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「なぜ外コンではなくNRI?」 NRI流のコンサルティングに迫る

野村総合研究所(NRI)の経営コンサルティング部門にて採用を担当されている中山氏に、コンサルティング業界の魅力、とりわけ、NRI流のコンサルティング、人材育成などについてお話しいただきました。「NRIには若手に圧倒的な裁量権を与えて育成する風土がある」「海外で働きたい人にとってこそNRIは面白いフェーズにある」とはどのようなことなのでしょうか。NRIの魅力に迫ります。

Oct, 08, 2020

株式会社野村総合研究所 (NRI)

中山 太一郎 氏

ピュアな問題解決に注力できる経営コンサルティング部門

 「野村総合研究所」という名前はみなさんご存知かもしれませんが、何をやっている会社か知っていますか。

 会社全体としては、企業・官公庁の問題解決に取り組んでいます。問題解決の手段として、私たちは大きく2つの事業を持っています。1つは「経営コンサルティング部門」、もう1つは「ITソリューション部門」です。その部門ごとに、採用や制度が明確に区切られている会社でして、今回は経営コンサルティング部門についてお話しします。

 まず、我々経営コンサルティング部門はITコンサルや、ITの営業部隊でもありません。ITに関しては、ITソリューション部門が担っているため、コンサル部門は何らかの商材を売り込むことや、ITサービスの導入などが業務のメインとなることはありません。他社のコンサルティングファームと同様、ピュアな問題解決に注力できる部門になっています。

 今回は、コンサル業界全般というよりは、NRIが他のファームとどこが違うかに力点を置いてお話ししようと思います。

NRIではどのようなコンサルティング案件を扱っているのか

 まず、NRIがどんなお仕事をしているか。一言でいうと、あらゆる業界の企業や国が抱える、様々なお悩みを解決しています。自動車産業から、通信、バイオ、エネルギー、そして国まであらゆる業界をお客様にしていますし、扱うテーマも、経営戦略、事業戦略から、マーケ、グローバル戦略、そして戦略の実行支援、政策や制度の立案支援など多岐にわたります。

 よくNRIはシンクタンクというイメージを持たれている方が多いと思いますが、売上の約8割は民間企業向けのコンサルティングです。シンクタンク発祥なのに、売上比で2割しかないからその機能が弱まっているかというと全くそうではありません。グローバルの戦略ファームらも名を連ねる中、全世界、グローバルで1位の営利目的のシンクタンクと評価されています。シンクタンクの能力は維持しつつ、民間向けのコンサルティングが非常に伸びていますね。
※Global Go To Think Tank Index ReportのBest For-Profit Think Tankカテゴリーで1位

 そして、実は最近では、KDDIや、JALとジョイントベンチャーを設立し、一緒に事業を創造するということも行っています。コンサルはよく、あくまで事業はしない第三者、と言われることもありますが、NRIは日本本社のファームとして長く信頼されているからこそ、一歩進んで、お客さまと一緒に事業を創っていくことにも挑戦しているのですね。

若手の裁量権×長期育成

 NRIには、若手に圧倒的な裁量権を与えて育成する、特に主体的に成長しようとしている人に対して多くの挑戦機会を与える風土があります。

 コンサルティング自体がそもそも成長に資する仕事だとは思うのですが、NRIは特に、何かを成し遂げたいと思う人に対しては積極的に権限を付与することで育成するということに取り組んでいます。

 一般的に、コンサルティングファームにおける営業はパートナークラスの方、プロジェクトリーダーはマネージャークラスの方が行う仕事です。しかし、NRIでは、入社1年目から顧客の矢面に立ち、入社2~3年目にはプロジェクトリーダー、4~5年目には営業も担当している社員も多いです。

 なぜでしょうか。その理由は「人財を長期的に育成する風土」にあると思います。

 NRIは、Up or Outではなく、少なくとも5年、10年働いてほしいと考えています。ですので、先輩としては、後輩を一人前に育て上げたほうが「得」なのですよね。早くから後輩が育った方が、自分も楽になりますよね。

 だからこそ、多少のリスクがあっても若手にプロジェクトリーダーを任せたり、営業活動を積極的にさせることで、一人前のコンサルタントとして育成していきます。(詳細は後編を参照)

 実際に、私自身も1年目から大企業の役員の前でプレゼンをしたり、一緒にディスカッションをする経験を積んできました。また、若いうちからプロジェクトリーダーも何本も経験しています。このような経験をできることが、NRIコンサルの特長の一つですし、なによりお客さまとディスカッションするというコンサルタントの醍醐味を早くから味わえることがなによりも楽しかったですね。

声をあげ続けることによって、想いのある案件に関わる

―― 自分が希望した領域の案件をやりたいと思ったとき、どれくらいその希望は通るのでしょうか。また、ある程度専門性を身に付けたときに、別の分野を希望した場合、その希望はどれくらい通るのでしょうか。

 確率は結構変動すると思います。何によって変動するかというと、1つは「自分から声をあげているかどうか」だと思います。これは他のファームと結構違うと思いますので、背景から説明しますね。

 NRIでは、パートナーという特定の層が案件をとってきて、アサインマネージャーがアサインするという構造ではなく、それぞれのコンサルタントたちが案件をとってきてそれぞれアサインし合っています。
ですので、「私はこういうことが好きなんだ」「こういうことがやりたい」ということを言い続けていると、そのような案件が出てきたときに声がかかり、アサインされやすくなります。

