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年商500億企業の20代執行役員に聞く、会社を担う人材の要諦

就活生の皆さんにとって、「執行役員」は雲の上の存在だと感じるかもしれない。しかしここに、25歳にして年商数百億の企業で執行役員になった人物がいる。2014年にレバレジーズに新卒入社し、2017年に最年少で執行役員となった藤本さんは、いかにして抜擢を受けたのか。また、会社を担う人材の要件とは何なのか。藤本さんのキャリアヒストリーを克明に辿りながら、紐解いていく。

Dec, 11, 2020

レバレジーズ株式会社

藤本 直也 氏

戦略ファームや日系大手企業を辞退し、自ら選んだ事業家の道

——まず、藤本さんの学生時代の就職活動について教えてください。

ベンチャー企業の他に、外資系の戦略コンサルティングファームや日系大手企業などを受けていました。私が就職活動をしていた2013年頃は、ベンチャー企業を受けている人は非常に少なかったですね。国立大学の理系学生が学部卒で就職すること自体が稀で、私はかなり特殊な学生だったと思います。いずれの企業からも内定をもらいましたが、最終的にレバレジーズを選びました。

——なぜ周囲に流されずに、ご自身の考えで意思決定ができたのでしょうか?

現代のような日本経済の低迷期には、普通に生きていては豊かにはなれないという強い危機感があったからです。日本経済の停滞はここ数十年間の常識によってもたらされたと考えると、今まで良いとされてきた働き方やキャリア観は間違っている可能性が高いだろうと思い、自分の進む道は自らの意思でゼロベースで考えて選択しようと決めました。

そうして自分自身と深く向き合った末に、自分の根底に「自分が生きた地球とそうでない地球に差を生み出したい」という価値観が強く存在することに気がつきました。当時はiPhoneやクックパッドなど新しい製品やサービスが登場し、世の中が劇的に変わり始めていた時代でもあったので、自分もそうした大きなインパクトを世界に与えたいと思い、事業家になろうと決意しました。

また、DeNA創業者の南場さんなど著名な経営者にお会いして話を伺ったり、経営者だった祖父の葬儀に参列していた方々から祖父の偉大さを伝え聞いたりしたことで、「本当に凄い人とは凄い企業に入った人ではなく、凄い企業や事業をつくり上げた人なのだ」と実感したことも、事業家を目指すに至る大きなきっかけになりました。

300人の社員の中から、3年で執行役員に

——事業家を目指すうえで、レバレジーズを選んだのはなぜでしょう。

実際に事業づくりをしている方から、「事業家になるには事業をつくる他ない」というアドバイスをもらい、1年目から事業づくりに携われる企業に入ろうと考えました。当時それが満たせる環境はレバレジーズともう1社ほどしかなく、最後は理念共感や社長とのフィット感からレバレジーズを選びましたね。企業理念は自分がつくる事業の方向性を規定するものであるため、重視すべきだと考えていました。

——ベンチャー企業では創業初期のメンバーが執行役員になるケースが多いと思いますが、藤本さんはどのように執行役員になったのですか?

私は創業初期のメンバーではなく、すでに社員数300名、年商100億円を超えた頃に新卒で入社しました。そこからわずか3年で執行役員になれたのは、無我夢中で仕事をした結果ですね。

キャリアとしては、レバレジーズに入社して3ヶ月目で新規事業立ち上げの責任者となり、2年目で事業部長、そして入社から3年経った25歳の時に執行役員を拝命しました。現在は人事や広報、マーケティングや経営企画などの部署を管轄しています。

私が非常勤講師を勤めていた大学の教授曰く「年商300億円を超える企業の20代執行役員は日本では1~2名ほどしかいない」そうで、非常にレアな立場で仕事をさせてもらっています。

執行役員に抜擢されるまでのリアルな軌跡

——入社1年目は具体的にどのようなお仕事をされていたのでしょう。

私の1年目を一言で表すと「大失敗からの大成功」です。まず大失敗は、入社後すぐに立ち上げを担当した新規事業が3ヶ月で潰れてしまったこと。プログラミングスクールの事業を立ち上げたのですが、2014年当時はまだマーケットが成熟しておらず、思うように事業が伸びませんでした。

