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人を軸にしたマネジメントと“UEP”という仕組みが、良質な成長を促し、ユナイテッドの未来を創る

独自の組織カルチャーを創りながら、M&Aなど積極的な投資を続けて拡大をするユナイテッド。そんな中、同社が掲げるのは「UNITEDエンパワーメントプラットフォーム(UEP)の確立と活用」。投資銀行、VC、起業を経て、現在ユナイテッド代表取締役COOを務める金子氏に、チームユナイテッドとしての価値を最大化するUEPの全貌と、組織のカルチャーから、若手人材のキャリア構築に至るまで話を伺った。

Jun, 01, 2019

ユナイテッド株式会社

金子 陽三 氏

ユナイテッドが創る“エンパワーメントプラットフォーム”

昨年の8月にユナイテッドとして初めて中期経営計画を発表しました。もともと「日本を代表するインターネット企業になる」というビジョンを掲げている中で、この中計期間中にそのビジョンを達成するために、「営業利益100億円以上を目指す」という定量目標と、「UNITEDエンパワーメントプラットフォーム (以下、UEP)の確立とその活用によるビジョンの実現」という定性目標を定めました。私自身、ユナイテッドは様々な事業の集合体であり、非常に面白い会社だと思っているのですが、何の会社かと言ったときに、まさに「UEPそのものがユナイテッドという会社で、事業のコアです」と言えるようにしたいと思っています。ユナイテッドグループにはM&Aや純投資、中途採用、新卒採用などを通して、多彩な人材がジョインしています。今後も、そうした優秀な人材が集まってきてくれて、ユナイテッドという器の中で新しい事業が生まれ、事業の成長を通じて、人も組織も成長し、ユナイテッドが発展する。そうした良いループの中で、貢献してくれる人材が報われるようにしていきたいと思っています。

過去に買収という形でユナイテッドグループに加わった企業はいくつかありますが、買収した社員数名の企業に、その事業に活かせるノウハウを持ったユナイテッドの社員が加わり、事業の成長スピードが飛躍的に上がっていった事例もあります。もちろんVCから資金調達をして、人材も採用するということも可能ですが、人の採用や育成を行い、良いチームを作り上げていくためにはそれなりに時間がかかります。新規事業を立ち上げるにあたり、スピード感は非常に重要です。ユナイテッドグループが擁する、その事業にフィットするタレントが、新たに仲間に加わった事業を大きく伸ばすことに貢献し、その時間軸を縮めていくことができるというのは、UEPのメリットであり、強さです。創業以来ずっと、人を軸にしたマネジメントを強みとし、多くの経営人材を輩出してきたユナイテッドだからこそ、UEPを創ることをあらためて世の中に掲げました。「集まってきてくれた人材と、UEPという仕組みこそがユナイテッドだよね」と言える状態を創っていくのが、この3年間だと考えています。

若手がチャンスを掴める“修羅場”を作る

インターネットビジネスが高度化していく中で、昔のようにアイディア1つで何かを立ち上げるということは難しくなってきました。事業を立ち上げたり、成長させたりするために求められるスキルのレベルは上がっています。一つのコア事業がある会社で働いていると、その事業に関する知見は高まっていきますが、当然、他の事業で求められるスキルやノウハウは異なってくるわけです。しかし事業の数だけ必要な役割が存在し、若いうちから様々な役割を担うことができる環境があれば、事業を通じて新たなビジネスを立ち上げたり、成長させていくスキルや経験値を高めることが可能です。さらには、そうした個人の集合体や、機会の集合体が、結果として組織全体を強くしてくれると考えています。

実際に、新卒で入社した20代の多くが活躍し、現在ユナイテッドの事業の中核を担ってくれています。僕が20代の頃のインターネット業界は、まだインターネットビジネスへの理解が浅く、経験者がいない領域だったので、どさくさの中で様々なチャンスを掴める機会がありました。わからないことがあっても必死に学んで、創り上げていけばなんとかなったわけです。でも今はインターネット業界も成熟してきて、そういうことが難しくなってきています。だからこそ会社が意志を持って組織を壊し、意図的にどさくさな環境を作っていかなくては、若者がチャンスを掴みにくいと考えています。チャンスというと聞こえがいいかもしれませんが、相当な意志と想いを込めて、“いい意味での修羅場”が多い環境を、作っています。

