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圧倒的な運営数とエンジニア力を武器に、時代の先行く課題解決で、経営にインパクトを与え「成功」に導く

ITバブルといわれた2000年頃から、今もなお活躍する数々の著名な経営者と共に、インターネットビジネスの世界で、時代の波を乗り越えてきたオンサイト代表の岸氏。時代の先行く課題解決で、着実にお客様の経営課題に切り込み、成長を続ける同社の強みはどこにあるのか。岸氏と若手のエース安藤氏に尋ねた。

Jan, 15, 2019

オンサイト株式会社

岸 謙一 氏 ・ 安藤 進ノ介 氏

不確実なスタートアップベンチャーに飛び込んだ2人の背景

岸:今から20年前、24歳の私はインターネットのイの字も知らないような人間でした。当時、すでに同い年で経営をされていたサイバーエージェントの藤田さんの存在を知り、人づてに会いに行ったことがきっかけでそのまま入社しました。

そこでは20代の若いメンバーだけが働いていて、その活気ある光景にすごい可能性を感じたのを覚えています。オフィスには音楽が流れていて、その音楽が自分好みだったのも、飛び込んでみようと思った意思決定に少なからず影響しています(笑)。

インターネットは今でこそ誰もが利用し、疑う余地がない程に普及していますが、当時はかなり怪しいものだと思われていました。就職活動でも、まだ手書きのハガキで企業エントリーをしていたくらいなので、まさに黎明期でしたね。

ただ、リスクに関してはそれほど深く考えていませんでした。もしダメになったとしても、失敗するなら若いうちの方がいいと思っていましたし、それはそれで価値ある経験になるんじゃないかと。

サイバーエージェントでは、初めにクリック保証型のバナー広告の販売をしていたのですが、Googleすらないような時代だったので、図書館などで分からないことを必死に調べて、自分なりに考えてお客様に伝えるということの繰り返しでした。最初はやはり怪しまれましたが、徐々にお客様にめちゃくちゃ感謝されるようになり、それが嬉しくてどんどんのめり込んでいきました。お客様に育ててもらったという感じです。

安藤:私は岸とは違い、小学生の頃からインターネットに触れていました。友達とチャットをした体験に感動を覚えて、そこからHTMLに触れてホームページを作るようになりました。大学時代もキャンパスが筑波にあり、かなり僻地だったのでインターネットが全てで、ECの利便性を感じない日はありませんでした。インターネットは子供の頃から身近に感じていたので、就職するならインターネット業界がいいなと、漠然と思っていました。楽天は、インターンシップをしていた時に一緒に働いていた人たちが魅力的で、その環境に惹かれて入社しました。

入社後に、EC出店している店舗のコンサルティングをしていると、次第にお客様から「受注がパンクする」「人が足りない」「広告費をどう分配すべきか」「フェイスブックやインスタグラムの広告をどう活用したらいいか」といった、自社で提供するサービスプラットフォームの枠を越えた相談を受ける機会が増えていきました。だけど、当時はどう答えればいいのか分からずに、かなりモヤモヤしていましたね。

そんな時、同じ部署にいた先輩が、先にオンサイトに入社していて、「遊びにおいで」と誘われてオフィスを訪れたのが入社のきっかけです。岸やその先輩と話していて、経営という視点からインターネットを考えている会社で、インターネットに一番詳しい人になるのであれば、この会社がいいんじゃないかと思うようになり、気がついたら入社していました。元々の問題意識が一致していたのは大きかったですが、特に転職活動をしていたわけではなく、最後は直感を信じて飛び込みました。当時はオフィスも現在の半分くらいで、社員も8人だったので、岸がサイバーエージェントに入った時と似ているかもしれません。

いま思うと、社会人になって1年半くらい仕事をしていても、自分が何ができるようになったか、すぐに言語化できなかったことに危機感を持っていた感じですね。

オンサイトの礎となった、エンジニアとのサービス開発と圧倒的な運営数

岸:私も20代中盤、サイバーエージェント時代に大きな壁にぶつかりました。1年くらいすると世の中にITバブルの波が訪れているような感じで、メディアに取材されたり、上場を経験したり、会社は急成長していました。周囲もかなり華やかでしたね。私も執行役員という立場になり、恵まれた環境で仕事をさせてもらいました。その反面、たまたま会社のビジネスが時流に乗っただけで、自分自身は成長していないんじゃないかという危機感を抱いていました。インターネットビジネスにおいて、その実感を得られるようになったのは、ライブドアにいた頃ですね。

サイバーエージェントの後、リクルートを経て、ライブドアの副社長として迎え入れてもらい、ポータルサイト事業全般を任せられました。おそらく人生の中で最も働いた時期です。

大赤字の状態から、1年で5億円の利益を出してほしいというミッションだけがあり、採用から事業戦略、エンジニアの人に何かを作ってもらう、その内容も自分が決める、という感じで全てやっていました。当時のリーディングカンパニーが脅威に感じることを、狙ってやっているような時期でした。100くらいのコンテンツがあり、100人くらいのエンジニアをマネジメントして、サービスをたくさん創りあげていくということを相当やりましたね。

