いま日本に真に求められている経営者「CFO」という存在

日本にはいま、経営人材が足りていません。資金面から事業支援を手がけるVCやファンドは国内でも多くのプレイヤーがいますし、日本の対外純資産は世界トップ。お金はあり余っています。しかし、肝心の、事業を回す経営人材、特に現代の経営において欠かせないポジションとなりつつあるCFO(Chief Financial Officer:最高財務責任者)が十分に存在していないことが、多くの企業経営において課題になっています。
20世紀の高度経済成長期においては、間接金融、すなわち銀行などの仲介者による資金調達手法が機能しており、メインバンクの庇護のもと、爆発的に伸びる市場のニーズに応えていれば企業は成長できました。企業内に高度なファイナンスや数値管理のノウハウがなくとも経営が成り立っていたのです。しかし、バブル崩壊により業績悪化に陥る企業の増加に伴い、特に中小企業においてメインバンク制度という後ろ盾は事実上崩壊しました。現代の経営では、直接金融という極めて高度な資金調達を駆使し、社内の数字を見える化し、能動的にサバイブしていく経営が求められるようになっているのです。
ベンチャー企業や中小企業のトップが一人でこれらを担うことは難しく、財務や管理面でCEOを支えるCFOという存在が、いまその重要性を増しています。実際、近年倒産してしまった有名企業にも、もしCFOが適切に機能していれば経営危機を乗り越えられたかもしれない、と感じる事案がいくつもあります。

日本の中小企業のCFOとして、徹底的にクライアントに寄り添い価値を提供する

日本の中小企業には、優れた技術や生産ノウハウをもっている企業が多く存在しています。私は、そうした中小企業の経営者を財務面や管理面から支え、持続的な成長をサポートすべく、エスネットワークスを立ち上げました。中小企業にとってのCFOとして、ファイナンス、IPO支援、M&A、企業再生、事業承継、アジア進出など、クライアント企業に不足している役割・機能を包括的に提供しています。
コンサルティングサービスと言っても、外部からの単なるアドバイスとは、提供している価値が大きく異なります。企業理念として「経営者の支援と経営者の輩出を通じて日本国経済に貢献する」、事業理念として「100年続く100億企業の創造」を掲げており、あくまでクライアントの経営者の目線で、事業の成長・発展においてCFOに求められる役割を柔軟に変化させ、対応しています。
私自身、リーマン・ショックの直後に1300億円の負債を抱える企業の企業再生を手がけたのですが、10名規模のチームで丸2年、ほぼクライアントに常駐してコミットしました。同様に企業再生を手がけるファームはいくつかありますが、エスネットワークスのように、外部のコンサルタントとしてではなく、クライアントの経営者、CFOとして年単位で常駐するケースはあまりないでしょう。クライアントの名刺をもって対外折衝に当たり、M&Aにおいても明確に当事者である企業にコミットします。コンサルタントでありながらも「他人事」ではない経営を担うべく、経営メンバーの一員として事業を継続的に成長・発展させることに、徹底してコミットしています。
また、我々は地方のローカル企業から首都圏のベンチャー企業まで、幅広い企業の事業支援を手がけています。やみくもにグローバル化を進めるわけではなく、クライアントの事業戦略上適切な規模とエリアにフォーカスしたコンサルティングと実行支援をおこなっています。日本では、製造業が進めたコストメリットによるアジア進出が徐々に落ち着き、サービス業の輸出も必要性が叫ばれて久しいですが、地方のサービス業であれば、やはりその土地に深く受け入れられる質の高いサービスを目指すことが正しいということもあるわけです。エスネットワークスとしては、国内外・企業規模問わず、クライアントの成長において必要な事業をサポートする体制を意識しています。

専門家と事業家の資質を両輪 で育む「リボルビング・ドア」

当然ですが、我々がCFOとしてクライアントに価値を提供するためには、社員が経営人材としての素養を備えている必要があります。つまり、コンサルタントとして求められる財務会計領域の専門性だけでなく、経営人材として求められる能力も高い水準で身に付けなければなりません。
そこで、社内では「リボルビング・ドア(回転扉)」と呼ばれる考え方で、個人の成長サイクルを設計しています。回転扉のように、クライアント企業に経営人材として参画し、一定の成果を上げてまたエスネットワークスに戻ってくる。
コンサルタントとしての立ち位置に慣れてしまうと、どうしても当事者意識を強く持ち続けることが難しくなってしまい、本来求められている経営人材としての価値を十分に提供できないリスクがあります。そこで、メンバーが一度外に出て実際に経営人材としてリーダーシップを発揮し、シビアな環境下で成果を生み出す経験を積んだ後にまた戻ってくることで、クライアントに提供できる価値が一層幅広く、深くなることを意図しています。
クライアントから請われて経営に参画するケースも多数ありますし、エスネットワークスの自社事業にコミットするケースもあります。実は、我々は自社グループとして、出版、不動産、外食、教育などの事業会社も所有しており、実際に社員自らが経営人材としての経験を積むことができる環境を提供しています。また、最近の事例では、企業の事業承継だけではなく個人の事業承継、すなわち相続についても、BtoCの新規事業としてサービスを始めました。一般的には税理士法人の業務領域と考えられていますが、相続の分野に関して、実はもっとカジュアルにプロに相談したいというニーズをもつ人は多いのです。そこに着目した我々は、『相続ハウス』というコンビニのように気軽に入れる来店型相続相談事業をスタートしました。我々が取り組むべき事業の種があれば、常に積極的に手がけていくスタンスをとっています。こうした新規事業の立ち上げによっても、若いうちから経営人材としての素養を身に付けていくことができると考えています。
最後に、私たちは経営と経営人材にこだわるメンバーを求めています。ベンチャー企業や中小企業の経営者を内外から支援する活動を通じて、エスネットワークスから優れた経営人材を輩出し続け、事業を創造し、雇用を生み出し、ひいては日本経済の発展に貢献していきたいと考えています。