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インターネットビジネスで成功する キャリアの創り方

スマホコンテンツ事業とアドテク事業を注力事業として成長を続けるユナイテッド。投資銀行、ベンチャーキャピタル、起業を経験し、同社を率いる代表の金子氏がキャリアの創り方を語る―。

Jan, 19, 2017

ユナイテッド株式会社

金子 陽三 氏

投資銀行、VC、起業、 キャリアの選択について

―「外資系投資銀行、ベンチャーキャピタル(以下、VC)を経て、起業後、自社を売却して経営者になる」というキャリアは簡単ではないと思いますが、どのようにキャリアをスタートされたのでしょうか

最初から何か計画があったわけではありません。大学でインターネットに出会い、世の中が変わると確信しました。そこでプログラミングを学んでWebサービスを創ったりしていたのですが、当時はまだインターネット人口が少なく、ビジネスとしては成り立ちませんでした。なので、一度ビジネスを理解しようと新卒では投資銀行を選びました。

―まず最初にインターネットとの出会いがあったのですね。その後、投資銀行からVCに移られていますが、どのような転機があったのでしょうか

投資銀行はプロとして働くということを大いに学びました。ただ、金融業界は規制やルールが多く、限られた世界での戦いになります。次第に、未知の可能性を秘めたネットビジネスに関わりたいとあらためて思うようになりました。そこで、投資銀行の経験が生かせて、ネットビジネスに近い仕事ができると考え、ネットベンチャーへの投資を行うVCの仕事に転じたんです。

―経験から得られた成長を糧に、次のキャリアが見えてくるということでしょうか

そうですね、VCの経験を積んでからは、ベンチャー投資やインキュベーションを手掛ける会社を起業し、同じ志を持つネットエイジキャピタルパートナーズ(現・ユナイテッド)に自社を売却する形で加わりました。その後、リーマン・ショックをきっかけとして、投資事業が中心だった会社をスマホコンテンツ事業とアドテク事業を柱とする現在のユナイテッドへと変革してきました。やはり、振り返ってみてもキャリアは計画できるものではないですね。

世界で同じ仕事をしている人がいない仕事をする

―計画できないキャリアの中で、どのようにチャンスを創っていけばいいのでしょうか

意識してきたのは「世界で同じ仕事をしている人がいない仕事をする」ということです。変化が速く、5年、10年と同じ仕事が続かないネットビジネスでは、誰かがやれることを自分がやり続けて自信をつけても意味はありません。VCの仕事も、当時は日本で知名度もなく、アメリカでも20代前半で任せてもらえる簡単な仕事ではなかったので挑戦しました。

UNITED HARBOR │社内カフェを併設するリラクゼーションスペース。ランチを食べたり、一人で集中して作業したり、ミーティングをしたり、各社員が自由に使うことができる。

―他の人にはできないような難しい仕事に挑戦していくべきということですね。そのためには、キャリアチェンジ(転職)も含めて考えるべきなのでしょうか

自分自身は、20代は仕事の可能性を会社や環境のせいにしてしまったと反省していますが、どのような環境に置かれていても常に挑戦すべき難題が存在するはずです。環境のせいにしなければ、より難しい課題を見つけ、チャンスを創れたかもしれないですよね。ユナイテッドでも、自責自走という精神を掲げているのですが、何事も自らの問題として捉え、行動できるかが大切です。

インターネットビジネスを成功させる人材とは

―変化の速いインターネットの領域で、ビジネスを成功させられるのはどのような人材なのでしょうか

ネット黎明期のプレイヤーが少なかった頃は、多くのビジネスチャンスが存在し、例えばアメリカで成功したサービスを日本で展開した会社が成功したりする場合もありましたが、今はそのような時代ではありません。だからこそ、市場の成長に期待するだけではなく、どのような状況でも「自らチャンスを創る人」でなければビジネスもキャリアも成功しないでしょう。

Yondle? │社内図書コーナー。様々なテーマに沿って哲学書からビジネス書まで200冊以上の書籍が用意してあり、普段と違った視点を提供している。

―「自らチャンスを創る人」が活躍するためにユナイテッドではどのような仕組みがあるのでしょうか

例えば、グレード(職級)も、上司が評価して決定するだけではなく、自分自身で昇級の目標を半年ごとに宣言し、そこに向かって仕事をしていく制度を導入しています。評価を待つのではなく、全てのメンバーが自ら手を挙げて自走する、そんな組織を目指しています。

―自らチャンスを創る、というと起業を目指す人もいるのではないでしょうか

起業を目指す方も歓迎です。ユナイテッドではメンバーが自ら事業を立ち上げ、事業責任者やグループ会社の代表として、新しい会社を創っていくスタートアップ支援制度に取り組んでいます。実際に、CHEERZというアプリを成功させたフォッグ社は、この制度を通じてできた会社です。これからもユナイテッドでは、一人一人が自責自走し、事業を創っていく文化を根付かせていきますので、インターネットビジネスの領域でキャリアを創っていきたい方の挑戦を待っています。

ユナイテッド株式会社

Interviewee

金子 陽三 氏

かねこ・ようぞう

ユナイテッド株式会社

代表取締役社長COO

慶應義塾大学卒業後、リーマン・ブラザーズ、ドレーパー・フィッシャー・ジャーベットソンを経て、アップステアーズを創業。2004年、同社をネットエイジキャピタルパートナーズ (現・ユナイテッド)へ売却。2012年、ユナイテッド代表取締役社長に就任。