アレン マイナー氏は、当時まだ400名規模で新興ベンチャーだったオラクル(本社:シリコンバレー)に新卒1期生として入社し、入社5年目の若さで日本支社を立ち上げ、日本オラクル初代代表に就任。その後、同社の記録的な成長に貢献しました。 同社IPOの後、日本をアントレプレナー精神溢れる国にすべく株式会社サンブリッジを設立し、日本のベンチャー投資・育成分野でインターネットビジネス黎明期から数々の実績を残し、ベンチャー界に多大な貢献をしてきました。2011年より新たに、初期段階からグローバルを視野に入れるベンチャー企業を支援する「グローバルベンチャーハビタット」を立ち上げて挑戦を続けるマイナー氏に、日本の大学生向けにメッセージをいただいた。
日本のベンチャーはダメではない
よく「日本のベンチャーはダメだ」と言われますが、全然ダメではありません。日本のベンチャーも初期段階では、シリコンバレーに負けないぐらいのアイデア、人材、資金が揃っているケースも少なくないのです。違いは何かと言うと、世界からどれだけ注目を集められるかが大きい。単に日本の中だけで注目されて日本のメディアで取り上げられても、海外で日本のメディアを見ている人など誰もいません。世界中が注目しているシリコンバレーで存在感を上げる必要があるのです。シリコンバレーをもっと利用して世界から注目を集めることができれば世界的なベンチャーに近づくことができます。これからは、創業期から海外展開を意識して、上場よりも海外進出を優先させる経営ができるベンチャーが出てくれば日本発のグローバルベンチャーをもっと創出できると信じています。
学生時代にベンチャーで働いたり、起業したり、一度やってみること
将来起業したい、経営者になりたいと考えるのであれば、まず学生時代に一度、やってみると良いと思います。学生起業してそのまま大きな成功を収める可能性は小さいかもしれないが、失敗しても大きなマイナスはありません。言うなれば「ゼロリスク、メイビーリターン」なのだからやってみれば良いと思います。今は、SalesforceやAmazonのクラウドインフラを使えば、ウェブサービスを立ち上げる上で、資本もサーバーインフラ周りの技術・ノウハウも不要です。クリエイティブなアイデアと開発力と時間さえあれば、サービスを立ち上げることができる時代になっているのです。
いきなりサービスを立ち上げろと言われても何をして良いかわからなければ、まずはベンチャーでアルバイト(長期のペイドインターン)をしてみると良いと思います。私自身も、大学2年のときから小さなスタートアップで3年近くアルバイトをしていました。その後、大学4年のときに一度起業しました。アメフトの試合データを記録するソフトウェアの会社だったのですが、残念ながら市場性の検証が不十分なままスタートしたため大きく成長させることはできませんでした。潰れそうなスタートアップでのアルバイト経験や自ら起業して失敗するという貴重な経験も、学生のうちだからこそ躊躇なく経験できたと思います。その後、就職する際には、スタートアップの次のステージとしてもう少し軌道に乗ったベンチャーに行きたいと考え、当時社員400名規模でこれからさらに成長しそうだったオラクルに入社したのです。
Allen Miner
株式会社サンブリッジ 代表取締役会長兼CEO
日本オラクルのIPOを機に、日本のベンチャー企業育成の為、株式会社サンブリッジを設立。2000年には渋谷にインキュベーションセンター「Venture Habitat」を開設し、クラウドコンピューティングの先駆けである salesforce.com の日本法人設立を手掛けるなど、数多くの日米のベンチャービジネスに対して、投資、マーケティング、技術、人材等の総合的な支援を行う。近年は、米国シリコンバレー、大阪梅田にもインキュベーション事業を展開し、日本の革新的なベンチャー企業を中心に、企業の国際化を支援している。また、ベンチャーが育ちやすい社会づくりを目指して、幅広い活動を行っている。その他役職、活動として、米国SunBridge Partners,Inc. President & CEO、Stanford Project on Japanese Entrepreneurship(STAJE)スタンフォード大学 日本の起業家研究プロジェクトスポンサー、一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)創業メンバー・理事、顧問など。著書に『わたし、日本に賭けてます。』(翔泳社、2001)ほか。 受賞に、2007年米国Forbes誌 MidasList 有能ベンチャー支援者100人を選出するListにて日本中心に活動する支援者として初めて選出など。
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