高校を出られてからすぐには大学へ進まず、働いていらっしゃったそうですね?
そうですね。私は九州の出身なのですが、大学は日本の中心である東京に行こうと決意していました。ただ家庭の事情もあり、昼間は働きながら夜間に大学に行く形が良いと思っていたので、上京して最初は大学へは行かずに建設会社に勤めました。
建設会社の仕事は、どのような内容だったのですか?
都内の高級一戸建て住宅を年間 200棟くらい建築する管理をしていました。ただ建築は外注に任せていたので「現場監督の監督」みたいな感じでしたね。毎日現場には出向きましたが、1つの現場で留まって作業の様子を見ているわけではなく、1日10件前後の現場をぐるぐる飛び回っていました。
その後、起業されて、大学にも進学されたという流れになるのですか?
はい。その建設会社で宅建の資格も取り活躍していたころ、先に上京していた兄が一念発起して「一緒に会社を起業しないか」という話を持ちかけてきたのです。大学に行こうと思っていた矢先の話でしたが、
「大学は何時でも行ける、起業のチャンスは中々無い」と考え、その建設会社を退職し兄と一緒に起業にチャレンジしたのです。そして落ち着いたらすぐに大学に行こうと考えていました。ところが想像以上に会社がどんどん成長(社員数が30人から200人)していき、落ち着く暇が無かったので大学に行くのが遅くなってしまったのです。
起業した当時のことをもう少し詳しく教えていただけますか?
起業したのはバブル崩壊直後でした。経済が急降下し、市場の仕事が大幅に減少していってリストラがいっせいに始まった時期であり、起業する環境としては厳しい状況であったと思います。しかし今思うと最初がそういう環境下だったので、
ある意味逆境に耐え抜く力を鍛えられたのではないかと思っています。
なぜそんな大変な時期に起業を決意されたのですか?
「遅かれ早かれ、経営者になりたいのであれば、今がチャンスだ」と思ったからです。経済や市況がどうあれ、思い立ったが吉日ですからね。そして、
まずは会社という器をつくって動かすところから始めようと思いました。そこで何をやろうかと考えたとき、兄はITに強く、私は不動産に強かったので、システムと不動産の二本柱の業務をしていくことになったのです。
「まずは会社という器を作ってしまおう」という発想が面白いですね。
はい、最初は作っただけで、人も雇っていなければ収入も支出もありませんでした。私は、他の会社に所属しながらの経営でしたので、自分達の会社は夜間や土日に活動し徐々に拡大していこうという感じでした。副業とか週末起業というイメージでしょうか。また、他の会社というのは、投資用マンション販売、不動産売買の仲介、不動産賃貸の仲介等の会社で不動産営業のノウハウを取得するために働いていました。その後、自分達の会社に専念したのですが、専念した当時の自分達の会社は30人くらいの会社に育っていました。