学生時代はどのように過ごされていましたか。

高校3年生のときに環境問題を解決する会社をつくろうと思ったのですが、文系的な視点から環境問題に取り組みたいと考えて国際関係論も学べる一橋大学の法学部にすすみました。一番力を入れたのはサークルの立ち上げと運営。私が入学した時は、一橋大学には環境サークルがなかったので、LINXという環境サークルを立ち上げました。当時、関東の他大学の環境サークルは、ゴミ拾いなどのボランティア活動をしてるところが多かった中、私たちのサークルは、商業大学らしく経済活動の中でどうやって環境問題を解決していくかについて考えるサークルでした。セミナーや勉強会を開き、また企業活動による環境破壊がなぜ起きるかについて体感して考えてもらうゲームなども作っていました。当時から東大の環境三四郎や、早稲田の環境ロドリゲスさんとはよく一緒に活動していましたね。その後、如水会(一橋大学のOB会)の支援でUCB(カリフォルニア大学バークレイ校)に経営学の勉強をしにいきました。きっかけはサークル活動をする中で、経営について学んで、もっと資本主義や企業の論理を理解しないと何もできないな、と思ったことです。結果的に大学には5年間在籍しました。

どうしてボランティアではなく、事業の中でやっていくことにこだわったのですか?

高校生のときからボランティアでやろうとは思っていませんでした。善いことを無償でやることはとても大事な精神ですが、それは自分に経済的余裕がないと続きません。そして、結局こういう活動は継続することが大事だと思います。たしかにゴミ拾いをすることはいいことなのですが、たった一回では環境問題にはそこまでの効果はありません。環境問題への取り組みが今まで遅々として進まなかったのも、結局みんな個人の善意に頼っていただけだったということが原因です。だから私たちはあえて最初から、企業が環境問題に取り組むのはあたりまえでしょ!という大前提でビジネスをしています。ただし「無償でよいことをするために環境を配慮しましょう」ということを言っているのではありません。企業にとって環境に配慮することは「自社のブランドイメージを向上させる」「いい人を採用する」ため、あるいはSRI(社会的責任投資)など長期的な投資をしてもらえるような会社作りをするために必要で、結果的に自社の無形資産になっていくということを信じてやってきましたし、これからもメッセージし続けようと思っています。

大学卒業後、リクルートに入社されていますが、そのきっかけはなんだったのでしょうか?

当時は就職氷河期と言われており、転職市場も今ほど活性化していなかった中、将来独立したいという考えを素直に話して受け入れてくれた企業だったからでしょうか。実は早い段階で外資系のコンサルティング会社に内定を頂いていました。その時点では、将来国連に行きたいという憧れと、起業するという選択肢の間でなんとなく揺れ動いていました。そして、なるべく将来の可能性を広げられる方向へ行こうと思い、コンサルティングファームに一旦決めたのです。その時点で他の会社を全部断ってしまったのですが、リクルートだけは辞退すると言っても有難いことになかなか辞退させて頂けませんでした。そんなとき、高速道路で事故にあったのです。無傷だったのですが、ここで死ぬかもしれないと思ったときに、やっぱり私は自分の会社を作りたいという思いが強いことに気づいたのです。それをまだ一歩も踏み出していない中で死んだらものすごく後悔するなぁと思いました。3年間コンサルティングファームで修行して大学院に行くというキャリアプランもすごくかっこいいと思ったのですが、それよりも本当にやりたいことをするための最初の一歩をはやく踏み出そうと思いました。リクルートのほうは事業会社なので、何か一つ自分の軸になるものが身につくと思い入社を決めました。

エコトワザの事業内容をお聞かせください。

優れた環境技術やアイデア、工芸品をもつ日本の中小企業の情報を海外へ発信し、それらの日本企業と海外企業をつなぐマッチング・ビジネスです。日本には文化的にも技術的にも、そして歴史的にも、環境問題を予防するためのたくさんの知恵が存在します。現在、日本経済は大企業によって支配されており、元来自然と調和しゆったりと成長をしてきた、「匠の技」をもつ中小・零細企業が海外へ進出することは難しい社会になっています。そうした状況を踏まえ、私たちは「日本のエコと技を世界へ」をコーポレート・メッセージに、中小企業の海外への発信をサポートし、世界の環境負荷を下げるため活動しています。具体的には、技術・商品のカタログ誌“ecotwaza times”を各回1000部(9月号は1部300円)発行しています。ウェブサイトも、今はブログ版ですが展開しています。記事は英語と日本語併記で、海外の日本大使館、広尾周辺のカフェや書店、雑貨屋など外国人ビジネスマンが多く集まる場所に置かせていただいています。将来的には展示会を開き、リアルな場でのマッチングも進めていきたいと考えています。
*英語ブログはこちらです

どういう人材が欲しいですか?

自分で考える人。「無理」と簡単に言わない人。欲を言ってしまえば、自分で夢を描いて、それに向かって動いていけるタイプの人はすごく欲しい人材です。意欲のある人なら、会社として進みたい方向とその人が目指している方向をすり合わせて、その中でその人がなるべく大きい力を出せるような環境を整えることでお互いにシアワセになれます。一番困るのが「何やりたいのかわからないんです」という人ですね。自分でガツガツいく人は吸収するのも早いし凄くやりやすいですね。

自分の将来について考える学生に向けたメッセージをお願いします。

10年後に何を目指したいのか。10年後にどんな自分になっていたいかを描くことが大事。そのうえで、先入観で決めることや規模や業種で区切ることをやめて、いろいろな選択肢を見てほしい。多少回り道になってもいいんです。 そうするとおのずと道が開けてくる。私は19歳で、10年後までに会社を立ち上げて世界を変えたいと思っていました。それからあと2年で10年が経ちます。気づいたら描いていた自分に近づいてきています。

8年前に思い描いていたものと、今思い描くものはブレていないのですか?

私の場合はブレていませんね。でも描いて第一歩を踏み出すことが大事なので、なりたい自分の像というものは途中で変わってもいいと思います。描いて近づいていって「うーん、違う。」と思ったら、また描きなおせばいいだけですから。一度決めたら変えられないと思うと、力が入りすぎて結局決められず立ち止まったままになってしまいます。とにかく仮決定で走りだす。そして走りながら武器を拾うのです!

株式会社エコトワザ

事業内容:1.海外向けメディア事業 /2.環境問題の啓発イベント事業/3.オフィスのエコ化支援事業(社員研修、レンタカグ)
所在地:〒186-0004 東京都国立市中1丁目16番地12号