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イノベーティブな金融プラットフォームの拡大は個人の想い(=Will)を中心にした組織から

近年盛り上がりを見せるFinTech領域の中でも難易度が高く「不可能」と言われた後払い決済ビジネスにおいて、確固たる地位を築くネットプロテクションズ。業界にイノベーションを起こすプラットフォームを構築できた背景には、個人の想いをベースとした組織づくりがあった。

Jul, 07, 2016

株式会社ネットプロテクションズ

柴田 紳 氏

経済に歪みを生じさせない、そんな摩擦のない決済手段を目指して

存在さえ感じさせない、まさに空気のように摩擦のない決済の仕組みを私たちは生み出そうとしています。というのも、現存する決済の仕組みは、商取引の流れを歪めてしまっていると感じているからです。例えば、現在多くの方が使っているクレジットカードは、インターネットが登場する前、今からおよそ50年前に生まれたものですが、必ずしもインターネットが普及した現代に即したシステムとは言えません。クレジットカードには、通常3%から5%という手数料の高さや、なりすましが発生しやすいというセキュリティの脆弱さに加え、ユーザビリティが悪いという問題があります。アマゾン・ドット・コムや楽天などの大手モール以外のサービスでは、いまだに、その都度カードを取り出して、16桁のカードナンバーを入力する必要があります。そして、クレジットカードを発行できない人々は、商取引の世界にエントリーすることさえ難しいという課題も存在します。こうした課題が存在している今、より便利で、安く、安全な、経済の流れを歪めない次世代の決済システムが必要となるのです。

後払い決済で不可能を可能にし、圧倒的な地位を確立

売り手と買い手、双方のニーズに合致したイノベーティブな決済システムを、ネットプロテクションズは最新の技術を用いて模索しています。例えば、ネットプロテクションズが提供する『NP後払い』は、商品を受け取ってから支払いをすることを可能にしたサービスです。もしお支払いをされないお客様がいた場合、その支払いはネットプロテクションズが保証しますから、ご利用される企業様にリスクはありません。

この「後払い決済」は、ニーズがあったにも関わらず、その未払いリスクの高さから、誰もがビジネスとして成立させることは不可能だと考えていました。しかし、独自のリスク算出方法と未払い率の低減により事業化に成功しました。軌道に乗せるまでに10億円以上の赤字を出したことから、いかに容易には真似できない難易度の高いビジネスモデルであるかがお分かりいただけると思います。今ではネットショッピングはもちろんのこと、水道やガス、リフォームの支払いといったリアルな場面にまで利用が広がっています。おかげさまで、現在では導入実績23000店、累計ユーザー数7000万人と、決済プラットフォーム事業として圧倒的な地位を築いています。

BtoB市場でも失われていた数兆円規模の取引機会を生み出す

BtoC市場と同じく、BtoBの決済市場にも多くの歪みが残っています。そもそも企業間の取引は、取引金額が大きいので未払い時のダメージが大きく、取引開始には与信審査が必要です。今では、大企業と中小企業との取引も増えてきています。しかし、かつては大企業にとって、中小企業を相手にするために支払う与信審査コストや、少ない取引額を数多く処理する経理などのオペレーションコストは、取引をするメリットに見合いませんでした。こうした理由から、多くの企業間で取引が断念され、取引機会が失われてきたのです。

そこでネットプロテクションズは、これまでに蓄えてきた取引データと培ってきた未払いリスクの算出ロジック、さらに少額で膨大な取引を取り扱うことのできるオペレーション能力を活かし、BtoB向けに『FREX B2B後払い決済』の提供を開始しました。これによって、企業間の与信リスクを保証し、今まで失われていた大企業と中小企業間の新しい商取引を生み出しています。累計利用企業数はすでに60万社を超え、BtoB取引の新しいスタンダードになりつつあります。

プラットフォームを活かし、Willの力で事業を多角化していく

これまでネットプロテクションズでは、BtoC、BtoBとそれぞれの市場で、独自の決済プラットフォームを構築してきました。今後は、これらの土台の上に、独自の経済圏を拡大すべく、事業の多角化をしていく予定です。そこで求められるのは、事業と組織全体を見渡す経営者視点と、組織全体の方向性を示した理念への共感、そして、一人ひとりのWillです。

経営者視点を醸成するためには、会社の枠組みづくりに関わることが重要です。というのも、私が新卒で入社した総合商社では、会社の仕組みを変える必要も機会も無かったため、仕事において当事者意識・全社意識を持つことが難しかったからです。全社意識を持たない社員は、自分の能力だけを伸ばそうとするあまり、辞めてしまうケースも少なくありません。ですからネットプロテクションズは、全ての社員に会社づくりに対する当事者意識を持ってもらうために、社長である私が持つ情報は、ほとんど全て社員に共有しています。新卒社員には部署をまたいで社員全員がメンターにつき、徹底的に組織の理念と個人のWillをすり合わせていきます。そうすることで、各社員が会社への貢献意識と自分の意志のバランスをうまく取りながら自走できるようになるのです。

また、現在は企業が個人の配属やキャリアステップを決めることが常識で、一人ひとりがWillを持ちづらい状態にあります。ネットプロテクションズは、能力も志もある優秀な人材が、自分の力を最大限発揮して自分のWillを実現できる組織となることを目指しています。組織というのは、ルールで縛る「管理・統制」ではなく、個人に任せる「自律・自立」が本来あるべきシンプルな姿だと考えるからです。

これからは社員一人ひとりが、後払い決済事業を核にした周辺領域や、その先にある新たな領域で、各自のWillに合わせて思い思いのプラットフォームを立ち上げていきます。資本ではなく価値観によって繋がる、「つぎのアタリマエ」となる会社を私たちと共につくってみたいという方は、ぜひネットプロテクションズで挑戦して欲しいと思います。

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株式会社ネットプロテクションズ

Interviewee

柴田 紳 氏

しばた・しん

株式会社ネットプロテクションズ

代表取締役社長(CEO)

1998年に新卒で日商岩井株式会社(現・双日株式会社)に入社。3年後にITX株式会社に転職。株式会社ネットプロテクションズの買収に携わり、26歳のときにオンリーワン決済サービス『NP後払い』の立ち上げを果たす。2004年4月に社長就任。