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未来を見据え、社会を創る。 NRI流プロフェッショナルのキャリアとは

2002年に株式会社野村総合研究所(NRI)の経営コンサルティング部門に新卒で入社し、現在はグローバルインフラコンサルティング部の部長を務める村岡さんは、20年弱のキャリアの中でどのように一流のコンサルタントへと成長を遂げられたのか。また、プロのコンサルタントとして活躍するために、重要なポイントとは何なのか。ご自身のキャリアの変遷とともに、NRIならではの働き方についてお話を伺った。

Dec, 11, 2020

株式会社野村総合研究所 (NRI)

村岡 洋成 氏

コンサルタントの枠にとどまらず、業界を牽引するオピニオンリーダーの役割も

——まず初めに、現在のご自身の業務内容とこれまでの経験について教えてください。

2002年に新卒でNRIに入社し、4部署(社会システムコンサルティング部、情報通信コンサルティング部、事業革新コンサルティング部、事業戦略コンサルティング部)を経験しました。その後、2012〜2013年のMBA留学(University of Cambridge Judge Business School)を経て、2014年からは、公共経営コンサルティング部とグローバルインフラコンサルティング部に所属。2016年にグループマネージャーに就任し、2020年からは現職のグローバルインフラコンサルティング部の部長を務めています。

——現在所属されているグローバルインフラコンサルティング部はどのような部署ですか?

グローバルインフラコンサルティング部は、①不動産、住宅、都市デザイン ②エネルギー、ユーティリティ、環境 ③運輸・物流、モビリティ ④海外インフラ展開 の4つの専門領域を持った部署です。都市生活を支えるインフラ企業や官庁がクライアントで、具体的な社名は言えませんが、普段皆さんが見聞きするようなインフラ等の企業は皆NRIのクライアントだと思っていただいて構いません。

クライアントワークだけでなく、書籍の出版など業界に対するオピニオン発信や、不動産のDXに関するセミナーなども行っています。経済産業省の大型プロジェクトであるスマートモビリティチャレンジ事業も支援しています。これはNRIらしいプロジェクトですね。NRIの哲学として、国あるいは社会を支える意義の高い仕事をしていると思っており、社会に対してどれだけ新しい価値を提供できるかを意識しています。

NRIを選んだのは、若手から新しいことに取り組めると思ったため

——なぜ新卒でコンサルタントという職種を選ばれたのでしょうか?

大学で都市計画を学んでいた影響が大きいです。都市計画とは、将来どのような都市にしていきたいか、という大きなビジョンを描き、さらに、どうやって実現するかを、合意形成しながら進めていくということです。ビジョンを実現するにあたり、都市という空間を設計することはあるのですが、空間だけでなくそこにいる企業や生活者にもフォーカスしていきます。企業に対するコンサルティングや政策立案も同じような思考であり、幅広いテーマを扱ってみたい、企業活動を通じて未来の実現に、より直接的に関わりたいと思うようになり、コンサルタントを目指しました。

——その中でもNRIを選んだのはなぜでしょうか?

就職活動では、コンサル会社だけでなく、運輸業界やデベロッパーなど、事業会社も候補に活動していました。NRIは、若手から新しいことにどんどん取り組むことができるというのが魅力でした。実際に1年目からしっかりとクライアントに対して議論する場で鍛えられましたね。

1つの会社にいながら様々なことに挑戦できる場所であることも、非常に魅力的だと考えました。NRIでは、短い期間でスキルを身に付けるだけではなく、何か1つの専門家を目指すのでもなく、自分自身でやりたいことがあれば、取り組んでいくことができると思ったんです。

またNRIの特徴として、お客さんの課題をただ解決するのではなく、業界・社会という観点から物事を考えるということが挙げられます。社会がどうあるべきか、業界全体が変わっていくにはどうしたら良いか、などをNRIのコンサルタントは常に考えています。それもNRIならではの魅力ですね。

1つの専門性を軸に、業界もテーマもピボットして自らの可能性を広げていく

——NRIではどのようにキャリアを創っていけるのでしょうか。

NRIでは、次のような流れでプロフェッショナルとしてのキャリアを時間をかけて築いていくと考えています。

まず新卒当初には、とにかく日々お客様と考え抜くことでキャリアを創っていきます。我々はお客様との時間を非常に大事にしており、コロナ禍でもオンライン・ミーティングで考える時間、議論する時間を作っています。一方で、新卒では専門知識はほとんど持ち合わせていないですから、その分社内の専門知識を最大限活用していくことも重要になります。

