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心を動かす力で、人生はもっとワクワクさせられる

ゲームの世界で培った「人の心を動かす力」を武器に、人生のあらゆるシーンをワクワクさせていくアカツキ。彼らの目指す先にある、人の心やつながりといった感情を報酬に発展する新しい社会の在り方とは。アカツキが考える 「感情報酬で発展する社会」の本質を塩田代表が語る―。

Aug, 15, 2016

株式会社アカツキ

塩田 元規 氏

時代とともに人々の〝価値観〟は大きく変化する

〝アカツキ〟という社名は、〝世界に夜明けを!〟をという意味で付けた名前です。それは、夜明け前の暗い世界から、太陽で照らされた光り輝く世界へのシフト。世界を劇的に変えて新しい価値観のシンボルになるという僕たちの意志です。

では、世界をどう変えていくのか。そのためにはまず、〝変化〟について知る必要があります。変化にはたくさんの要素があると思います。例えば、テクノロジーや法規制の変化も人々の生活を大きく変えます。ただ、僕はそれらの変化は一つの要素に過ぎず、より本質的で重要な変化は、人々の〝価値観〟の変化だと思っています。価値観の変化とは、〝正しい〟、〝当たり前〟だと思うこと自体が変わっていくことです。

少し前は、大企業で終身雇用制度に従い、定年まで勤めるのが当たり前でしたが、僕ら若い世代にとっては、それって全然当たり前のことではないですよね。これも価値観の変化の一つの例だと思います。

こうした変化は、時代が変わるタイミングで多く発生しています。例えば、明治維新では、武士がかっこいいと思われていた時代から、武士の仕事がなくなる時代に大きく転換しました。第二次世界大戦前は、軍人がヒーローとして扱われていましたが、敗戦後、軍人は犯罪者になってしまいました。高度経済成長期には、家庭を顧みずに大企業でモーレツに働き続ける〝企業戦士〟がかっこよかったのに、バブルが崩壊してから、ワーク・ライフ・バランスを重視する人が増えています。そして、僕はまさにこの先10年で、人々の価値観は今まで以上に劇的に変化していくと考えています。

目に見えるものから目に見えないものへの価値観シフト

これからの価値観の変化をシンプルにまとめると、物や数字といった目に見えるものから、感情やつながりといった目に見えないものへのシフトだと考えています。例えば、物を購入するときに、人は機能性より、その商品の物語や想いに共感できるかを重要視し始めているのではないでしょうか。仕事選びも、お金という目に見えるもののために働くという価値観から、意義のある仕事で誰かの役に立つかどうか、働いていてワクワクできるかどうかが重要であるという価値観へ変わってきていると感じます。仕事以外における人々とのつながりも、人生においてより重要になってきているのではないでしょうか。

僕は経営においても、効率性や合理性、数字だけを重視するのではなく、働いているメンバーの心やつながり、哲学といった目に見えないものや価値を重視する会社こそが大きく成長していくと信じています。

アカツキはリアルも含めて感情を報酬に発展する社会をつくる

僕たちはこの変化の中で、自分たちが素晴らしいと信じている世界を「感情を報酬に発展する社会」という表現で掲げています。感情報酬とは、ワクワクやつながりといったまさに〝目に見えない〟心が感じる報酬を指します。そしてそれによって得られる心の満足が、人の幸せを決めるのです。そもそも幸せとは心の満足が決めることだと思いますし、価値観の変化によって、よりその考えが強くなってくると思います。

仕事や活動を行うときにも、人から言われてやるのではなく、自分の心やワクワクに従っているときは、その活動をやること自体が幸せだと感じるでしょう。加えて、ワクワクして取り組む仕事や活動は大きな成果をもたらし、他の多くの人をも幸せにします。感情報酬が循環して、世界が人々の自発性によってどんどん良くなっていく社会。これが僕たちが目指している、新しい価値観に満ち溢れた世界です。

アカツキは今までワクワクや、つながりを、ゲームを通して提供してきました。プレイヤーは、目に見える報酬は何も得られないにもかかわらず、ゲームの中では大変な努力をします。それは、目に見えない感情報酬があるからです。ゲームは人の心を動かす作品です。僕たちは、これからも想いとメッセージを込めた最高のゲームを提供していきます。

ただ、僕たちはもっと多くの人々の、もっと多くの人生のシーンを感情報酬に溢れる場所にしたいと思っています。そのためこれからは、人々のリアルなライフシーンに対しても、新しい事業を複数展開していきます。例えば、今年私たちはライブエクスペリエンス(LX)という事業をスタートしました。ゲームはデジタルの世界でワクワクを届ける最高のプロダクトですが、LXはリアルな世界でワクワクする体験を届けるプラットフォームを作ろうとしている事業です。2016年から本格的に投資をしていて、まずは国内ナンバーワン、そしてグローバルでの大きな成功を目指しています。この他にも新しいテクノロジーであるVRやARを使い、リアルとデジタルが融合する領域でも、新たな心を動かす体験を生み出す事業を複数創造していきたいと思っています。

僕たちの夢は、最終的には、人々が生まれてから死ぬまでの全てのシーンにアカツキが価値を提供することです。そのためにも、ベンチャーらしく、どんどん新しい事業や価値創造にたくさんチャレンジしていきます。

大切なことは、自分たちがワクワクできるチームであること

そして、世界を「感情を報酬に発展する場所」にするために大切なことは、僕たちのチーム自体がそうであることだと信じています。だから、僕たちアカツキは、組織やチームに非常にこだわりを持っています。ワクワクやつながりのある場所であること。カラフルな才能が集まって、事業がドライブされていくこと。そのために、僕たちはまさに目に見えないもの、〝コミュニケーション〟や〝遊び〟などに徹底投資しています。

例えば、毎朝、ホールに集まって、ボールを渡し合いながら良いことや新しいことをシェアしあったり、日替わりで面白いトピックを話すピッチを開いたりしています。また、3カ月に1回は全社で合宿をしていますし、月に一度は働いているメンバーだけでなくその家族や恋人を呼ぶことができるパーティを開いています。

経営を数字だけで見れば、一見非合理的な投資に見えるかもしれません。ただ、僕たちは経営の意志として、最高のチームづくりのために目に見えないものへ投資をし続けていきます。最高のチームこそ世界を変える原動力であり、アカツキの財産です。そしてそのチームから生まれる最高のプロダクトが世界を変え、世界を照らせるように、今後も挑戦し続けていきます。僕たちが最高に青臭く、ワクワクできる旅を進んだ先に、新しい価値観に溢れた世界が広がっていると信じています。

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株式会社アカツキ

Interviewee

塩田 元規 氏

しおた・げんき

株式会社アカツキ

共同創業者 代表取締役CEO

1983年島根県出雲市生まれ。横浜国立大学電子情報工学科を経て、一橋大学大学院MBAコース卒業。株式会社ディー・エヌ・エー新卒入社、アフィリエイト営業マネージャー、広告事業本部ディレクターを経て、退職後にアカツキを創業。