 また、もう1つの変動要因は、自分がそのときどれくらいアサインされているか、自分の身体がどれくらい埋まっているかだと思います。その2つの掛け算で確率は変わってきます。

 「これをやりたい」と言っていると、マネージャーが関連する案件を探してくれたり、もしくは自分が特に興味のある案件に関わっているときには他の案件をなるべくストップしてもらったり、そのようなことはあるように思います。このように、自分で「やりたい」と言ったことに対しては挑戦するチャンスを与え、言ったことに責任を持って取り組ませる度量があり、上司や先輩、同僚が惜しみなくサポートしてくれる会社です。ただ、手を挙げた分、きちんと努力し、成長する姿勢はもちろん求められます。

―― 具体的にはどのような事例があるのでしょうか。

 実際の例で言うと、入社前から宇宙ビジネスに関わりたいという学生がいました。入社後も、「自分は宇宙に関わりたい」と積極的にアピールし、新人の頃から多くの宇宙案件に入ることはもちろん、自身から営業活動に携わっていきました。2年目の時には、NRI代表として宇宙の国際学会にてプレゼンを実施するなど、対外発信をする程の活躍ぶりになっていますね。

 ここまでお話したことをまとめると、NRIは、日系企業としての良さと、コンサルティングファームらしさをいいところどりをしたような会社だと個人的には思っています。

 日本企業らしいところは、やっぱり人を大事にしてくれるところ。コンサルというとドライなイメージを持たれる人も多いですが、NRIは世話焼き、おせっかいな人が多く、自ら機会を求めていこうとする主体的な人に対しては、多くの挑戦機会を与えよう、一緒にいい仕事をしていこうという雰囲気があります。金額で言っても「世間平均の5倍の研修予算」をつけているなど、制度的にも人材を大事にしていることが分かってもらえると思います。

 だからといって「ぬるま湯」や「日系っぽい非合理」はなく、そこはコンサルらしいところです。少数精鋭で仕事を進めていくので、年次に関係なく、「正しいことは正しい」という考え方を持って議論できる環境があります。若手でもどんどんお客様の前に立って挑戦していける環境は、プレッシャーもありますが大きく成長できる環境だと実感しています。

海外で働きたい人にとってこそNRIは面白いフェーズにある

 最後に、NRIに関してよくある誤解を解いていこうと思います。よく言われるのは「NRIってすごくドメスティックな会社なんじゃないの?」「国内向けのコンサルティングしか扱っていないのでは?」ということです。

 現在、海外売上は3割ほどです。私が入社した頃は1割ほどでしたのでだいぶ伸びてきました。しかしまだまだグローバルコンサルティングファームとは名乗れないと思っています。私たちは、グローバルに「チャレンジし、成長している」コンサルティングファームです。

 「将来グローバルに活躍したい」「グローバルな仕事がしたい」と思っている方達は、どのような企業に就職するのが自分にとって面白いのか、もう少し深堀って考えてみるといいと思います。日々英語を使う環境がいいのか、それとも色々な国に海外出張に行きたいのか、あるいはどこかの国に駐在したいと思っているのか…。このどれかによっても、就職先は変わりますよね。

―― NRIのようなフェーズの会社はどうなのでしょうか。

 例えば、南米のプロジェクトが立ち上がったとします。しかしNRIには南米の拠点がありません。どうするかというと、南米まで出張して、現地でリサーチを行うなどする必要があります。非効率ですよね。グローバルに拠点があるファームであれば、電話1本かけて現地の社員に調べてもらい、アウトプットを使えばいいのですから。この方がよほど効率的です。

 しかし、一社員としてどちらが面白いかというと、海外で仕事がしてみたい人にとっては、実際に自分で現地に行く方が面白いかもしれませんよね。また、例えば南米の仕事が今後増えてきたら、私たちは南米に一から拠点を作らなければいけませんよね。

 そのようなときは、一番リソースのある東京本社から人を送ります。その上で、現地でコンサルタントを雇い、拠点を立ち上げるところから行わなければいけません。

 実際に、NRIには、アジア、アメリカ、ヨーロッパ等、数十の拠点が存在し、それぞれが連携しながら、コンサルティングを進めています。海外トレーニー制度を用いたり、駐在する等し、日本本社の社員が数年間海外拠点でコンサルティングを行うケースも年々増えてきています。

 実際の例でお話すると、入社4年目からインド拠点に4年間駐在した社員がいます。その社員は4年目にしてグループマネージャーとしてインド拠点に駐在し、インド人をマネジメントしながら、日本企業のインド進出を支援するだけでなくインド企業に対しても営業活動をして案件開拓等をしていました。4年間で、売り上げは約4倍、人員数は約5倍になり、NRIコンサルティング部門の中で最大の海外拠点にまで育て上げたそうです。NRIがグローバルにチャレンジし成長している会社だからこそ、このような経験ができるのだと思います。

 グローバルで働くとはどのようなことなのか、学生のみなさまには一度深く考えてほしいですね。

株式会社野村総合研究所 (NRI)

Interviewee

中山 太一郎 氏

株式会社野村総合研究所 (NRI)

コンサルティング人材開発室
上級コンサルタント※

2008年4月新卒入社。放送局・製造業系のクライアントを対象とした経営コンサルティングに従事し、現職。人材開発室では自社の人材戦略立案、採用、研修を担当している。(※所属は2018年3月時点)