さらにその後、どのようにサイトやサービスを育てていくかというところにすごく可能性を感じていたんです。例えるなら、農業みたいな感じです。土を耕して、種をまいて、水をあげて、定期的に見回って剪定したり、天候から判断して水の量を調整したり、そういう話です。ゲームにも近い感覚で、それがすごく楽しかった。センスみたいなものではなくて、やるべきことを一つひとつ積み重ねていくと、確実に収穫できる。後発でもしっかり育てていけば、リーディングカンパニーをも射程圏内に収められるという感触がありました。

結果として1年でアクセス数は10倍以上、黒字化も達成できて、ビジネスマンとしては物凄く達成感を味わっていた時期です。事業は日に日に成長していましたし、かなりの手応えを感じ始めていましたからね。

でも、これからさらに事業を加速させていこうと思っていた矢先、例のライブドア事件が起こります。ある日、突然無職になってしまったんです。起業なんて全く考えていませんでしたが、その数ヶ月後にオンサイトを創業しました。通信事業大手の社長の仕事を手伝うことになり、そのタイミングでオンサイトを起こしたという成り行きです。

するとその仕事をきっかけに、いろいろな方面からご相談をいただくようになりました。最初はインターネットビジネスのコンサルティングだけをしていたのですが、「そこまで知見があるのなら、運営までやってもらいたい」という相談が増えたのと、私自身も実際に手を動かした方がより価値提供しやすいこともあり、途中から運営受託事業を始めました。それが徐々に大きくなって、今では800サイトの運営を手がけています。目の前の要望に一つひとつ応え続けていたら、今に至ったという感じです。

800サイト運営の知見とエンジニアとの強固な連携が、他にはない強みを育む

岸:あらためて振り返ってみると、ライブドア時代の実体験が今のオンサイトに活かされています。とにかく少ない人数でサイトやサービス立ち上げの数を経験しましたし、エンジニアと密な連携を図りながら、サービスを拡充、成長させていくことにこだわってやっていました。エンジニアリングを必死に勉強したおかげで、優秀なエンジニアチームをまとめることができたという自負があります。そして、どんなサイトやサービスでも運営次第で大きく育てていける確証に近いものを得ました。

安藤:確かにエンジニアと密に連携をとったり、エンジニアサイドから様々な意見をもらえる環境がオンサイトにはありますね。一つ相談すると、「こういうの面白いよ」といって、普段のコミュニケーションの中でもどんどん情報が上がってくるので、新しいものにいち早く触れることのできる機会が日常的にあるのは刺激的です。

岸:社員の数に対して、チャットルームの数はかなり多いでしょうね。例えるなら、常に渋谷のスクランブル交差点にいるみたいな感じです(笑)。一運営の自動化に関するアイデアなどもエンジニア側から出てくるので、現在、社内ではシステム開発自体の自動化も積極的に進めています。

安藤:驚くほどエンジニアチームの技術力が高く、スピードも早いので、「こういうことに困ってるんだけど」と尋ねると、それに対して的確にシステムの力で解決策を示してくれます。前職の時とは比べものにならいないほどエンジニアとの距離が近く、やり取りの数も多いです。さらに、自分自身が受注から出荷対応、顧客対応まで一通り経験しているので、確からしい仮説を元に、実際に事業として成り立つイメージを明確に持って提案できるようになりました。

岸:変化が早いビジネスなので、昨日まで正しいと思ってやっていたことが、急に過去のものになることもあります。例えば、数年前は何か商品を購入しようとすると、ユーザーはGoogleで検索することがほとんどでした。でも今は、Amazonで検索してそのまま注文することが多い。そうなるとGoogleでSEOを施して検索上位にいるよりも、Amazon内の検索に、どう適切な結果を返すのが良いかとか、SNSでどう目に触れさせてビジネスインパクトをもたらすことができるか、ということの方が求められるようになってきています。

このような大きな変化は分かりやすい事例の一つですが、インターネットビジネスの裏側では、日常的に小さな変化が起こっているので、普通にキャッチアップして対応し続けるのは難しくなってきています。高度化、複雑化するインターネットビジネスの世界において、強力なエンジニアチームがそばにいて、これまで培ったノウハウが社内に蓄積されており、さらに800サイトの運営を担う中で新しい仕掛けを試す機会が数多くあるというのは、相当なアドバンテージです。

蓄積されたノウハウが、領域を越えて新たな課題解決策を導き出す

岸:インターネットビジネスは立ち上げよりも運営を磨くことで、競争優位性を保つことができると考えています。私の中で運営とは「ノウハウ」と「リソース」だと定義しています。例えば、ECではどういう商品を売るかはもちろん大事ですが、商品数があると売れることも多々あります。商品の数を徹底的に揃えるとなると、そのために様々な「リソース」が必要になってきます。大手のEC事業会社が年に何度か行う大々的なセールの裏では、広告の入稿作業などにかなりの人的リソースが割かれているのはあまり知られていませんよね。

