情報のフラット化が起こしたパワーシフトと、変革を余儀なくされる仕事の価値

2000年頃から一貫して、「情報」の主役が企業などの権威者から、個人に移り変わっていくパワーシフトが起こっています。民主化、と言い換えることもできるでしょう。従来、情報の非対称性、すなわち特定の既得権益者しか持ちえなかった情報を武器に優位性を獲得していたビジネスが崩壊し、力を持つようになった個人の情報発信によって、あらゆるビジネスの動向が大きく左右される時代になったのです。
たとえば、私が過去に在籍していた証券業界では、その影響が顕著にあらわれています。90年代当時は、企業の株価や業績情報は一般の人がリアルタイムに入手することは難しく、また株式の発注の際には証券会社に電話する必要がありました。それが今では、個人が企業に関するあらゆる情報をWebで調べることができ、またブログやSNSによって情報を発信し、自ら売買をおこなうことができるようになりました。株式取引において、そのパワーバランスがフラットになってきているのです。当時、私が携わっていた仕事はほとんど必要とされなくなっています。同様に、このパワーシフトによってその価値を失い、消滅していく仕事はますます増えていくでしょう。

広告の枠組みを超えた、情報流通による企業の問題解決への挑戦

このパワーシフトは企業のマーケティング活動に地殻変動を起こしました。CMなどマスマーケティングによって企業が発信する情報への信頼が失われ、消費者はSNSのクチコミなど、消費者同士で交わされる情報を信じるようになりました。企業は格好つけることができなくなり、ありのままの姿を評価される。当たり前ではありますが、本当に良い商品、サービスを提供することが、いまあらためて求められているのです。
インタースペースでは、この潮流において、本当に価値ある商品・サービスを消費者と結びつけるビジネスを手がけています。アフィリエイト、という成功報酬型広告の事業に、我々はマーケットの黎明期から取り組み続けています。成果報酬型とはすなわち、広告を通じてクライアントのビジネスに売上が上がってはじめて対価をいただくビジネスモデルです。ただ広告を表示させれば良い、ということではなく、消費者に商品・サービスに価値を感じてもらうことが我々の収益の前提となります。そのため、テクノロジーやクリエイティブ、ソーシャルマーケティングなどあらゆる手段によって消費者に適切な情報を届ける工夫はもちろんのこと、広告手法の提案に留まらず、商品の開発段階から関わり、商品そのものを変えていただく提案さえも厭いません。インタースペースの事業は、代理店の領域を超えた、情報流通による企業の問題解決に他ならないと考えています。

事業の当事者としての責任と能力を養う環境

クライアントの問題を解決するには、当然ながら広告に関してのみ理解していれば良いわけではなく、クライアントのビジネスに当事者として向き合う必要があります。また、インタースペースではクライアント向けのサービスで培ったノウハウを活かした自社のプロダクトが続々と生まれてきています。そこで、我々は各々が事業責任者の視点を持つことができるよう、組織をあえて小さな単位で分けています。ポジションを多く生み出し、若いメンバーが早くからマネジメントに関わるチャンスや、責任者の目線で仕事ができるように組織体制を設計しているのです。また同様の理由から、プロダクトをゼロから設計する機会も豊富に設けています。社内外を巻き込んでビジネスをプロデュースし、PLに責任をもつ感覚や、人を動かす経験などを必然的に身につけることができるようになっています。自社での事業経験とクライアントのビジネスパートナーとしての経験、その両輪によって個人の付加価値が最大化されるのです。

日本の産業発展プロセスの輸出により、アジアマーケットのデファクトスタンダードをつくる

アフィリエイト事業においても、また自社の新規事業においても、成長を志す上で、グローバルでの展開は重要なテーマです。2050年には世界のGDPの50%をアジアが占めると言われていますが、地理的、文化的にもアジア市場において優位性がある日本企業にとっては大きなチャンスです。我々にも北米やヨーロッパ、中国などの海外企業から、東南アジア進出に際してのプロモーションに関する相談などが続々と来ています。実は東南アジアでは現地にWebビジネスのノウハウをもつ企業はあまりなく、インタースペースでは、日本で90年代から体験してきたインターネット産業の拡大プロセスをもっていって、メディアづくりなどを現地の企業と一緒に考えています。様々な領域でイノベーションを起こし、それを普及させる。東南アジアの産業構造自体の変革につながる取り組みであると自負しています。