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質にこだわり、規模を追求しない。少数精鋭ファームが重視するコンサルタントのあり方

コンサルタントとしてあるべき姿を念頭に置き、質を重視するコンサルティングで、クライアントの変革を推進するジェネックスパートナーズ。小規模だからこそ持てる強みと、その事業・組織成長への思いとは。同社代表の大池氏と、ロールモデルのいないチャレンジングな環境へ飛び込んだ新卒一期生の物見氏に伺いました。

May, 20, 2021

株式会社ジェネックスパートナーズ

大池 拓 氏 ・ 物見 直也 氏

高いプレゼンスを発揮するために選んだ新卒一期生入社の道

物見 私はコンサル業界に絞って就活をしていたわけではないのですが、たまたま新卒一期生を募集しているファームがあると知り、ジェネックスパートナーズの選考に進みました。新卒一期生と聞くとまだ体制が整っていなさそうで、不安を抱く人もいるかもしれませんが、私の中では「面白そうな環境だな」という気持ちが強かったですね。

少数精鋭で、規模が大き過ぎないファームの方が自分のプレゼンスを発揮しやすいですし、選考中から若手に対する大きな期待を感じていました。「新卒だからここまでしか任せない」というような制限を設けずに、頑張った分だけ評価してもらえそうだと思ったのが、入社を決めた理由です。

入社後は1ヶ月の研修期間を経て、すぐにプロジェクトにアサインされ、実践の中で知識やスキルを身につけていきました。1年目で4つのプロジェクトに携わり、分析からそれを資料に落とし込んで自分で発言するという、コンサルティングの一連の流れを経験しました。プロジェクト毎に難易度が上がりストレッチな部分もありましたが、代表の大池や他のパートナーから密にフィードバックをもらい、手厚くフォローしてもらったおかげで、なんとか乗り越えられましたね。

正直、最初のプレゼンは上手くできていたとは言えないレベルでした。それでも若手がファイティングポーズをとり続ける限りは、上の人が巻き取れる範囲内で任せてくれるので有難いです。

大池 物見に関しては中途社員と分け隔てなく、その都度必要な経験を積めるように意図してプロジェクトアサインをしました。知識や経験において多少の差があっても、それが致命的な差になることはないと考えているので、新卒だからという理由で対応を変える必要はありません。

普段からクライアントと対等な関係性で、親身になって相談にのれるパートナーであることを意識しているので、信頼関係さえ崩れないようにフォローすれば、実践の機会を与えることはいくらでも可能です。

また、私や他のパートナーが直接教えることが質の高いインプットにつながるのであれば、個の適性や必要な経験を見極めながら可能な限りフォローしていきます。当社がまだ30名程の規模で、全員の顔や性格がわかるからこそできることだと思います。

若手の自己研鑽が周囲を刺激し、組織全体の底上げにつながる

大池 コンサルタントは、日本を代表するようなカウンターパートを相手に話す機会も多いので、絶対にプロのレベルでないと通用しません。そのためには常に自分を高めていく必要がありますが、鍛え方を知らなかったり間違っていたりすることはあっても、鍛えれば必ずプロになれる世界です。きちんと鍛えていけば、たとえ日本を代表するコンサルタントとまではいかなくても、プロのコンサルタントには確実に成長できます。

物見 私は1年目に個々の分析やプレゼンなど、基礎的な部分をひと通り経験させてもらったおかげで、2年目にはより複雑性が高く、対象の広い分析や、タスク設計を任されるようになりました。今年から3年目になりますが、さらに俯瞰した目線を養い、プロジェクト全体の設計などマネージャーの一歩手前くらいのことまで担っていくつもりです。

まだまだ成長途上ではありますが、研修や実践を通してスキルを磨くだけではなく、若手として下から底上げする意識を大事にしています。会社としても社員がお互いに刺激し合いながら底上げしていくことを望んでいるでしょうし、私に限らず若手メンバーはみな同じような意識を持って仕事をしているはずです。

あるべき姿や、やりたいことを軸に据えたコンサルティングの追求

大池 私は一度ジェネックスパートナーズを退職し、他のファームをいくつか経験した後に、再びこの会社に戻ってきました。自分が「こうあるべきだ」と思えるコンサルティングを実現できるファームはどこかと考えた時に、規模が大きくて方向性が定まっていないファームの中ではやりづらさを感じたからです。

例えば、インダストリーなど様々なファンクションがあって、いろんなテーマに対応できるというのはすごいことですが、それは解き方の話であって、どういうコンサルタントでありたいかという話とは別物です。

