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社会インフラとなる労働集約型産業をプロジェクトマネジメントノウハウで効率化する

Oct, 06, 2015

gCストーリー株式会社

西坂 勇人 氏

労働集約型産業を効率化し労働人口の減少に耐えうる社会をつくる

テクノロジーの進化により、人の仕事がITで代替もしくは著しく効率化される流れが進んでいます。将来的に産業は、テクノロジーによる代替が困難な、労働力に依存する建設業やサービス業といった「労働集約型」か、高度な知的活動を必要とするコンサルティングといった「知識集約型」に二分されていくでしょう。一方、国内労働人口が減少し、人口と比例して変動してきたGDPも低下の一途をたどるとすれば、日本の国際競争力の低下は深刻な問題となり、国内産業の生産性を上げることがますます重要となります。gCストーリーは、テクノロジーや仕組み化といった知識労働力を用いて、「労働集約型産業」の効率化と生産性の向上に取り組むことで、日本のGDPひいては国際競争力を回復させることを目指しています。
特に、今後ニーズが高まる介護・高齢者福祉の分野において、非効率な労働集約型のワークスタイルがまかり通っていることは、社会的課題と言わざるをえません。gCストーリーという社名に込めた想いは、「貢献の為の成長(growth for Contribution)」であり、様々な事業を通して、関係する全ての方々に貢献する為、我々自身が成長し、物語(ストーリー)を紡いでいく、という考え方です。私たちが創業時から取り組んできたOOH(アウト・オブ・ホームメディア=屋外広告物)の施工事業において、労働集約型のワークスタイルを効率化するビジネスモデルを確立したことは、gCストーリーが目指す「社会貢献」の第一歩に過ぎません。今後は施工事業に加え、これまで培ってきた事業ノウハウを活かし、介護・高齢者福祉分野やヘルスサポート事業など、社会的ニーズに対して効率化が急務とされる分野において、労働人口が減少しても持続可能な仕組みを確立していきたいと考えています。 屋外広告物の施工事業で 実現した産業の効率化事例 看板施工の業界は、たまたま縁があって触れる機会があり、非効率な労働集約型のワークスタイルを何とか変革できないかという問題意識を持ちました。それ以降一貫して、看板施工関連事業者様のプラットフォーム構築とそのネットワークを活かしたビジネスを展開してきました。現在、全国4300社の看板施工関連パートナー様と協働できるプラットフォームに成長しています。全国に点在する看板施工関連事業者様をネットワーク化し、ビジネスとして成り立たせ、収益化するまでには多くの時間とコストがかかりました。この原体験から「不可能だ」「難しい」と言われることでも、正しいことであれば、継続することで事業化できると学びました。
なかでも、コーポレートアイデンティティ変更や広告媒体の意匠貼替など全国規模の一斉施工において、リソースマネジメント、コールセンター、IT、海外協力会社とも連携した、生産物流など含めたプロジェクトマネジメントノウハウを構築したことは、全国に展開する飲食店やコンビニエンスストアなどチェーン展開する企業やメーカーなど、大手企業の屋外広告物に関する課題を解決する大きな武器となりました。
今ではデザイン、製作、販売、施工、メンテナンスまで、看板におけるライフサイクルマネジメントを総合的に支援するソリューションとして、未開拓な市場に新しいスタンダードを創りあげつつあります。

医療機関や行政も巻き込んで「社会貢献」に突き進む

次にgCストーリーが取り組み始めている介護・高齢者福祉の分野は、看板施工の世界と同様に労働集約型の産業であり、日本だけでなく世界的に見ても今後ニーズが拡大していく領域です。この分野における課題抽出のため、2014年3月から自社で高齢者に向けたデイサービス型店舗の運営を開始し、そこで得た課題をヒントに、同年8月より介護事業者の営業を効率化するサービスも提供し始めました。しかし、このような局所的な効率化だけでは、真の社会貢献には足りません。高齢者の幸せを考え、高齢化社会の問題を本質的に解決していこうとするならば、高齢者が住み慣れた環境で安心して暮らし続けることができる、地域包括的な高齢者サービスの提供を実現していく必要があります。つまり、介護事業においては、効率化だけではなく、将来的に医療機関や行政とも連携し、全体最適となるビジネスを推進していかなければならないのです。その意味で、非常に困難なビジネス領域だといえます。しかし、高齢化社会を迎える日本において誰もが当事者である問題だからこそ、「高齢者と家族に笑顔を作りたい」という正しい動機をもって、やり続けることに価値があると考えます。

正しい動機をもってやり続ける

看板施工分野というニッチな市場でリーディングポジションを取り、事業も順調に成長しているので、このままいけば売上数百億円規模の会社をつくることはできるでしょう。しかし、私たちはそこで満足せず、介護・高齢者福祉分野をはじめとして、今後も様々な貢献事業を展開していきたいと考えています。
競争の激しいレッドオーシャン領域はベンチャー企業が参入するにはリスクが高いと言われますが、ブルーオーシャンを見つけたとしても、競争がないことで安泰な地位に甘んじ堕落することのリスクの方が大きいのではないかと思います。本質論でいえば、競合関係は問題ではなく、その業界に対して最大限の貢献ができるかどうかを考えて仕事をするべきだと思います。私たちが事業運営において大事にしていることは、正しい動機を持って継続することです。そうすると必然的に目線が上がり、人類社会全体にどう貢献していくかを考えざるをえません。私たちが目指す目標は険しく高い山ですが「成長と貢献」という考え方に共感し、共に頂上を目指す仲間を求めています。

gCストーリー株式会社

Interviewee

西坂 勇人 氏

にしさか・はやと

gCストーリー株式会社

代表取締役社長

1971年大分県生まれ。宮城教育大学卒業後、看板の材料商社に入社。当時はまだ主流ではなかった、Webを使った事業を立ち上げる。2000年に有限会社リスペクト(現・株式会社リスペクト)設立。2005年サイベイト株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。OOH(アウト・オブ・ホームメディア=屋外広告)の、トータルソリューション事業およびWebプラットフォーム事業を展開している。2013年9月にgCストーリー株式会社へ社名変更。介護分野における新規事業の立ち上げや、グループ会社での海外事業・Web事業・ヘルスサポート事業の展開もおこなっている。