20代、30代の凝縮された経験が、「生きる力」となる

例えば、ガラケーを使っていた時代はコミュニケーションツールとして当たり前のようにメールを使っていましたが、今は殆ど使いません。せっかくプログラミングの言語を習得したとしても、すぐに新しい言語が生まれますし、主要なデバイスやプラットフォームが変わった途端に使われなくなるものも多く、スキルは時間とともに陳腐化していきます。しかし、変化を楽しみ受容する力やチームでの課題解決力、壁にぶつかったときの忍耐強さといった、仕事に対する姿勢や向き合い方は一生の資産になります。ユナイテッドは、そうした経験を得るための機会を意図的に用意している会社です。もちろん大変さはあるかもしれませんが、色々な事業を経験することによって、時代の変化に対応できる人材へと成長していくことができます。

最近、経営者の間でよく話題になるのは、ワーク・ライフ・バランスを重視した法律や環境整備が進む一方で、成長のためにがむしゃらに働きたい人にとって良質な仕事環境は少なくなっているということです。周りには自分の限界を突破する経験をしてきた経営者ばかりなので、この時代に若い人たちがどうすれば多くの修羅場を経験できるのか、ということをよく議論しています。長時間働くことが重要なのではなく、機会や修羅場を自分のこととして捉え、20代30代のうちにどれだけそれを乗り越える経験を重ねられるか。そうした、密度が濃く質の高い経験を積める環境が重要だと思います。

“個が生み出す力”を重視した組織づくり

今は、数字で色々なことを可視化できる時代なので、事業ごとのKPIをモニタリングし、企業としての土台は保ちながらも、一人ひとりがそれぞれの領域で力を発揮できるよう、基本的には自由に働いてもらっています。日本を代表するインターネット企業になるためには、そのための仕組みを持っている会社であり、一人ひとりがビジネスのプロフェッショナルである必要がありますから、“個が生み出す力”がどれだけ高まっているかが重要だと考えています。大切なのは、生産性や創造性の向上を「目的化」すべきではない、ということです。会社を成長させて、私たちが掲げるビジョンを達成するためには、個の成長が欠かせませんから、そのために生産性と創造性を高めることが重要で、この順番を間違えないことが大事です。

過去に、ユナイテッドの中にあるプロダクトがとても伸びている時期がありました。ただ、当時その事業に携わっている新卒社員の成長が遅くなっていることに、危機感を覚えていたんです。プロダクトが売れると、人の力ではなくプロダクトの力で事業が伸びていくので、経営としては順調でも、人の成長という部分で課題を感じていました。結果として、マーケットの成長が止まるとともに、次第にその事業を伸ばすことが難しくなっていきました。本来であれば、メンバー自身がその予兆に気づいたり、プロダクトをこう変えるべきということを適切に意見したり、上司とコミュニケーションを図って変えていくためのアプローチをしたりすべきですが、人間には弱さや甘さがあるので、事業が好調な局面ではどうしても疎かになりがちです。

このようにインターネットビジネスの世界では、事業の形ができて、いい状態を作れたとしても、マーケット全体が崩れて、事業自体が数年で壊れる可能性があります。ですから、この業界で継続的な成長を遂げる企業となるためには、これまでと違った組織を作っていかなくてはいけないと考え、今はそれを追求しています。様々な事業に携わり、異なる上司やメンバー、取引先等と関わることで、自分自身で事業の課題や危機感を見つけることを覚えていくことができれば、自ずと経営感覚が研ぎ澄まされていきます。

人を軸にしたマネジメントで、人の未来に投資する

これまでたくさんの事業や経営人材を見てきましたが、事業への投資は「具体的にイメージできる」ことが一つの判断基準になります。定量的な観点でいえば、左脳で数式を組み上げていって成功のイメージが掴めるかどうか。定性的な部分だと、取り組もうとしている課題に納得感があり、お客様が喜んでくれるイメージが湧くかどうか。そして、チームとして取り組めるかどうか。これらのバランスで事業を見ています。また、「投資してみよう」と思う人材の判断基準は、一言で言うと「やり切れそうな人かどうか」です。いかに緻密な計画を組んだとしても、事業というのは往々にしてその通りにいかないものなので、それをどう乗り越えていけるかという部分で、事業に取り組む経営姿勢を見ています。事業計画通りに物事は運ばないという前提があったとしても、事業計画を見ているとその事業に対してどれだけ深く考え、強い想いで取り組んでいるかが見えてきます。世の中の課題をしっかりと捉えて、事業に対して深い考えと経験値を持ち、情熱を感じられる人であれば、仮に計画通りにいかなかったとしても、最後まで諦めずにやりきってくれると思っています。

