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IT業界の「いいとこ取り」な経験ができる。優秀エンジニアが集うAIベンチャー

「実用性の高いAI」にこだわりを持ち、卓越した技術力と優れた製品が国内外から高い評価を得ているブレインズテクノロジー。優秀な人材が集まる背景には、多種多様な仕事があるIT業界の中でも、その「いいとこ取り」をした経験ができるという同社の特徴がある。取締役/業務執行責任者(COO)の林氏と、エンジニアとして活躍する2名の社員に話を聞いた。

Jan, 27, 2022

ブレインズテクノロジー株式会社

林 琢磨 氏 ・ 奥山 昌紀 氏  ほか

お客様の声から製品を作り、出荷する「未来工場」

 ブレインズテクノロジーは、お客様の企業活動の継続性と生産性の向上に貢献することをミッションに、エンタープライズ(大規模法人向け)のAIソフトウェアを開発・提供しています。

当社の最大の特徴は「未来工場」というコンセプトのもと、AIをはじめとした先端技術の恩恵をいち早く、より多くのお客様に提供することを重視している点です。研究所ではなく「工場」としているのは、先端技術を単なる飾りにするのではなく、実用レベルの製品に落とし込み、素早く「出荷」することを一番に考えているからです。

こうした考え方のもと、現在展開している製品は大きく2つあります。一つは大量のデータやファイルを横断的に検索できる企業内全文検索エンジンのNeuron ES。もう一つは膨大なセンサーや音声、画像、動画などのデータから工場機械の異常を検知するImpulseです。

Impulseは数値データを扱う製品として2014年にリリースしましたが、その後、静止画等の二次元データの異常検知ができるようアップデートしました。さらに今では動画や3Dセンサーを活用した三次元データなど、より複雑な対象物を高精度で判定できるようになっています。

年々製品を進化させ続けられているのは、当社がお客様と密接に繋がり、実際に使われている現場から求められる製品づくりをしているからです。お客様の声を吸い上げながら、3ヶ月という短いスパンで製品をアップデートし続けることで、その時々の現場のニーズを素早く製品に落とし込んでいます。業績も堅調で、2019年度から2021年度の売上高の年平均成長率は41%に上ります。

ソフトウェア・SI・Web業界の「いいとこ取り」

 当社が技術・業績の両面で急成長できているのは、優秀な人材が集まっているからです。50名弱の社員のうち7割がエンジニアで、情報系のみならず様々な分野で修士・博士課程を修了したメンバーは7割に上ります。海外からも積極的に採用しており、高い専門性を持つ多様な人材が集結しています。

優秀な人材が集まる要因の一つは、IT業界の中での当社のポジションにあります。IT業界をハードウェア業界、ソフトウェア業界、情報処理サービス(SI)業界、通信インフラ業界、Web業界の5つに分類すると、当社ではソフトウェア業界とSI業界、そしてWeb業界の3つの業界の「いいとこ取り」をした経験ができる可能性があるのです。

まずソフトウェア業界とは、ソフトウェアを販売し、保守サポートを行う業界です。なかには開発は海外で行い、日本では販売のみをしている会社もありますが、当社では開発から導入まで一気通貫でおこなっています。そのため、自分たちの手で製品を作り、販売・導入支援をして、お客様からフィードバックをもらい改善する、そのサイクルをダイナミックに味わうことができます。

また、SI業界とはお客様から製品の要件をヒアリングして、設計や製造、テストを通して製品を作り上げていく業界で、当社はそことも近い仕事をしています。製品のエンドユーザーのお客様と密接に関わり、お客様の要望を製品に還元していく土壌があるのです。

加えて、AmazonやGoogleのように、新しい技術を元にインターネットを利用したサービスを提供しているWeb業界的な側面もあります。当社ではお客様が抱えている課題を聞き、MicrosoftやAWS(アマゾンウェブサービス)のクラウドなどの要素も含めた先端技術を用いて解決できないかを模索していきます。新たな技術にアンテナを張り、製品に還元していく経験が積めるのです。