次に、1つの専門性を軸にピボットしていきます。同じ業界を長く担当していたとしても、実はお客様の課題はどんどん変わっていくんですね。市場のニーズも課題も変化する中で、自分の専門性を増やしていき、ゆくゆくはあらゆる課題を議論できるパートナーとしてのコンサルタントを目指していきます。そうやって長年のお付き合いの中で、専門性の深さだけでなく、幅も身につけていくことがNRIのキャリアの創り方の特徴ですね。

さらに、その先には、お客様とともに新しい事業を創ります。事業を作るためには、世の中や業界の課題が分かっていて、かつお客様のアセット(たとえば顧客基盤や技術など)を深く理解しなければならない。また、社会のあるべき姿を考えることも大切にしています。たとえば、先日私たちのチームでスマートシティに関するプレス向けの発表をし(スマートシティ報告書2.0、2020年6月)、記事に取り上げてもらいもしたのですが、社会はどうなるべきかをクライアントとも社内でも常に議論しているからこそ、その上で何をすべきかが考えられ、世の中に打ち出していくことができます。
これが我々が大事にしていることですし、NRIにいて面白い部分だと思っています。

——なぜNRIでは社会・業界という視点を身につけていけるのでしょうか?

NRIの出自が影響しているのかなと思います。野村徳七という野村グループの創始者が、調査の重要性を指摘し、野村総合研究所の設立にあたって、調査・研究が「一般社会の進歩に貢献することを最大の眼目とし」と定義されています。このDNAが、社会のことを語りたい人が集まっていることにつながっていると思います。転職してきた人には非常に新鮮だとよく言われます。

——具体的にはどのような新しい事業を創られたのでしょうか?

具体的な例としては、日本航空(JAL)と共同事業として取り組んだ「どこかにマイル」が挙げられます。通常のマイルの半分程度の6000マイルで4つの行き先のどこかへ行ける無料航空券を手に入れられる、というサービスです。日本航空さんとは、その後共同出資会社を設立し、今後も新しいサービスを開発していきます。

他に、個人が100万円以上から不動産投資ができるオンライン不動産投資プラットフォーム「bitREALTY(ビットリアルティ)」も、ケネディクス株式会社とご一緒させていただいて創った事業ですね。
我々のクライアントは非常に有用なアセットを持っているので、それらを活用しながら新しいチャレンジができていると思います。

——ご自身が歩んでこられたキャリアについて、具体的に教えていただけますか?

入社してすぐは、航空業界を中心にマーケティングや事業計画を立てる上での市場分析などに取り組んでいました。そこからまずは空港というインフラに対象を広げ、3年目くらいになると、航空業界がモノを運ぶ役割も果たしていることから関連して、物流に幅を広げました。

最初は物流会社をターゲットにしていましたが、さらに消費財メーカーの配送(ディストリビューション)にも取り組みました。というのも、「ネットワークを張って稼働率・積載率を上げることでいかに収益性を上げるか」、というビジネスの根本は物流も配送も同じなので、その知見を活かせたからです。このように航空を軸に業界の幅を広げつつ、テーマにおいてもマーケティングから構造改革、アライアンスにまで広げることができました。

さらには、モノを運ぶイクイップメントを作る製造業にも展開し、ユーザーである運輸に取り組んできた知見を活かして、マーケティングの視点から貢献していきました。また、海外で医療品ディストリビューションのためのM&Aを担当したこともあります。

これをきっかけに、M&A統合プランやM&Aソーシング、PMI(*1)などM&Aにもテーマを広げられました。今では、他にサービス評価・CX経営やサービスデザインまで自身のテーマの幅を広げられています。

村岡さんは、航空業界を基点に、空港、運輸、物流、製造業へと業界をピボットしてきた

運輸・物流を軸に業界を広げ、機能としては戦略からマーケティング、M&Aへと専門性を広げてきた

20年弱のキャリアの中で、非常に幅広い業界・テーマ・お客様の仕事に取り組んでいるので飽きることはないですし、1つの専門性を軸にピボットして専門性を広げることで、クライアントにより高い価値を提供できるようになり、さらには業界をより良い方向に変えていけることが、NRIでのキャリア創りのよい点だと思います。

*1:Post Marger Integrationの略で、M&A後の統合プロセスを指す。

海外の高級官僚との議論も。高い視座を持って取り組んできたプロジェクト

——キャリア形成に役立った、印象的なプロジェクトがあれば、具体的に教えていただけますか?

