マーケティングリサーチのリーディングカンパニーとして急速な成長を果たす

Innovation or Nothing ―― マクロミルの企業理念である。 この言葉そのままに、マクロミルは今、大きな変革期をむかえている。東証一部上場から上場廃止、そして米大手ファンド傘下へ。その舵の切り方は実にドラスティックで、一見すると茨の道にも思えるが、マクロミルという企業だからこそ可能な生き方でもあるのだ。
マクロミルの創業は2000年。莫大なコストと時間を要するのが当たり前だったマーケティングリサーチにおいて、マクロミルはインターネットを駆使することで低コストかつスピーディーなサービスを開発。多くの企業が手軽にマーケティングリサーチを利用できるようにしたのである。まさに常識の否定から始まった「Innovation」であった。
この商品力を武器に、マクロミルはマーケティングリサーチ業界を席巻した。現在では、ネットリサーチ業界売上高国内No.1。業界問わず5000社以上の取引先をもち、年間約19000件というプロジェクト数は世界トップの実績である。その活躍の場は日本国内にとどまらず、すでに韓国でもシェア1位を獲得し、中国でも着実に業績を伸ばしている。
これまでマクロミルは、ネットリサーチ事業を第一の柱として、データベース関連事業、プロモーション関連事業を次々と展開してきた。マクロミルが手掛けてきたのは、複雑だったマーケティングをITの力を活用することで簡単で安価に誰もが実施できるようにする事業。
「しかし、現状に満足することは、当社の文化にはありません。すべての社員が自己と会社の急激な成長を求めて入社しているのがマクロミルという会社。常に新しくダイナミックな成長を求めて自らその機会を創造し、挑戦していきます」

上場廃止の衝撃
それは次のステージへの新たなチャレンジ

驚異的な成長力で2004年に東証マザーズ上場、翌年には東証一部に鞍替え上場を果たしたマクロミル。順調にステップアップしてきた。だが、東証一部上場からちょうど10年目にあたる2014年春、上場廃止で非公開化に踏み切ったことは、社会に大きな驚きを持って受け止められた。米投資ファンド、ベイン・キャピタル系ファンドによる買収である。
実はそこには、永続的な事業拡大のためには非連続的成長が必要である、との考えに基づくマクロミルの長期的な成長戦略があった。
「これまでの当社のリサーチビジネスは、100万人の登録モニターに質問を投げかけるというモデルでおこなってきました。しかし、スマホやタブレットなどのスマートデバイスが普及したことで、今現在の人々の行動や考えがライフログという形でリアルタイムに記録されるようになりました。いわゆるビッグデータ時代の到来です。例えば目の前を川のように流れていくデータ、つまりリバーサンプリングをデータベース化すれば、大きなトレンドとしての「きざし」を解析することが可能になります。マクロミルでは、こうしたリサーチビジネスの再定義に挑んでいます。それにはスピード感をもって意思決定し、機動的な投資をおこなわなくてはなりません。その環境を整えるために上場廃止、非公開化に踏み切ったのです」
そして、このリサーチビジネスの再定義により、マクロミルはいよいよ本格的に欧米のマーケットに進出していく。これまで韓国、中国といったアジアマーケットで事業を展開してきたが、市場規模としては欧米がはるかに広大だ。そうした展開においても米投資ファンドとパートナーシップを組むことは、極めて有効である。
「現在当社はリサーチ業界で世界16位です。一方で世界には“Big4”と呼ばれる強いプレーヤーがいる。その一角に食い込むことが、今後の私たちの大きな目標となります。同時に3~5年後を目処に再上場も果たしていきます」
成長期にある企業があえて上場廃止に踏み切るとは、常識では考えられない“事件”だ。これぞまさに「Innovation」。マクロミルだからこそ、大きく舵を切ることができたのだ。
「誰が見ても不可能な目標を掲げ、達成してきたのがマクロミル。大きな挑戦へ、一歩を踏み出しました」

ベンチャー人材とデータサイエンティストが新たな突破力を生み出す

これまでマクロミルの成長を牽引してきたのは、前例にとらわれず、既成概念を打ち破り、ベンチャー精神で圧倒的な推進力を発揮する人材であった。これからリサーチビジネスを再定義しつつ、欧米の市場に切り込んでいこうとするとき、そうした人材はさらに大きな力を発揮することが求められる。がむしゃらに前に進んでいこうとする人材を求める方針は、これまでと同様だ。
そして、次のステージにいくための両輪として求められるのが、データサイエンティストである。リバーサンプリングとしての膨大なデータを解析し、整え、商品として加工する知見を持ったスペシャリストだ。例えば統計学を専門的に学んだ、あるいはフィールドワークでデータを集めて加工した、といった経験を持った人材である。
「タグボートのような推進力を持つベンチャー人材と、極めて高度な学問的知見を持ったデータサイエンティストという、まったく異なるタイプの存在が融合し、化学反応することで、新しいリサーチビジネスを創造する突破力がもたらされるでしょう。その両者を結びつけるリーダータイプの人材も、今後、力を入れて育成していきます」