決められた方針に合わせて任された仕事をやるのはもちろん大事なのですが、やり方さえ統一されていれば、コンサルタントそれぞれの目指す方向が違ったとしてもコンサルティングは成立します。ただ、そうすると必ず「どの深さまでやったらいいか」という話が抜け落ちてしまうんです。

戦略を実行する人が自分ごととして取り組めるように、現場を見て早くから現場の人を巻き込んでプロジェクトを主導し、1年後に成果がともなう戦略を描いてあげるのか、そうでないかは、複数のファームを経験するなかでかなり違いを感じた部分です。

もちろん売上を伸ばすことの重要性や大変さは理解していますが、私たちは売上を優先するために、案件の数を集めたり採用数を増やしたりはせず、「ファームとしてどういう集団でありたいか?」ということを常に念頭においています。当社のように「なにをやりたい?」と聞かれて、その案件を取ってきてくれるファームは珍しいのかもしれません。

あらゆる手を尽くし、最高水準の質を提供するファーム

大池 先日、全社員に対して「質で勝負する」という方針を伝えました。ファームによって強い領域は異なるので、コンサルティングの質を単純に比較することはできませんが、誰が見てもトップファームと比べて遜色ない水準を目指していきます。

当社は戦略を立てたり、それを実行して成果を出したりする際の、クライアントとのパートナリングを強みにしています。その独自の方法論を磨いていくのはもちろんですが、今後は自社で新規事業開発や事業投資もおこなっていきます。あくまでも売上や規模を追求するのではなく、コンサルティングの質を高めるために取り組むというのが特徴です。

社内には私と同じように事業会社を経験したコンサルタントもいますが、事業会社の経験がないコンサルタントもいます。そのため戦略を実行に移す際に味わう苦労を、必ずしも自分ごととして捉えきれていないということも考えられます。

当社がクライアントとのパートナリングを強みとして、さらに質を高めていくのであれば、コンサルタント自身が事業を経験し、そこで得たものを、コンサルティング・サービスの一環として、クライアントへ還元するのがベストではないでしょうか。

そうして事業の経験を積んだ後、コンサルタントに戻ることもできれば、事業会社の代表として経営に携わることもできます。一度事業を経験してそれをコンサルティングに活かすことができれば、個人のキャリアにおいても様々な選択肢を提示できるので、その機会を社員に提供していきたいですね。

コンサルティング以外にも、若手が参加し取り組む会社づくり

物見 最近はテレワーク中心なので対面で会う機会は減りましたが、若手でも大池と話したり、プロジェクトを一緒に進めたりする機会があります。あまりに規模が大きいと社内で名前を覚えてもらうだけでもひと苦労だと思いますが、自分の想いや考えをぶつけやすい組織ですし、これほど一人ひとりに目が行き渡るファームは稀かもしれません。

大池 当社はどんなに規模を拡大しても人数は100名以内に留めると決めているので、いずれはポジションが空かない限り採用を控えることもあるでしょうね。

そのためには、今いる社員がそう思って働けていることが大事なので、会社づくりにも積極的に関わってもらいます。ホットなトピックのプロジェクトがあるとか、条件面が業界水準よりも高いとか、教育研修や働きやすい環境が整っているとか様々な要素がありますが、今後2~3年でより一層そういうものを一緒に創りあげていきたいです。

実際に対外的なブランディング強化のためにプロジェクトチームを立ち上げ、若手からマネージャークラスまで幅広くメンバーを募りました。社内の活動を通して学べることも多くあるはずなので、新卒、中途関係なく、発言力なども気にせずやってもらえれば嬉しいです。

最終的には、外から見て「あの会社いいな」と思われる存在になりたいですし、入りたくてもなかなか入れないようなファームにしたいですね。

株式会社ジェネックスパートナーズ

Interviewee

大池 拓 氏

おおいけ・たく

株式会社ジェネックスパートナーズ

代表取締役社長 シニア・パートナー

GEキャピタルジャパンにて営業及び営業企画を経験した後に、ブラックベルトとして活動。自社事業の再構築や業務効率化等に従事。その後、経営コンサルタントに転じ、内資系・外資系のコンサルティングファームで合計15年以上の経験を保有。製薬会社、金融機関、メーカーなど幅広い分野において、事業再生、戦略立案・実行、新規事業開発、BPR等を通じた企業価値の向上を実現。

Interviewee

物見 直也 氏

ものみ・なおや

株式会社ジェネックスパートナーズ

コンサルタント

2019年東京大学経済学部卒。新卒1期生としてジェネックスパートナーズへ入社。ライフサイエンス企業に対する業務改革支援やプライベート・エクイティー・ファンドの投資先企業に対する人事体制強化支援等に従事する。