エンタメの次の主戦場は「仮想現実」へ。

コロプラの次世代エースが語る、VR時代のものづくり

Mar, 11, 2016

株式会社コロプラ

小林 傑 氏 ・ Y・ N 氏

突然言い渡されたVRプロジェクト

— お二人は、どのような経緯でVR事業にジョインされたのでしょうか。

●小林 実は、VR事業は予告なく始まりました。ある日代表の馬場に突然呼び出され、「明日から新規事業のマネージャーを任せる」と伝えられたのです。これはある意味、コロプラらしいやり方ですね。東証一部上場を果たした今でもなお現役クリエイターとして先頭に立つ代表を含め、経営陣の意思決定は非常に早く、こうしたチャンスも突然与えられます。VRはまだ手探りの部分も多いですが、全くの暗中模索というわけでもありません。これまでスマートフォン分野で着実に培ってきた開発力や蓄積された3Dアセット、クリエイターが身につけたユーザ感覚などは、そのまま応用が効くからです。

●Y・N 新卒入社して数ヶ月にも関わらず、立ち上がったばかりのVRチームに配属されたのは正直なところ予想外でした。元々コンシューマゲームはそれほど経験もなく、当初は議論についていくだけでも一苦労でしたね。今ではプランナー・ディレクターとして、企画や具体的なコンテンツ発案に加え、制作マネジメントもおこなっています。仮想現実という新たな体験を形にする挑戦ができる上、ゲーム開発を通して技術を高め、VR市場を盛り上げることができれば、非ゲーム分野にも還元できる発展性がある点も魅力的です。

経営陣直下のスモールチームが、若手の登竜門に。

— 新卒一年目から、相当大きな裁量が与えられるそうですね。

●Y・N そうですね。私の場合、配属一週間目で演出のキモとなるゲーム内サウンドを全て担当することになりました。具体的には、必要なサウンドの洗い出しから、外部パートナーの選定・折衝・制作管理、実装のディレクションまでを一任されました。サウンドについては当然、知識ゼロの状態でスタートしていながら、プロのサウンドクリエイターやエンジニアと協働する難易度の高い仕事をやり切った経験は、私の仕事水準を飛躍的に高めてくれています。

●小林 加えて言うと、コロプラではチームの小ささと経営陣との近さを同時に感じると思います。一例を挙げると、VRチームは現在20名ほどの体制です。少人数の割に仕事は膨大なので、メンバー全員が狭い専門領域に閉じることなく、クロスファンクショナルな働き方が当たり前になります。プログラミングをすること、絵を描くことが目的ではなく、多くの人に楽しんでもらうゲームを作ることが目的なのです。それぞれが企画やUI設計、サービス改善と幅広く関わることで、結果的に個人のクリエイティビティも総合的に伸びていきます。私自身も通ってきた道ですね。

また、VRチームは社長室の隣に位置していることもあり、1、2時間に一度は馬場との会話が自然に生まれています。トップクリエイターでもある馬場の感覚はさすがに鋭く、若手メンバーを育成しつつサービス成功確率を上げる、大きな要因となっています。

クリエイターのエゴを捨てて、初めて得られる財産

— エンターテインメントは、結局のところどこから生まれると思いますか?

●小林 何より、ユーザさんの声です。コロプラのクリエイター、そしてゲームの制作に直接関わらない者も、ゲームや人々を笑顔にすることに対して何かしらの熱い想いがあります。面白いものを創るためなら、手段も職種も関係ありません。とはいえ、ゲームの良し悪しを判断するのはあくまでユーザさん。自分が面白いと思っても、人に見せたらつまらないと言われるのは日常茶飯事です。

たとえば私が『ほしの島のにゃんこ』を創ったときは、200人ほどの子どもたちに試遊してもらいました。意図した箇所を全然タップしてくれず、期待したリアクションがほとんどないことには衝撃を受けましたね。そこで、エゴばかりだったプロダクトを一度捨て、どこをタップしても反応があるように設計し直したところ、一転して目を輝かせながら遊んでくれたのです。こういった勘所は一朝一夕では身につきませんし、だからこそコロプラの重要な財産、競合優位になっています。

●Y・N 吉祥寺で開いたコラボカフェ『ねこまつりカフェ』では、予想を遥かに超える人数の老若男女に来場いただき、感激したことを覚えています。たとえ技術的に優れたゲームでも、ユーザさんに受け入れられなければ無価値だと再認識させられました。

ゲームの行動ログ等のデジタルデータは常に記録されており、コロプラもデータサイエンスには相当力を入れています。ユーザさんの生の声を大切にする文化と合わせ、定量・定性の両面から分析を進める方法論は、今後のVRサービス開発のコアでもあり続けるはずです。

●小林 市場規模があらかじめ不明な場合は、投資に消極的な会社もあると聞いています。しかしよく考えれば、多少のリスクをとってもポテンシャルある市場に先行投資を続け、試行錯誤を誰よりも早く繰り返した企業が優位に立つことは、歴史を見ても明らかです。そういった意味で、コロプラはVR市場を先導する企業の一つだと自負しています。ものづくりが好きな方、ビジネスづくりが好きな方にとっての挑戦機会は無限にあります。未来のエンタメを一緒に創っていきたい方は、ぜひコロプラの門を叩いてみてください。

コロプラについてもっと詳しく知る

株式会社コロプラ

Interviewee

小林 傑 氏

こばやし・たけし

株式会社コロプラ

Kuma the Bear 開発本部付 仮想現実チーム マネージャー

2012年入社

Interviewee

Y・ N 氏

株式会社コロプラ

Kuma the Bear 開発本部付 仮想現実チーム

2015年入社