コロプラ副社長、VRビジネスの未来を語る。

M&Aと新規事業、新卒1年目が歩むキャリアとは。

Mar, 11, 2016

株式会社コロプラ

千葉 功太郎 氏

「夜明け前」を迎えるVRビジネスの近未来予測

いま最も注目すべきビジネスドメインの一つに、VR(Virtual Reality)があります。VRとは、コンピュータが創りだした仮想世界をあたかも現実のものとして体験させられる技術のこと。従来とは全く比較にならない没入感が得られることが特徴です。2016年には、Oculus Rift(Oculus VR)やProject Morpheus(ソニー)などの消費者向けデバイスが各国で販売される予定で、まずゲーム・映像などのエンターテインメント市場が付随して立ち上がるでしょう。2020年には市場規模が300億ドルに達するという予測もあり、爆発的に普及すると考えられます。また、Facebook社がOculus VR社を20億ドルで買収した例もあるように、VRは近々エンターテインメントの枠も超えて日常生活にまで溶けこんでいくでしょう。いま、VR市場はまさに夜明け前を迎えています。

コロプラは、スマホでご評価いただいた『白猫プロジェクト』の3Dアセットを使ったVRゲームを、2015年1月にリリースしました。今後はVRゲームの課題である酔いの抑制など、要素技術を全て押さえた上で、次世代エンターテインメント・プラットフォームとなるVRへのコンテンツ提供を加速させていきます。また、映像領域での動きも進めていきます。たとえば、米国では著名な映画会社が360度動画専用のラボを設立し、その流れは映画業界全体へと広がろうとしています。こうした市場環境の劇的な変化も捉えた上で、2015年11月には360度動画に特化した100%子会社「株式会社360Channel」を設立しました。まったく新しい映像体験を通して、より多くの方々に楽しんでいただけるエンターテインメントを創り出していきたいと考えています。

M&Aや新規事業を担うのは新卒メンバー

創業以来、私たちは自社をエンターテインメントの専門家集団と定義しています。より上質なエンタメ体験を提供するため、自社単独での事業開発に加えて、M&A戦略や子会社設立も積極化しつつあります。2015年だけでも、業界屈指の老舗企業を含め3社をM&Aし、北米には海外子会社を設立しました。「360Channel」も、新設した事業別子会社の一つですね。

どの環境でも総合職一期生にあたる、2015年入社の新卒メンバーの活躍が著しいです。たとえば、ある者はM&A戦略に携わっていますし、別の者は新規事業であるVRゲームにディレクターとして関わっています(※)。基本的には、社長室の目の前や本部長の真横に新卒が位置していて、経営視点を持つことが標準的な状況です。コロプラ単体では600名規模のミドルフェーズでありながら、クリエイティブ職が多くを占めるため総合職人材はレアです。だからこそ、チャレンジングな仕事に取り組む機会に富んでいるのです。

デジタルデータの分析が現実世界にインパクトを与える

データサイエンティストにとっては、スマートフォンゲームデータは理想的な解析対象です。ユーザの動きがログデータに落とし込まれ、行動分析を自在にできる純度の高さが実現されるからです。マーケティングサイエンスの分野でもリアル店舗での消費者行動分析などはおこなわれているものの、ここまで質の高いデータに触れられる機会は珍しいでしょう。

コロプラでは、数年前から社内にデータ解析専門のチームを置いています。ユーザのリアル世界での行動がゲーム世界のそれと連動する『位置ゲー』の解析から始まり、現在では、大手通信会社と共同で一般消費者の位置情報データ解析プロジェクトも走らせています。いよいよ、デジタルデータの分析がリアルに影響を与える、面白いフェーズになってきました。

グローバルに成長産業を創る人材に求められる条件

コロプラがスマートフォン領域に本気で注力し始めたのは、2011年のことです。当時はまだ市場普及率が10%未満。それでも、「数あるネットビジネスの一つ」ではなく、エンターテインメントにコミットすると決めリスクテイクしたからこそ今の姿があります。社会が以前よりも遥かに複雑化し、ストレスも多様化する中で、エンターテインメントは一層強く求められています。国内だけでも年間数千億円単位で拡張を続ける有数の成長産業となった理由は、もはや日常生活に欠かせない存在だからです。

本質的に重要なのは、何より「楽しんでもらえること」に向き合い続けることです。これは本当に難しいことです。練りに練った企画も十中八九褒められないシビアな戦場では、「喜んでもらって自分も嬉しい」というユーザ志向なマインドがまず前提となります。その上で、不確実性を楽しみながらビジネスを創り続ける、そんなワイルドさを兼ね備えた方には、最高の環境を提供できると思います。

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株式会社コロプラ

Interviewee

千葉 功太郎 氏

ちば・こうたろう

株式会社コロプラ

取締役副社長 次世代部長

慶應義塾大学環境情報学部卒業後、株式会社リクルートに入社。ネット黎明期よりWeb/モバイルサービスの立ち上げに従事し、2000年よりモバイル系ベンチャーへ。コンテンツからマーケティング、開発まで様々なモバイルビジネスに関わり、2008年コロプラ立ち上げに参画。