新卒5年目に、業界団体における合意形成支援のプロジェクトの責任者を務めたのですが、これは自分のキャリアにおいて大きな経験でしたね。会員の企業間で言い分が違ったり、本音と建前がある中で議論をしたり、当たり前ですが全員が喜ぶ正解がなかったりして、非常に難しいプロジェクトでした。そんな中、コンサルタントとしてご支援することで、あえて対立させて腹を割って話し合えるようにしたり、業界全体の視点へと引き上げたりして、結果的にうまく合意形成ができたと思います。

このプロジェクトを通して、合意形成に導く多くの引き出しを身に付け使いこなすことができるようになり、また自分自身のリーダーシップスタイルを見つけ、武器にすることができるようになりました。お客様にも「彼に任せれば先に進むんだ」とプロとして認められ、結果、次のプロジェクトから個人名で指名されることにもつながったんです。このように5年目ぐらいまでに、「個で戦う」、すなわち個人の名前で指名される力と実績を創っていくことを、NRIでは非常に大切にしています。

他にも、日系大手メーカーが在アフリカ企業を買収した際のPMI支援も印象に残っています。国境をまたぐM&Aであったり、アフリカにはマネジメント人材があまり多くはなかったりと、非常に難しいプロジェクトでしたが、社内の知見のあるコンサルタントから学ぶことで乗り越えられました。例えば、PMIの専門性を持つコンサルタントやアフリカビジネスに明るいコンサルタント、自動車業界に取り組んでいるコンサルタントなどに、助けを求め社内で何度も話し合い解決に導きました。質問をしたらどれだけ忙しくとも皆、嫌な顔もせずに答えてくれるのがNRIの良いところです。

海外案件だと、他にも日本の空港インフラを海外に展開する官公庁のプロジェクトは貴重な経験でした。ベトナムを訪問した際に、対応してくださったハイレベルの官僚の方が、当時若手の自分に向かって、「日本の新幹線をベトナムに導入することを君はどう思うのか」といきなり質問されたのです。特に準備もしておらず正直驚きましたが、常に「業界や社会をどうしていくべきか」を問われ、考えてきていたので、自分なりに答えられたと思います。私の答えを聞いて、先方も納得したようでプロジェクトの良いスタートを切れました。

NRIなら、若手の頃から社会はどうあるべきかを前提に取り組める

——他のコンサルティングファームと比べ、NRIの強みは何だと思いますか?

1つは、若手の頃から業界や社会という高い視座であるべき姿について議論を重ねながら、プロジェクトに取り組める点ですね。他のコンサルティングファームでも同様の議論や発信はしていると思いますが、NRIはそれだけでなく、1つ1つのプロジェクトにおいて、あるべき社会の姿から見通して、クライアントに対して答えを出しているんです。

また、他のファームだと情報発信をしているのは、専門の部隊やパートナークラスのコンサルタントであることが多いのですが、NRIでは3年目くらいから論文を書いたり取材を受けたりするようになります。ジュニアコンサルタントのときから、高い視座で情報発信するのは、他社との違いですね。

他には、長期にわたってクライアントとお付き合いし答えを出せるのも、NRIならではだと思います。1回限りではなく長く関係を築き、顧客とともに成長することを大切にしているんですね。変革は1回行って終わりではなく、ずっと続けていくものであるので、そこに寄り添っていけるのは、長年にわたる強固な信頼をいただいていて、かつ若手からクライアントと直接対峙できるNRIならではだと思います。

さらには、システムインテグレーションの事業をNRIの他部門が取り組んでいるのは強みですね。コンサル部門とは組織体制や採用などは全く異なりますが、IT部隊が隣にいて、実現手段までも提供することができます。

プロフェッショナルは自分の意志で専門性を広げ、挑戦し続ける

——NRIが求めるプロフェッショナルとはどのような存在でしょうか?

