決済事業という「事業推進力を身につけるための最高のフィールド」を基軸に、メイン業務とサイドプロジェクトの往復で「トライアルを繰り返しながら、やりたいことを探求できる」成長環境に迫る。
● 起業家と正社員、二足のわらじを履く理由
● コンサルでもメガベンチャーでもなく、ネットプロテクションズを選んだ理由
● 「裁量権を決める」時点でトップダウン。“出る杭”を大切にする企業カルチャー
● 事業推進力を身につけたいなら、「決済」は最高のフィールド
● トライアルを繰り返し、「やりたいこと」を探求できる環境
木下氏は、誰よりもネットプロテクションズというプラットフォームを使い倒し、起業のための経験を積み重ねてきた。
学生時代より「花」に惹かれ、花にまつわる事業を立ち上げる志を抱いていた木下氏。まずは基礎的なビジネスの経験を積むべく、企業への就職を選択した。入社先は、売上アップだけでなく、あらゆるステークホルダーの幸せも鑑みるバランス感覚に共感し、ネットプロテクションズを選ぶ。2015年に入社後、主に新規事業のセールス、マーケティング、システム開発に従事した。
並行して、大小さまざまな企画を推進。部門をまたいだ交流会の開催、リソースの20%を使って担当業務外のプロジェクトに取り組める制度「ワーキンググループ」による新人研修の企画などを手がけた。
なかでも打ち込んだのが、採算度外視でミッションの探求のみにコミットするオウンドメディア『THINK ABOUT』だ。志を同じくするメンバーと自主的に発案し、業務時間外の準備からスタートした。メディアの運営経験はなく、予算が下りる見込みもなかったが、自身の手で制作しながら進めていったという。
3年以上の時間をかけてコンテンツを積み上げていき、THINK ABOUTのコンセプトに沿って2018年に企画した大規模なカンファレンス『貨幣の束縛』は、97.4%の来場者満足度をマークした。木下氏はこの経験から、事業づくりの要諦を学んだと振り返る。
その学びは、2018年に創業したマーウィにも活きている。マーウィは、法人・個人向けに贈答花を提供し、「より多くの方により濃くお花の価値を伝える」ことを目指す。
一方で、木下氏は現在でもネットプロテクションズの正社員として、THINK ABOUTの運営を続けている。この“二足のわらじ”スタイルは、マーウィを起業する旨を同社代表・柴田紳氏に伝えた際に、「本気で応援しているからこそ、Win-Winの形を模索したい」と提案を受け、確立された。
木下氏がネットプロテクションズの仕事を続ける代わりに、ワーキンググループの一環として、若手社員にマーウィを手伝ってもらう。さらに、ネットプロテクションズの経営陣とのメンタリング機会も得ているという。
木下氏と同様に、三上氏は「経営者になりたい」という想いを胸に、ネットプロテクションズに新卒入社した。
誰かを幸せにした人が、また他の誰かを幸せにしていく、“恩送り”のサイクルを体現する事業や組織をつくりたい──自らのミッション実現のため、事業やプロダクトをつくる力と、組織や人を動かす力の両方を、高いレベルで身につけたかったという三上氏。就職活動時には、コンサルティングファームや事業会社、メガベンチャーも選択肢にのぼった。
しかし、事業と組織の両面で豊富な経験を積めそうな環境としては、ワーキンググループ制度のあるネットプロテクションズが一番だった。何より、最終面接で柴田氏にかけられた言葉が決め手となったという。
2017年に入社した後は、マーケティング、カスタマーサポートを経て、セールスユニットに配属。事業企画や戦略立案から、自発的に動いて100万円の予算を得た組織改革までを経験した。
新卒1年目の終わりには、事業部全体の戦略策定を推進するプロジェクトにも携わる。プロダクトの未来を考えながら、各部門を俯瞰し、事業部のメンバー全員で議論する場をファシリテートした。
ワーキンググループも最大限に活用し、THINK ABOUTのリーダーを木下氏から引き継いだ。さらに、2019年夏に実施された中高生向けインターンシップ『THINK FLAT CAMP –次世代リーダー成長支援プログラム U-18–』にも従事。木下氏がTHINK ABOUTをスタートさせたときと同様、はじめは有志で業務時間外に集まってゼロから企画し、予算を取り付けていった。
