼らは全員未経験だったことです。

▼青野雄介(東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻)

2012年新卒入社。1年目は主力事業の開発、2年目は新規事業の開発を担当。3年目にはiOSアプリの開発技術を独学で学び、新規事業の開発リーダーとして「yenta」をリリースさせた。

▼平根由理(早稲田大学教育学部英語英文学科卒)

2015年新卒入社。内定者時にコーポレートサイトのデザインを担当、入社後は新規事業のデザインを担当。新規事業のiOSアプリ「yenta」のデザインを一手に担っている。

▼馬場敏気(同志社大学経済学部経済学科卒)

2016年新卒入社。現在は主力事業を運営する上で必要な保守・運用を担当。基本的な実装経験を積みながら、新たな機能改善の施策案を自ら企画・実装し、技術者としての活躍の幅を広げている。

―全員が未経験だったとは驚きです。このような活躍を実現できたポイントはどこにあるとお考えですか?

彼らには共通して「挑戦的な姿勢」がありました。

アトラエでは責任感と当事者意識、そして意欲があれば、とてつもない責任と裁量が得られます。若いエンジニアの眼には「身の丈以上の試合にいくらでも出られる」環境に映るでしょう。さらに仲間の持つノウハウやリソースは自分次第でいくらでも活用でき、挑戦者を歓迎し失敗を許容する文化が浸透していることが彼らの姿勢にマッチし、急速な成長につながったと思います。

なるほど。挑戦的なカルチャー以外に、アトラエを象徴する価値観や環境などを教えていただけますか?

私たちが目指しているものは「心から信頼できる仲間と世界を魅了する会社(組織&事業)を創る」こと。そのために重要なものは人と環境です。人についてはここまで申し上げてきた通りです。

環境については「ルールはミニマム」「フラット」という2つのキーワードが挙げられます。

―「ルールはミニマム」について詳しく説明していただけますか

本質的な価値貢献に集中し、そのために不要なルールは極力排除することです。

アトラエで体現している例としては、働く時間・場所が自由だったり、社員の小学生のお子さんが毎日のようにオフィスに帰ってきたり、お子さんの看病のために自宅勤務するパパ社員がいたりします。

自らの意志のもとに想いを持って仕事をしている以上、管理も監視も強制も必要なく、信頼関係と責任感があれば成り立つのがアトラエ流です。

もう一つは「フラット」ですね。これもサッカーに例えるとわかりやすそうですが……?

たしかに(笑)。サッカーチームのように一人ひとりが当事者としてチームの勝利や目的遂行に責任を持ち、知恵を絞り、本気で取り組む上で「出世」という概念は不要だと考え、プロジェクトリーダー以外の役職を排除しています。

完全にフラットなホラクラシー型と呼ばれる組織理論に基づくアトラエには出世も派閥も存在しません。頻繁にチームを越えて協力し合うのが当たり前になっています。また、常に経営者目線で会社全体の最適化を考えて動くことが推奨されているため、個々が考え行動するために必要なあらゆる経営計数が公開・共有されています。

こういった会社は非常に珍しいと思いますし、全ての学生にとってベストな組織ではないと思っていますが、もし共感してくれる仲間がいたらぜひお会いしたいです。

アトラエについてもっと詳しく知る

▼総合職の方

▼エンジニア・デザイナーの方

株式会社アトラエ

Interviewee

新居 佳英 氏

あらい・よしひで

株式会社アトラエ

代表取締役社長

上智大学理工学部卒。1998年、当時社員数150名程度の未上場ベンチャーであった株式会社インテリジェンスへ入社。2000年7月~2003年3月は自ら設立した子会社の代表取締役に就任。2003年9月にインテリジェンスを退社、株式会社I&Gパートナーズ(現アトラエ)を設立し、代表取締役に就任。Technology x Human Resource領域(通称HR Tech)のリーディングカンパニーとして2016年6月には東証マザーズ上場。HR Techにおける国内No.1、そして2020年までにはアジアのリーダー企業を目指す。