自分にしかできないことに取り組んだ日々

 このように、当社ではソフトウェア・SI・Webの3業界の面白い部分を抽出した経験を積むことができます。しかし製品の開発から、お客様の手に渡った後のサポートや改善まで、全て自社で行うからこそ、特にこれまでIT分野に関わったことのない方にはハードルが高く感じるかも知れません。

そこで今回は、情報系学部出身の沢村さんと非情報系出身の奥山さんに話を聞き、現在の具体的な仕事や、学生時代の経験が仕事にどう活かされているのかについてご紹介します。

 まず2人は当社でどんな仕事をしていますか?

沢村 私は機械学習エンジニアとしてImpulseに関わっており、時系列データに対する異常検知システムの開発をしています。具体的には、機械学習の新規アルゴリズムを考えたり、分析機能を実装したりしています。また、お客様からの「Impulseにこんな機能を追加できないか?」といった依頼への対応もしています。

最近では開発のリーダー業務も担っているので、自分の手を動かして実装するだけではなく、Impulseをより魅力的にするためにどんな機能が必要かを検討し、設計するといった仕事もしています。

奥山 私は入社するまでソフトウェアやAIに深く関わったことがありませんでした。そのため、入社当初はデータアナリストなどを務めながら、機械学習の勉強を進めました。その後、機械学習の知識がついてきたタイミングで機械学習エンジニアのリーダーの仕事に就きました。

現在は、ある製品の開発に責任を持つプロダクトマネージャーを務めています。業務内容は開発マネジメントやお客様とのやりとり、プロジェクト全体の戦略立案など多岐にわたり、ときには製品に使えそうな新技術について調べて自分の手で実験をすることもあります。

 学生時代は2人とも、それぞれの研究に打ち込んでいたのですよね?

沢村 そうですね。私は大学では数理科学を専攻していて、基礎数学はもちろん、代数・幾何・解析学といった専門数学も学んでいました。プログラミングも研究に必要とされる程度には勉強していたので、どちらかと言うとソフトウェア工学を専攻していた人に近い立場ですね。

その後、専門課程では経済学に関する問題を数学を使って解き明かす数理ファイナンスと、確率統計学を勉強していました。もともと数学が大好きで選んだ学部・学科でしたが、学んでみると純粋数学よりも、こうした実社会で応用されている数学の方が好きになりましたね。何はともあれ、学生時代は純粋数学も応用数学も学ぶことができた、とても楽しい期間でした。

奥山 私は工学部出身ですが、沢村さんと違って学部時代はプログラミングなんてしたことがない、バリバリの実験系の学生でした。専攻は航空宇宙工学で、「乱流と燃焼反応の相互作用の解明」を研究テーマに、ガスボンベなどを使った実験や観測、解析をおこなっていました。実験はうまくいかないことが大半で辛いことも多々ありましたが、誰かの真似事ではない、自分にしかできないことに取り組めていた実感がありました。

燃焼工学分野で博士号を取得する傍ら、日本学術振興会特別研究員として研究活動をしていて、国際学会で論文を発表したりもしました。特に印象深かったのは米国のプリンストン大学に短期留学した経験ですね。世界各国から集まった若者たちは、同じ学生とは思えないほどにとんでもなく優秀で、研究課題なども次から次へと解決していくんです。正直、自分の至らなさを痛感しました。

新しいことを習得する「地力」

 学生時代に学業を頑張ってきた経験は、今の仕事にどう活かされていますか?