ユナイテッドでは、働くうえで大切にしてもらいたい価値観として、「チームユナイテッド」「自責自走」「チャレンジ」「コミット」「No.1」という『5つのバリュー』を掲げています。私はその中でも特に「自責自走」という言葉を大切にしています。 一発で事業を成功に導ける人はほとんどいません。また、上手くいかないものだという前提に立っているので、事業の中身以上に、現状を否定することを厭わ ずに、自ら反省し、変えていこうと考えて、それを行動に移せる人かどうかが大事だと思っています。また、社内には新規事業立案の機会がありますが、仮に上手くいかなかったとしても、一度、新規事業立案を経験することで、自分の向き不向きが判ったり、得意領域を認識できたりしますから、それだけでも、大きな価値があると思っています。

こうしたユナイテッド創業以来変わることのない、人を軸にしたマネジメントへの想いは、会長の早川と僕でとても近いものがあります。それぞれバックグラウンドは異なるのですが、インターネットビジネスの黎明期にサイバーエージェントの経営に携わっていた早川は、人を軸にして事業成長を遂げてきた同社の経営を通して、その大切さを感じながら仕事をしてきたのではと考えています。私はこれまで、ベンチャーキャピタル・インキュベーションオフィスの事業を経験してきました。起業家の失敗や成功を沢山見てきましたが、こうした原体験を通じて、人を軸としたマネジメントの重要性を認識し、事業と組織(人材)の両輪が成長することを大切にしています。新規事業の撤退を考えるときも、その事業をやっているメンバー各々にとって良いタイミングなのかどうか、次に繋がる何かを得たのかどうかについても考え、判断をしています。

いまユナイテッドが求める、次世代リーダー

世界を見渡せば、“想いと誇りと努力”で構成されている、優秀なビジネスパーソンが第一線で数多く活躍しています。そういう“世界のツワモノ”たちとユナイテッドのメンバーが肩を並べるためにも、全体的な底上げが必要だと考えているので、社員にはどんどん目線を上げていって欲しいですね。

そのような背景を踏まえ、2021年新卒より、新卒段階から経営幹部を見据えたキャリアを想定した、「次世代リーダーコース」という選考コースを新設することになりました。事業戦略・事業企画を初期配属想定として、ユナイテッドの将来を担う熱意あるリーダー候補を募集します。 多様なバックグラウンドを持つ役員の直下で、 入社段階からより難易度の高い挑戦機会を手にすることが可能です。本選考開始にあたり、そのような学生たちが満足できるような、全社戦略策定に関するサマーインターンシップも開催します。ユナイテッド役員陣総出で、経営目線を身につける2日間を皆さんに提供します。サマーインターンでの優秀者に、先ほどの「次世代リーダーコース」選考パスをお渡ししようと考えています。

ユナイテッドを「日本を代表するインターネット企業にする」という想いに心から共感して、自分も「日本を代表するビジネスパーソンになる」と心底思える人と働きたいですね。いまユナイテッドで経営幹部もしくはその候補と呼べる人材は30人くらいいるのですが、そういう人材が2倍、3倍になったらすごく未来が明るいと思います。彼らは30歳前後の人が多いのですが、同じぐらいの成長を20代で遂げられるような、スピード感を持っている人材にお会いしたいですね。25歳でもとても思慮深く、行動力を持って結果を出している人は世の中に沢山いるでしょうし、ユナイテッドの中にもそういうポテンシャルを持った人材をさらに増やしていきたいです。

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ユナイテッド株式会社

Interviewee

金子 陽三 氏

かねこ・ようぞう

ユナイテッド株式会社

代表取締役社長COO

慶應義塾大学卒業後、リーマン・ブラザーズ、ドレーパー・フィッシャー・ジャーベットソンを経て、アップステアーズを創業。2004年、同社をネットエイジキャピタルパートナーズ (現・ユナイテッド)へ売却。2012年、ユナイテッド代表取締役社長に就任。