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社会が求める本質に応えるため、成果報酬という独自のビジネスモデルを貫く

結果に責任を持たない経営コンサルティングに疑問を抱き、その解答として、成果報酬に特化したコンサルティングファームを設立したプロレド・パートナーズ。創業から9年目で東証マザーズに上場し、第2創業期に入ったプロレドの創業者が考えるコンサルティングファームのリアルとは?

Jan, 15, 2019

株式会社プロレド・パートナーズ

佐谷 進 氏 ・ 山本 卓司 氏

成果報酬は今後の社会から求められるスタイル

佐谷  私たちのビジネススタイルの特徴は、成果報酬(インベストメント)による経営コンサルティングの実践です。成果報酬とは、成果に対してフィーが支払われるということ。コンサルティング時代の私は、既存ファームの仕事の在り方に大きな疑問を抱いておりました。コンサルティングの成果に関わらず、報告書提出と同時に高額報酬を得るという、クライアントにとって実にリスクの高いサービスだったからです。

不動産ファンドに所属していたとき、食品スーパーをテナントとする大きな開発案件を担当しました。無事に契約を済ませ、開発も完了したところ、その直後にリーマンショックが起きました。食品スーパーは大いに困窮しましたが、その物件から簡単には撤退できない契約が交わされていたので、他の店舗の撤退や人員削減に追い込まれてしまいます。

不動産ファンドが投資家に儲けてもらうために行ったことが、その食品スーパーの従業員をリストラするだけでなく、店舗がなくなることでその地域の人々まで良質なサービスを受けられなくなりました。昨今は社会格差が問題視されていますが、現代の格差とは、個々の頑張り(=価値)に対し、相応の対価を得られる人とそうでない人の二極化なのだと痛感しました。

そんな社会にある価値と対価の乖離を少しでも埋めたいというのが、起業した最大の理由です。そして成果報酬は、私たちが目指す社会の在り方である「価値=対価」にもっとも適したスタイルでした。

コンセプトは深く広く考え抜くthink Out.

山本  佐谷とは社会に出た年度が同じで、もし起業するなら一緒にやらせてくれと話していました。当時、僕自身もコンサルティングをしながら、この業界が常とする机上の空論に疑問を感じていました。

僕も佐谷もコンサルティング自体を否定しているわけではありません。外部からの提案で企業をより良くする仕組みは有効だと考えています。だからこそ従来型ではないリアルな仕事をしたかったんですね。

佐谷  起業当時は、報酬ゼロの案件もありました。ただそれらは初期の投資と割り切っていました。100件近い案件を経験する頃には、クライアントの収益改善と成果報酬による自社の事業拡大の両方が実現できる確信がありました。

山本  その理由の一つは、世間のニーズが成果報酬型に傾き始めたこと。YouTubeが好例ですが、広告収入を上げるアフィリエイトは極めてシンプルな成果報酬型の見本として受け入られるようになりました。リアルではない実行プランにリスクを感じる企業が増えている現実もあります。そして、日本の経済を支えている中小企業ほど成果に直結したコンサルティングを必要としているのです。僕らはそこに目を向けました。

佐谷  成果報酬を実現させる唯一といっていい手段は、実行支援型コンサルティングです。山本が言うリアルとは、クライアントに寄り添いながら、問題解決という結果に向けて深く広く徹底的に考え抜くということです。それが私たちのコンセプトである「think Out.(考え抜く)」。結果とは、クライアントの収益向上であり、実質的な満足度。私たちのコンサルティングで成果が出るほど、当初の見込みを大きく上回るフィーが支払われることもありますが、それと同時にクライアントはより大きな収益を得ており、Win-Winな関係になるというのが成果報酬型の良さです。

山本  現在は年間150件を超す新規案件を獲得できるようになりましたが、今でも報酬ゼロがないわけではありません。必ず成果が出せると頑張っても、望むべきものに届かない場合がある。それでも僕らは最後までやり遂げます。それを失敗で終わらせず一つの結果として受け止めて、事実を客観的に分析することで、確実に将来への糧となるからです。

忠誠心は自分に対して持つべき

佐谷  実行支援型は、人や事業を直接的に動かせるところに醍醐味があります。ある物流コスト削減案件では、クライアントが契約している子会社にも足を運び、委託先までも含めた総合的なコストマネジメントを実施しました。これは、クライアント1社に対するコンサルティングでは要望に応じられないと判断し、業務範囲を広げた、成果報酬型ならではの発想です。

また、人や事業を動かすのは頭で考えるほど簡単ではなく、常に泥臭さがつきまといます。でも、クライアントとコンサルタントという関係であれ、人間同士のコミュニケーションがあってこそ理解が得られます。相手との付き合い方も徹底的に考え抜く。そこにも私たちが掲げる「think Out.」の意味があります。

山本  思考力と行動力。コンサルタントにはどちらも必要で、実行支援型コンサルティングはその両方を伸ばしてくれます。僕自身も視野が広がりました。それから向上心。弊社はクライアントと共に常にアップデートを繰り返しながら拡張しているので、人も組織もハイスピードで成長を続けていかないと撤退に追い込まれる。それほどの危機感を持っています。

佐谷  当社が求める人材として私から付け加えたいのは、相手に敬意を払い、思いやりや優しさを備えていること。現在の案件はすべてチーム単位で動いていますから、共に働くメンバーへの思いやりは欠かせません。その中で個性を発揮し成長してもらえるなら、会社へのロイヤリティは不要。ロイヤリティは自分と周りの仲間に対して持ってほしい。代表としてthink Outすべきテーマはただ一つで、ここに集まってくれる人や関わる人がプロレドを選んでよかった、プロレドがあって助かったと言ってもらえる会社にすることです。

プロレド・パートナーズについてもっと知りたい方はこちら

株式会社プロレド・パートナーズ

Interviewee

佐谷 進 氏

さたに・すすむ

株式会社プロレド・パートナーズ

代表取締役

東京芸術大学美術学部卒業後、ブーズ・アレン・ハミルトン株式会社(現PWC・ストラテジー)にて、大手プラント工業のリエンジニアリング、大手都銀の営業戦略の策定、経済産業省依頼のリサーチ等に参画。その後、不動産運用会社のジャパン・リート・アドバイザーズ株式会社にて、住宅、オフィス、商業、ホテル、 倉庫物件の取得・運用を担当。2009年に株式会社プロレド・パートナーズを創業。

Interviewee

山本 卓司 氏

やまもと・たくじ

株式会社プロレド・パートナーズ

取締役

立命館大学政策科学部卒業後、株式会社リクルート入社。コンサルティング営業、新規事業開発、営業組織構築、営業マネジメントを経験。その後、アクセンチュア株式会社/戦略グループにて、大手流通企業の新規事業立ち上げ支援、コスト削減BPOプロジェクト、マーケティング戦略の策定、主に小売業・流通業の戦略コンサルティングに参画。