渡辺:柴田社長は学生時代、どのような就職活動をされましたか?
柴田:メーカー、銀行、商社が主な選択肢でした。一橋大学は経済に強く、ビジネスマン養成大学のようなところなので、自然と学生の大部分が大企業志向でした。その中で、できるだけ大きな規模のビジネスを自分で創れる会社に行きたいと思い、総合商社に入社しました。
伊藤:商社は今でも人気の高い業界ですが、入社されてからどうお感じになりましたか?
柴田:実は正直言って違和感を覚えました。これまでの人生では、重要な局面において、すべて自分で意思決定をしてきました。しかし、会社に入った途端、それができなくなりました。全く希望していない部署に配属され、仕事も決められて、おまけに定年までの給料テーブルまである。大企業はどこもそうかも知れませんが、良くいえば「安定」、悪くいえば「隷属」というイメージを持ちました。自分のキャリアや人生を人に預けることになるわけです。給料は高いものの、自律的に考えることはあまり求められない。なので、新しいビジネスの部署に出入りしたり、企画書を書いたりしていました。日に日に、自分の人生を自分でコントロールしたい、自分が社会に通用するのか試したいという思いが募り、会社を飛び出してベンチャーキャピタルに転職しました。
渡辺:大企業にいても、自分でキャリアを舵取りできないリスクがあるわけですね。それでは転職後は、ベンチャーキャピタリストになろうと考えていたのですか?
柴田:キャピタリストになりたかったわけではなく、投資からベンチャーの経営に絡むことで、経営ノウハウを身につけ、どんなに居心地が良くても3年で絶対独立しようと思っていました。社会に飛び出せば、「上司」や「会社」からの助けは一切ないわけですし、全て「自責」になる以上、自分に何ができるかが全てだと思って必死で働きました。仕事がなくとも毎日深夜まで会社に残り、過去の投資失敗事例などの資料を見まくっていましたね。そんな中、ネットプロテクションズという会社を買収するという話がでてきて、私が出向することになりました。アイデアがあるだけで実態としては何もない会社で、事業構築からスタートしました。私の場合は、ゼロからの起業ではなく、大きな損失を抱え、組織も既に壊れている状態からのスタートでした。決済市場もマネジメントもシステムも何も分からない26歳の若輩者が、マイナスからの企業再生を経て、世の中に存在しない新しいビジネスを起業したことになりますので、壮絶な経験をさせてもらいました。
伊藤:あえて小さな組織に飛び込んだことで、壮絶な経験をされて、経営者としての力が磨かれていったのですね。現在の御社のビジネスモデルについてお聞かせください。
柴田:主軸のビジネスは、『NP後払い』というネットショップ上での後払い決済サービスです。ネットショップと弊社が契約すると、お客様がネットショップで商品を買うときに、『NP後払い』という支払い方法が追加されます。つまりお客様は、商品が届いてからお金を払うことができ、ショップ側はお客様の「商品を見てから払いたい」というニーズを満たすことで、売上を増やすことができます。ショップ側への支払いは弊社が行うので、ショップ側もお客様側もどちらもリスクがありません。未払いのリスクを背負うのは弊社ですが、そのリスクも母数を拡大することで分散し均一化することができます。リスクが大きすぎるため、立ち上げ当初はほとんどの人から絶対にうまくいかないと批判され続けるようなビジネスモデルでした。しかし、今ではショップ数も8000社弱、顧客数も累計600万人と急激に成長するビジネスモデルとなったのです。
株式会社ネットプロテクションズ
事業内容:後払い決済サービス『NP後払い』の運営
クレジット決済サービス『NPカード』の運営
オンラインショッピングモール『アトバラ』の運営
所在地:〒104-0061 東京都中央区銀座1-10-6 銀座ファーストビル4階
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