三菱東京UFJ銀行の事業内容/経営戦略

目次

  • 三菱東京UFJ銀行の特徴
  • 事業内容
  • これまでの事業の歩み
  • 今後の経営戦略
  • 三菱東京UFJ銀行や、出身者による著書

三菱東京UFJ銀行の特徴

日本最大のメガバンク、三菱東京UFJフィナンシャル・グループの傘下にある、三菱東京UFJ銀行。英語社名である"The Bank of Tokyo-Mitsubishi UFJ"を略し、BTMUと呼ばれることもあります。

2015年にはグループ全体の最終利益が日本の銀行として初めて1兆円を突破、2016年はグループ全体としての総資産は286兆円、当期純利益は1兆337億円という規模にまで拡大しました(うちBTMUの利益は5割程度)。

三菱UFJFGとしては、2008年の米ユニオンバンク完全子会社化、米モルガン・スタンレーへの出資、2013年タイの地銀であるアユタヤ銀行買収など、M&Aによる海外事業拡大を推進しています。

2007年に不正融資で金融庁より業務停止処分を受けた他、不祥事が相次いでおり、金融庁から「他のメガバンクに比べ問題が突出して多い」と指摘されています。その中には、学生採用担当者によるわいせつ事件などもありました。

2016年、日本国債の入札に参加する特別資格「プライマリーディーラー」の返上を正式発表したことで注目を集めました。マイナス金利が続いて国債購入のメリットが低下する中で、銀行として"国債離れ"を決めたことを意味します。

事業内容

預金業務

(1)預金
当座預金、普通預金、貯蓄預金、通知預金、定期預金、財形預金、別段預金、納税準備預金、非居住者円預金、外貨預金等の取り扱い
(2)譲渡性預金
譲渡可能な定期預金の取り扱い

貸出業務

(1)貸付
手形貸付、証書貸付及び当座貸越の取り扱い (2)手形の割引
商業手形等の割引の取り扱い

商品有価証券売買業務

国債等公共債の売買業務

有価証券投資業務

預金の支払準備及び資金運用のため、国債、地方債、社債、株式、その他の証券 への投資

内国為替業務

送金為替、振込及び代金取立等の取り扱い

外国為替業務

輸出、輸入及び外国送金その他外国為替 に関する各種業務

社債受託及び登録業務

担保附社債信託法による社債の受託業務、公社債の募集受託及び登録に関する 業務

付帯業務

(1)代理業務
① 日本銀行代理店、日本銀行歳入代理店及び国債代理店業務
② 地方公共団体の公金取扱業務
③ 勤労者退職金共済機構等の代理店業務
④ 株式払込金の受入代理業務及び株式配当金、公社債元利金の支払代 理業務
⑤ 日本政策金融公庫等の代理貸付業務
⑥ 三菱UFJ信託銀行の代理業務
⑦ じぶん銀行の代理業務
⑧ 外国銀行代理業務
(2)保護預り及び貸金庫業務
(3)債務の保証(支払承諾)
(4)公共債の引受
(5)国債等公共債、投資信託及び保険商品の窓口販売
(6)コマーシャル・ペーパー、短期社債等の取り扱い
(7)有価証券の私募の取り扱い
(8)金利、通貨、商品等のデリバティブ取引
(9)確定拠出年金運営管理業務
(10) 金融商品仲介業務
(11) クレジット業務

※三菱UFJフィナンシャル・グループ「 三菱UFJフィナンシャル・グループ 2015年(平成27年)3月期」より引用

これまでの事業の歩み

三菱東京UFJ銀行は、2006年1月に合併し誕生しました。これまでの合併の歩みは、webサイトに掲載してある下記の図が分かりやすいです。

三菱UFJ銀行の沿革

http://www.bk.mufg.jp/kigyou/company/profile/history.html

三菱合資会社(三菱財閥の持ち株会社)の銀行部門が独立する形で、1919年三菱銀行が誕生。その少し前、1880年に日本唯一の外国為替専門銀行として設立された横浜正金銀行は、1946年にその名前を東京銀行に変更します。

三菱銀行は官僚的人事を重視したために営業成績が昇進に影響せず、結果的ではありますがバブル期でも慎重な姿勢を続けます。そのため、バブル崩壊の被害が小さく済み、1996年に東京銀行を合併して「東京三菱銀行」となり、日本トップクラスの銀行の座を獲得しました。

2001年三井住友銀行、2002年みずほ銀行が誕生。銀行再編の流れが生まれます。行風があまりにも違い仲の悪かった東京三菱銀行と三菱信託銀行ではありましたが、経営統合を行い、三菱東京フィナンシャルグループを設立します。

一方、1933年に三十四銀行・山口銀行・鴻池銀行が合併して生まれた三和銀行は、さくら銀行との経営統合を望んでいたものの、住友銀行にその座を奪われます。やむを得ず東海銀行と経営統合してできたのが、2002年設立のUFJ銀行です。しかし、2年後の2004年には経営危機に陥り、三菱東京フィナンシャルグループに救済合併を申し込んで、2006年三菱東京UFJ銀行が誕生したのでした。

2008年、KDDIと折半出資で設立した、ネットバンクであるじぶん銀行を開業。2015年には、TOBによって7割超の株式を取得したタイのアユタヤ銀行とBTMUバンコク支店の業務を統合しています。

三菱東京UFJ銀行出身の著名人には、以下のような人物がいます。

松田公太
タリーズコーヒージャパン創業者、参議院議員
出雲充
ユーグレナ代表取締役
松田雅也
八面六臂代表取締役池内正昭
池井戸潤
小説家(『下町ロケット』、半沢直樹シリーズほか)
伊藤慎佐仁
ワイジェイFX代表取締役社長(ヤフー子会社)
乾恒雄
オリックス社長・会長
岩崎俊男
セルフリーサイエンス取締役
上田昌孝
アメリカンホーム保険会社会長兼最高経営責任者、セシール会長兼最高経営責任者、フジ・ダイレクト・マーケティング社長を歴任
牛尾治朗
ウシオ電機代表取締役会長、日本ベンチャーキャピタル名誉会長
臼井興胤
日本マクドナルド最高執行責任者、セガ代表取締役社長、米グルーポン社東アジア統括副社長を経て、コメダホールディングス代表取締役社長
大河正明
日本バスケットボール協会専務理事・事務総長、ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ理事長
太田垣士郎
関西電力初代社長、黒部川第四発電所建設
君島達己
任天堂代表取締役社長
実吉雅郎
日揮創業者
竹内力
俳優・タレント

今後の経営戦略

三菱東京UFJ銀行は三菱UFJフィナンシャル・グループに属しており、三菱UFJフィナンシャル・グループでは経営戦略として下記を示しています。

個人向け業務

貯蓄から投資への流れを加速させると同時に、決済やコンシューマーファイナンス(消費者金融業)を強化

法人業務

預金・貸出などの通常の法人向け銀行業務とM&Aアドバイスなどの投資銀行業務を一体的に捉えた金融サービスを「グローバルCIBモデル」と定義し、確立することを目指す

セールス&トレーディング業務

グローバルベースでの取り組み、競争力強化

トランザクション・バンキング業務

国内でのシェア拡大と、クロスボーダー案件の獲得、商品競争力の向上と地域間連携の高度化による預金の増強

海外業務

大企業取引を中心とした事業の多角化を進め、現地の個人・中小企業を含めた商業銀行基盤の強化・確立

三菱東京UFJ銀行や、出身者による著書