沢村 私の場合は大学で学んだ数学やプログラミングに関する知識が役に立っています。微分積分などの基礎数学を理解しているおかげで、機械学習の理論もすんなりと頭に入ってきました。

私が学生時代に使っていたのはR言語という、あまり開発では使われないものでしたが、プログラミング言語とはどういうものかという根本部分が理解できているので、業務で必要な言語を学ぶ際も、比較的楽に身に付けることができています。

一方で、専門課程で学んだ応用数学などの知識が直接仕事で役立つことは、まずありません。ではその経験から何が得られたかというと、新しい物事を習得するための「地力」です。

例えば、論文を執筆したりセミナーで発表したりするときは必ず、先に仮説を立てて、結論を導き出すにはどんな情報を用意すべきかを考えますよね。こうした仮説から筋道を立てて結論を導く技術は、社会に出てからも必ず必要とされます。その訓練を学生時代から積んできているのは大きなアドバンテージになっていると思います。

さらに、難易度の高いタスクに対しても、小さなことから積み上げて達成に向かって進められる力も、役立っている「地力」の一つです。仕事で先端技術について難しい本や最新の論文を読むことがありますが、一通り読んだだけでは理解できない場合がほとんどです。しかし学生時代に論文を読み込む経験をしてきたため、わからないことにぶつかっても、少しずつ時間をかけて理解していく意志と体力がついています。

奥山 沢村さんの言う通り、学ぶ力というのは学生時代に身に付いたとても大切なものだったと思います。近頃、技術のサイクルはどんどん速くなってきていて、特に機械学習は1年経つともう古いと言われかねない世界です。この先も新しい技術を身に付け続ける必要がある私たちにとって、どうやって新しいことを学び、活かすことができるのか。そのスキルを学ぶことは、ともすればプログラミングといったスキル自体を習得することよりも大切かもしれません。

また、学生時代から自分の「生存戦略」を考えることができたのも、その後の財産になりました。私自身、論文発表や留学などで何度も挫折を経験しました。自分の実力を知り、世の中には凄い人がたくさんいるとわかった上で、では自分には何ができるのか、他者とどう差別化できるのか、社会にどう貢献できるのかを常に考えるようになりました。

そして、私にしかないユニークな視点の重要性に気付かされたのです。それは今後、技術者として生きて行くにあたって、得意分野を作り、独自の視点と掛け合わせることでユニークな人材になろうという、今の私の指針形成につながりました。

 どんな学問であっても、集中して取り組んできたことで身に付いた「姿勢」や「生き方」が現在の仕事にも活かされていると、2人の話からわかりましたね。

 ブレインズテクノロジーは50人規模のまだまだ小さい会社ですが、優秀な社員とともに新しい技術を用いて日本の企業を支えており、そうして培った技術をやがては世界に還元することを目指しています。テクノロジーが好きで、一緒に働いてみたいと思った方は、ぜひ当社の門を叩いてみてください。

ブレインズテクノロジー株式会社

Interviewee

林 琢磨 氏

はやし・たくま

ブレインズテクノロジー株式会社

取締役/業務執行責任者(COO)

東京工業大学工学部卒業後、2003年にフューチャーアーキテクト株式会社へ入社。数々の大規模システムの構築・運用プロジェクトに携わり、フルスタックエンジニア、アーキテクトとして設計・開発・運用・インフラ・アプリと幅広くプロジェクトを経験。2015年にブレインズテクノロジーに入社。現在は、自社製品の製品開発から顧客への導入の統括を担当。

Interviewee

奥山 昌紀 氏

おくやま・まさき

ブレインズテクノロジー株式会社

プロダクトマネージャー

東北大学大学院工学研究科修了後、大手製造業の研究所にて、機械製品の設計や市場サービス開発に関する研究開発に携わる。2018年にブレインズテクノロジー株式会社へ入社。

Interviewee

沢村 敬太 氏

さわむら・けいた

ブレインズテクノロジー株式会社

機械学習エンジニア

東京大学大学院数理科学研究科修了後、データ分析を活用したコンサルティング会社にてデータサイエンティストとして経験を積む。2018年にブレインズテクノロジー株式会社へ入社。