現在は、BtoB・企業間後払い決済 / 請求代行サービス『NP掛け払い』のセールスリーダーとして、アカウントベースドマーケティングを主導している。ワーキンググループをフル活用している三上氏だが、「サイドプロジェクトを手がけることは必須ではないし、その自由さがネットプロテクションズの魅力だ」と語る。
ネットプロテクションズは、木下氏や三上氏をはじめ、若手メンバーの活躍が目立つ。
コンビニ、郵便局、銀行での後払い決済を一括で導入できる『NP後払いair』は入社1年目の社員が、サービスを受けた後に利用者が価格を決めて支払える『あと値決め』は入社4年目の社員が起案した。
木下氏と三上氏に「なぜ、若手にそこまでの裁量権を渡せるのか?」と尋ねると、問いそのものを覆された。
裁量権がないことに加え、事業の強い収益基盤も、その環境を後押しする。主力サービスのBtoC通販向け決済『NP後払い』は、年間1,350万人のユニークユーザーを抱え、トランザクションは年間4,300万件。請求書の発行・送付、問い合わせ対応、入金ミスの確認…膨大な取引をさばけるオペレーションと、貸し倒れリスクを管理するノウハウを、創業から20年かけて磨き上げてきた。
この環境下で進むネットプロテクションズのミッションは、「つぎのアタリマエをつくる」。メンバー全員が、主体的にこの“問い”を探求している。
正社員数が160名近くまで増えた現在でも、全社合宿などの場で、「この会社がつくりたい、つぎのアタリマエとは何か?」を全員で議論する。日常の業務でも、ミッションと照らし合わせて取るべきアクションを決める。
そうしてミッションを探求していくなかで重視しているのは、「非合理性」だ。だからこそ、同社には「出る杭を打つ」と真逆の価値観が浸透している。
過去の連載記事で詳述したが、ネットプロテクションズではあらゆるメンバーが経営者視点で意思決定できるよう、Slackは基本的にオープンチャンネルで運用。ナレッジシェアツールのScrapboxにも「社内Wiki」として全てのプロジェクトの動向が書き込まれており、余すことなく情報共有がされている。
木下氏は「誰もが経営者のように振る舞えるからか、ついネットプロテクションズを『僕の会社』って言っちゃうんですよね」とはにかむ。さらに同社の主要事業である「決済」は、事業推進力を身につけるにあたって最適なフィールドでもあると、三上氏は言う。
ただし、ネットプロテクションズに不向きな人材もいると、ふたりは見ている。「事業で実現したい世界がある人にはフィットするが、儲かるだけの事業をつくりたい人には向かない」と木下氏。三上氏は同意しつつも、「やりたいことが明確にあるなら、入社しなくていいのではないか」とも語る。
木下氏は、2020年春にはネットプロテクションズを退職し、マーウィにフルコミットする予定だという。とはいえ、「つぎのアタリマエをつくる」営みに邁進し続けることに変わりはない。
三上氏も「数年以内には、ネットプロテクションズを卒業するつもりだ」と展望を語った。
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株式会社ネットプロテクションズ
木下 雄登 氏
株式会社ネットプロテクションズ
マーケティンググループ
2015年ネットプロテクションズ入社。 新規事業のセールス、マーケティング、システムに従事しつつ、新卒研修・メディア立ち上げなど行う。 2018年より社員でありながら自己資本100%のお花の会社、株式会社マーウィを立ち上げ、業務時間中にネットプロテクションズの業務と並行しながら事業立ち上げ中。
三上 高広 氏
株式会社ネットプロテクションズ
toBグループセールスユニット 兼『THINK ABOUT』
2017年ネットプロテクションズ入社。 マーケティング、カスタマーサポートに従事した後、セールスユニットにジョインし 事業企画・戦略立案、組織改革、新人育成などを行う。 並行して教育事業立ち上げを行い、2019年からメディア事業責任者も兼務。