NRIでは、自らが主体的に成長していくことをプロフェッショナルとして求めています。というのも、コンサルタントとしての専門性を自身で組み立てる、つまり、自分がどういうコンサルタントとして社会に貢献したいかを自分自身で考えなければならないと考えています。だからこそ、採用の時点から、社会をどうしたいのか学生の皆さんに何度も問いかけるんですね。

また、専門性を組み立てるにあたり、NRIのコンサルタントは業界・顧客・テーマ・地域を軸に自らキャリアをピボットして新しくチャレンジをしていきます。

ピボットの軸は人それぞれ違って、自分の中で得意な部分に挑戦しつつも、最初のうちは領域を決めずに色々試してみて、その中で適性や強みを見極めて軸を定めていくことになります。NRIでは、様々なことに挑戦できるように、入社1年目には2つの部署を経験することになりますし、他社に比べ希望したプロジェクトにアサインされるようになっていると思いますね。むしろ、やりたいことがないと言う若手は、逆に考えてくるように言われます。

早く成長するコンサルタントは、入社した時から(たとえ仮説が間違っていたとしても)自分の意志をしっかり持っています。だからこそ、自分はこうしたいというイメージを持って取り組むことが重要ですし、会社として適性を探すサポートもしています。

そして、何度も述べている通り、NRIでは業界・社会という観点から語ることを求めています。クライアントの会社の内部改革だけでなく、業界全体が変わっていくにはどうしたらよいかという課題に取り組むことを重視するんです。

つまり、プロフェッショナルとして、顧客とともに栄え、そしてその上で社会にどう貢献するか考えていかなければならないんです。だからこそ、1年目から自分自身で課題発見と解決ができるように考え続けることが求められます。そして、そうやって常に新しいチャレンジをし続け成長し続けることこそが、プロフェッショナルなのだと思います。

コンサル業界は今までもこれからも、社会の変化とともに変わり続ける

——コロナなど社会の変化に伴い、コンサルティング業界はどのように変わっていくでしょうか?

前提として、コンサルティング業界は今までも変化してきました。もともとはプランニングや戦略を考えることにコンサルの価値がありましたが、今は、戦略を実現することにより価値が求められるようになってきています。実行支援とよく言いますが、実行するところまでリスクを負ってご支援するようになっていますね。

また、デジタルによって、さらに変革が推し進められています。例えば、新しいサービスを展開する場合、従来はサービス自体を作りこんだり全国展開したりするのにかなりの時間や労力がかかっていましたが、今では、デジタルを使ったサービスであれば非常にクイックに進められます。プランニングに時間をかけるのではなく、試しながらブラッシュアップしていくことが求められるようになりました。絵を描くことに止まらず、実装までリスクを負って一緒に創っていくことが我々コンサルタントの価値になっていきますね。

ただ、これまでのコンサルティングがなくなるかというと、決してそんなことはないとも思います。世の中の先が見えなくなっている、不確実性が高い世の中だからこそ、シナリオを想定し、戦略オプションとその優劣を考えていくということが求められます。トレンドだけで戦略を描けなくなってきているからこそ、より難しくなっている旧来のコンサルティングが求められると思います。

目まぐるしく変わる社会で、プロフェッショナルとは何か自ら問う

——最後に学生の皆さんにメッセージをお願いします。

新型コロナウイルスの影響もあり、今後世の中の変化のスピードはますます早くなっていくと思います。コンサルタントという職業も、今の在り方がそのまま将来も続くわけではないですし、実際に私自身も入社したときと今ではコンサルタントの在り方は変わってきています。だからこそ、どんな業界を目指すにしろ、自分自身でキャリアを創っていくことを強く意識していくことが大切です。

世の中が変わっていきコンサルタントも変わっていく中で、柔軟に自分自身の武器を創っていけるようなマインドセットを持つ方は、コンサルタントとして良いプロフェッショナルになれると思います。ビジネスのプロフェッショナルとは何か考えながら、就職活動頑張ってください。

※2020年9月28日(月)開催の「連続講演 Philosophia 百戦錬磨のエグゼクティブが語る『コンサルタントの哲学』 トップコンサルタントが語る“プロフェッショナルとしての飽くなき成長の本質”」より再構成

株式会社野村総合研究所 (NRI)

Interviewee

村岡 洋成 氏

むらおか・ひろしげ

株式会社野村総合研究所 (NRI)

グローバルインフラコンサルティング部 部長

2002年、新卒入社。University of Cambridge MBA、早稲田大学大学院建設工学専攻修了。運輸、物流等のインフラ関連産業における戦略立案及び実行支援に従事。