一方の大成功は、その次に担当した「teratail」というエンジニア向けのWebサービス事業を120万人が使う規模まで2年間で立ち上げたことです。任されていたマーケターとしての役割を超えて、戦略や組織についても自ら責任者に改善提案を続けていたところ、2ヶ月後には私が責任者を担うことになりました。1年目の終わりには、同サービスの利用者は100万人を超え、利用者から直接感謝の言葉をもらえるほどになりました。

当時のレバレジーズではteratailのようなwebプラットフォームサービスは珍しく、社内に知見がなかったため、その道のりには苦労も多くありました。それでも独学で必死に勉強したり、社外の有識者にアポイントを取ったりしながら、サービスをつくり上げていきましたね。結果として、teratailの成長により、レバレジーズを「人材の会社」から「人材とインターネットの会社」へと押し上げることができたと自負しています。

——2年目以降はどのような仕事に携わっていたのですか?

teratailが拡大に伴い事業部となり、2年目で当時最年少の事業部長に就任しました。加えて新卒採用も兼務し、採用戦略の設計からインターンの企画まで網羅的に担当しました。

3年目はそれらの仕事に加え、新しく始まったマーケティングのコンサルティング事業で、大企業のコンサルティングを手掛けていました。他にも、自ら基幹事業の戦略の改善提案を行い、同事業の経営企画を担ったり、複数の新規事業の立ち上げに関わったりもしました。社内の問題は全て自分が解決しようという思いや、レバレジーズを「人材とインターネットの会社」から「複合的な事業を手掛ける事業開発会社」に押し上げようという思いで我武者羅に働いていましたね。そうした働き方をしていたある日、社長から「執行役員になってくれないか」と打診されました。

自分の存在によって差を生み出す人材が、会社を担う

——元々目指していた事業家と執行役員とでは担う役割が少し異なると思うのですが、執行役員になると決断されたのは何故ですか?

仰るとおり、私は経営よりも事業づくりに興味があったので、誘いを受けるかどうかは非常に悩みました。それでも最終的に執行役員になる決断をしたのは、仕事の目的は誰かを幸せにすることだと考えるようになったからです。

私は1年目から事業づくりに携わり、実際に大きな事業をつくることもできました。それでも何故か、自分の仕事の意義や成長実感を強く感じることができずにいたんです。その状況を打破できたのは、teratailの利用者から直接感謝の言葉を貰った時、つまり世の中に良い影響を与えていると実感できた時でした。その時、いかにスキルがあっても仕事を通じて誰かを幸せにできなければ意味がないのだと思い至ったのです。

そして、もしも私が執行役員として日本を支える規模の企業を創り、日本の若者にいい背中を見せることができれば、低迷する日本経済や、夢を持てない若者に対して何らかの良い影響を与えられるのではないかと考え、執行役員になる決意をしました。これは「自分が生きた地球とそうでない地球に差を生み出したい」という私の価値観に繋がる思いでもありましたね。

そのため執行役員になってからは一貫して「日本を代表するベンチャー企業を創る」という思いでやってきましたし、実際にあと5年ほどでそこに到達できる絵も見えてきています。

——ご自身が任された事業以外にも積極的に関わられていたのは、目的が「自分が事業をつくること」ではなく、「世の中に良い影響を与えること」だったからなんですね。ご自身が抜擢された理由や、執行役員になる人材の特徴についてはどうお考えですか?

執行役員になるのは、「この人がいたら会社が大きくなる」という期待感が大きい人だと思います。同様に、その人がいるかいないかで事業部の大きさが変わる人が事業責任者に、チームの大きさが変わる人がチームリーダーになる。「自分の存在によってどれぐらいの差が作り出せるか」が全てだと思います。反対に、絶対に執行役員になれないのは、言われた仕事をやっているだけの人ですね。立場が高くなればなるほど誰も指示も教育もしてくれないので、自らガンガンやっていける人でないと上には立てません。

私が抜擢されたのも、「執行役員にしたら会社を変えてくれそうだ」という期待感を持ってもらえたからだと思います。

レバレジーズは「新卒に未来を託している会社」

——藤本さんのような経営人材を志そうと決めた場合、企業選びではどのようなことを重視するべきでしょうか。

「自分がこの会社を大きくしたい」と心から思える会社を選ぶことが大切だと思います。加えて、実際に自分が会社の拡大に関われる環境であるかを見極めることも重要です。会社の規模だけでなく、若手にそうしたチャンスが回ってくるカルチャーであるかを確かめる必要があります。

——若手に任せるカルチャーの有無を見極める際のポイントはありますか?

