1・4兆円の巨大成長産業。金融ビジネスの事業資産をもとにした産業創出と成功モデルの海外輸出へ

近年、成長産業として注目を浴びるペットビジネスですが、この市場にどのような可能性があるのでしょうか?

青山:
ペット産業の魅力を定義すると、市場そのものの規模と成長性、そして未開拓性にあると考えています。現在の市場規模は約1・4兆円とされ、ソーシャルゲームやデジタル広告などほかの成長産業と比べても大規模なうえ、長期間に渡り安定的に成長しています。今や犬と猫を合わせた飼育数は2000万頭を超え、15歳以下の子どもの数を上回るほどです。そうしたペットの増加と社会的地位の向上にともなって、かつてはフードや衣料が中心だったペット産業にも、医療・ヘルスケア・保険、ペット用住宅、教育やしつけ、娯楽、葬儀などに至るまで多様なビジネスチャンスが指摘されています。私たちの現在の事業ドメインである保険ビジネスも、国内の加入率はまだ5%程度ですが、イギリスにおける加入率が既に犬で50%・猫で30%に至っている実情を鑑みても、更なる事業開発の機会に満ちていると考えられます。例えば、ペット用のウェアラブルデバイスを、NTTドコモや西海岸のベンチャーが上市・開発したりしている等、ペット産業はITやインターネットによるイノベーションを起こせるフィールドが溢れる数少ない成長産業のひとつだと考えております。

中川:
この産業におけるアイペットの立ち位置・戦略は“産業創出ベンチャー”です。10倍以上の市場成長が見込まれるペット保険の事業開発を進めるのはもちろん、この金融ビジネスで培った事業資産をもとに、ITやインターネットを基軸にした新事業を次々と生み出し、これまでの概念を超えてペット産業そのものを創出していきます。

青山:
海外展開のチャンスも多い産業です。今後、特にアジア市場が成熟して生活水準が向上していくにつれ、ペット産業の市場は確実に拡大していきます。ドリームインキュベータ(以下、DI)が上海やホーチミン、シンガポールに進出していることもあり、その経営資源を活用しながら、市場成熟のタイミングを見計らって事業展開していく戦略をあたためています。日本でのペット産業創出の成功モデルを海外へ輸出する、ことも視野に入れております。

ビッグプレイヤー・ベンチャーとも少ない市場で、独自の戦略で事業を生みだしていく

ペット産業におけるベンチャー、というのは異色の存在だと思いますが、ベンチャーとしての面白さはどのようなポイントにあるのでしょうか?

中川:
ITベンチャーとの比較で考えると、特にウェブメディアやデジタル広告などの領域では、市場の変化をいかにキャッチアップしスピーディーに対応できるかが事業の成否を分ける場合が多くあります。デジタル広告ならばアメリカで開発される最新のアドテクノロジーへの対応、ソーシャルゲームならばネイティブシフトへの対応、などが良い例で、数多くのベンチャーが短いスパンで栄枯盛衰を繰り返しています。片やペット産業は、市場自体が激しく動いているわけではなく、新しい視点で事業展開をしているベンチャーも少ない領域です。市場環境の変化への対応という側面よりも、アイペットが展開していく事業が市場そのものを作っていくという側面が強いのです。1・4兆円市場において流れを作るようなビッグプレイヤーもほぼいませんし、保険ビジネスで見ると国内で12社しかおらず、アイペットを含めた2社で7割以上のシェアを占めている状況です。確実に成長していく市場に対して競合優位を持った自分たちがどのようなビジネスを投下していくか、その戦略こそが市場を形作るという、ほかではあまり見られない特徴があります。

青山:
まず保険ビジネスにおいては、リーディングカンパニーの1社としては市場拡大のために消費者の啓蒙を行う活動にも力を入れています。私共の大切なお取引先であるペットショップ様をはじめとした代理店様の開拓、ウェブマーケティングによる消費者・ペットオーナーへの訴求、そしてTVCMに代表されるマスマーケティングなど、多様な角度から事業を推進しております。新規事業については、例えば「ペット×IT×ipetが保有しているアセット」という切り口等で、いろいろ検討を進めております。

事業戦略と両輪で回す、新産業を創るための組織・人材戦略

成長ポテンシャルに満ちた市場に対して、どのような組織・人材体制でチャレンジしていくのでしょうか?
青山:
DIのコンサルティングや事業インキュベーションのノウハウを活かすべく、DIからは私を含め3名の取締役に加え、エース級の社員も含め実務に携わる等の関与をさせて頂いており、多面的なご支援をさせて頂いている状況です。DIの子会社の中では最大規模ということもあり、必然的に最重要会社のひとつとなります。もちろんDIの社員だけではなく、アイペットやペット保険のノビシロが注目されるにつれ、優秀なビジネスパーソンが目をつけて集って頂けるようになりました。例えば、外資コンサル、リクルート、楽天・サイバーエージェント・グリー等のメガベンチャーや、数十名規模のベンチャーの経営メンバーとして活躍していたような方々を含め、多士済々の陣容が続々と参画してくれています。世間一般の大企業と比しても、アイペットのメンバーのレベルの高さ・個性にはお世辞なしに目を見張るものがあります。

中川:
新規事業のインキュベーションをはじめ、中長期的な経営課題に対したアクションを加速させるべく事業戦略室を立ち上げて経営資源を集中させるなど、戦略的な組織構築も進めています。マネージャークラスの人材の多くはここ1、2年で参画したメンバーですし、保険ビジネスの市場拡大や新規事業創出に向けて、組織や人材の面からも一気に成長を加速させていくフェーズにあります。

青山:
アイペットでは新規事業から、ウェブを含めたマーケティング、商品開発、営業、経営企画に至るまで数多くの経営上のテーマがあり、このタイミングで参画してくれる新卒のメンバーには、各々の志向性をもとにして個別にオーダーメイドにキャリアを設計していきます。私自身もDI新卒1期生として入社したのでわかることですが、できあがっていないビジネスと組織の中で、自分の意思を持ってチャレンジしていく経験は非常に痛快です。ベンチャーで新たな産業・事業の創出にチャレンジしていきたいと考えている方には、ぜひ一度足を運んでいただきたいですね。