また「ノウハウ」とは、どういうタイミングで、どんな内容の記事を、どういうアライアンス先と組んで露出するか、というようなことです。当然ですが、この「ノウハウ」と「リソース」を最適化することでサイトのアクセス数を飛躍的に伸ばし、成果に結びつけることができるのです。

当社がいま、特に注力しているECとHRの領域でも、まさに「ノウハウ」と「リソース」の最適化を積み重ねて、お客様の課題解決に励んでいます。全く異なる2つの領域ですが、どちらの領域にも深く入り込んでいるからこそできる、最適化のための提案もあります。

例えば、HR領域には、ECのサブスクリプションモデルなどで培われる顧客との継続的なリレーションシップ構築、いわゆるカスタマーサクセスが応用できたりするんです。どういうことかというと、昨今は、ただ求人媒体に掲載すれば人材を採用できる時代は終わり、中長期的な戦略でいかないとなかなか人手不足を解消することができなくなってきました。そんな中、過去に辞めてしまった人に戻ってきてもらいたい時などには、ECの休眠会員へのアプローチ手法が応用できたりするんです。反対に、HRはもともと広告費にかなりの金額を投じている領域なので、EC領域に比べてもWebマーケティングにおいては圧倒的に進んでいますから、最先端のものをECの領域に展開することもできます。

安藤:モノが売れても倉庫側のリソースが足りない、期日通りにモノを送れない、といった相談をよく受けるのですが、前職の自分であれば解決できなかった領域です。今はそれを解決できるノウハウが社内にあり、お客様にも横断的な提案ができるので、そこに手応えを感じています。

岸:800サイトもあればお客様の業種業態も様々です。ECやHR領域に限らず、幅広いお客様の課題解決の中で、これまで培ってきた経験が他の領域にも応用できる機会がすごく増えているので、そこに新たな可能性を感じています。

豊富にある実践のフィールドと、ハイレベルなフィードバック環境

安藤:入社後はいきなり打席に立って、お客様とやり取りをしながら進めていきます。打席に立てる機会は豊富にあるので、OJTに近いですね。少人数なのでいつまでも素振りだけしているわけにはいきませんからね。ノウハウは相当蓄積されて、体系化されていますし、知識としてインプットできるものが充分あります。

岸:もちろん社内では徹底してマニュアル化を推し進めていますが、あくまでもマニュアルは今日までの蓄積であって、それをどう活用して、改善していくかが大事なので、打席に立ちながら経験していくという感じです。

安藤:経営陣との距離も近いですね。お客様への提案資料を作って岸に見てもらうのですが、いつも自分の視野の狭さを痛感させられます。圧倒的な打席の数を経験してきた経営陣が、壁打ち相手として隣にいてくれるので、「確かに社長はそう考えるかもしれない」という気づきが得られます。本番の提案前に経営者の目線でフィードバックをもらえるのは本当にありがたい環境です。

岸:ベンチャーだと、すでに社風が決まっていてそれに自分が合わせられるかどうかという感じがあると思うのですが、オンサイトの場合、ビジネスの規模は大きくなっても、まだ人数が少ないので、組織を作っていける面白みがあると思います。組織作りはこれから入ってくる皆さんも巻き込みながらやっていきたいですね。

安藤:私が入社した3年前は、まだ個人事業主の集まりという感じでした。昨年から今年にかけてようやくチーム・組織でやっていこうという雰囲気に変わってきていますね。

岸:20代、30代を通して多くの打席に立ち、オンサイトでインターネットビジネスの経験やスキルを磨いていけば、全員がいろんな会社のCOOになれる環境が整っていると思っています。今は皆でそれを目標に掲げて、日々一つひとつの課題に向き合っています。

オンサイト株式会社

Interviewee

岸 謙一 氏

きし・けんいち

オンサイト株式会社

代表取締役社長

1999 年、サイバーエージェント入社。広告営業マネージャー等を経て執行役員就任。2000年、リクルートに入社し、全社インターネット戦略やR25(フリーペーパー、Webサイト、モバイルサイト)の立ち上げを担当。その後2005年、ライ ブドアに入社。執行役員副社長(ネットメディア担当)、関連会社社長、取締役を兼任。ポータルサイト責任者として、livedoorNEWSをはじめ、数多くのWebサービスを立ち上げ、ユーザー数を飛躍的に拡大。2006年にオンサイトを設立。

Interviewee

安藤 進ノ介 氏

あんどう・しんのすけ

オンサイト株式会社

コンサルタント

2014年、楽天株式会社に新卒で入社。ECコンサルタントとして、家具・イ ンテリアジャンル約100 社の企業に対して、売上拡大のコンサルティングおよび広告営業を担当。2016年、オ ンサイトに入社。現在はコンサルタントとして、クライアントのウェブ運営支援に従事。EC領域では、サイト運営に関わる一連の業務をトータ ルに支援する。