就活生の皆さんの場合は、新卒で入社した社員の活躍事例を見るべきでしょう。若手が多く活躍するベンチャー企業でも、マネージャークラスは中途採用を主としている場合があるため、注意が必要です。

レバレジーズは自らを「新卒に未来を託している会社」だと打ち出しており、事業責任者の半数以上が新卒で入社した社員です。会社で最も大きな事業は単体でも東証一部に上場できるほどの規模ですが、その事業のトップも新卒7年目の社員が務めています。

今のレバレジーズは3年で会社の規模が2倍になるような環境であり、社内の変化も激しいため、スキルや経験以上に、吸収力の高さや前向きに勉強する姿勢などの基本的なスペックの方が重要なんです。また、一緒に会社を創ろうというカルチャーは新卒採用のほうが醸成しやすいため、新卒社員の採用と育成に注力しています。

——藤本さんが執行役員に抜擢されたのも「新卒社員に未来を託す」というスタンスがあったからなんですね。

レバレジーズの事業の数は、直近5年間で5から30まで激増し、それに応じて責任者のポストも増えました。新卒社員に未来を託せるのは、そうした会社の成長が大前提にあります。

私たちの年商は現在500億円ほどですが、ベンチャー企業で年商100億円を上回る企業は多くはありません。500億円ともなると、場合によっては東証一部上場企業よりも大きな規模です。創業から15年でここまでの規模に到達できているのは、日本でもトップクラスの成長率と言えると思います。だからこそポジションが詰まることがなく、自分が頑張った分だけ評価される環境があるんです。

また、レバレジーズには現在約1000名の社員がいますが、1事業あたりの社員数は数名から多くても120名程度。たくさんのベンチャー企業が集合したような組織形態であるため、個々人の活躍の場が担保されています。

——会社の未来を担うことが、自分のキャリア形成に繋がるということでしょうか。

私は採用責任者として中途採用の面接も行っていますが、その際に高く評価するのはwhereではなくwhatが優れている人です。whereは属してきた組織、whatはしてきた仕事の内容を指します。転職市場においては、出身企業が有名か無名かは問題ではなく、「自らの手で売上を5倍にした」「主体的に組織の改革を行った」といった経験こそが重視されます。「この人を採用すれば会社が大きく変わるのではないか」という期待感を持たせられる人材こそ、市場価値が高いと言えるでしょう。

どんな会社でも求められることは「その会社を大きくすること」に尽きます。自分の手で会社を大きくした経験さえあれば、間違いなくどこでも活躍できる人材になれるんです。だからこそ皆さんには、「この会社に入社した方が食いっぱぐれなさそうだな」という打算ではなく、「この会社なら、会社を大きくするために本気で頑張れそうだ」と心から思える会社に就職してほしいと思います。

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レバレジーズ株式会社

Interviewee

藤本 直也 氏

ふじもと・なおや

レバレジーズ株式会社

執行役員

大阪大学工学部卒業後、2014年レバレジーズへ新卒入社。内定者時代に、120万人が使うエンジニア向け問題解決プラットフォーム「teratail(テラテイル)」を立ち上げ、2年目には最年少で事業部長へ抜擢。新規事業の黒字化に成功。 マーケティング部、複数の新規事業の責任者、レバテックの経営企画を担当後、25歳でレバレジーズ史上最年少の執行役員に就任。現在は経営企画室長及びマーケティング部長、広報部長を兼任し、新規事業創造のほか、既存事業の戦略立案、採用、コーポレートブランドマネジメントなど、レバレジーズの成長を全方位から牽引する。