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倉重 英樹 株式会社シグマクシス 「真の価値創造のためにあるべきコンサルティングの新しい形とは?」


Nikkei Business Onlineにてバックナンバー掲載中!「新しい会社を創っていくとき、創業者は何を考え、どのような行動をとるのか」SIGMAXYZ立ち上げの様子がリアルタイムで綴られています。

価値の創造は「コラボレーション」から生まれる

私は2008年5月に、「シグマクシス」という新しいビジネス・コンサルティング会社を立ち上げました。外資系コンピューターメーカーの営業からキャリアをスタートし、外資系コンサルティング会社、国内通信会社の経営を経験し、金融業界に身をおいた私が、なぜまたこの業界に戻ったか。それは、コラボレーションを通じた価値創造のビジネスモデルで、真にお客様の経営課題を解決することができる組織を作りたかったからです。

ICTサービス業界は、ICT技術の高度化と価格低下、そして新興国プレイヤーの台頭で、特にこの10年間、市場での激しい価格競争にさらされてきました。一方で企業は、予測不可能な市場の動きの中で、変化し続ける経営課題を解決し続けるというチャレンジが求められています。今やICTはビジネスとは不可分な要素となり、両者を切り離して語ることはできません。いま求められているのは、企業の経営とICTを一体化して、お客様が取り組むべき経営課題解決に直接貢献できる能力です。

ここでコンサルティング・サービスを提供する私達に求められることは、まず自らのビジネスモデルを「ネゴシエーションモード」から「コラボレーションモード」に変えることだ、と私は考えています。サービスを提供する側と、受ける側の企業が、目標をともにせず、それぞれの立場で価格交渉あるいはサービスレベルの交渉ごとを繰り返している、すなわち「ネゴシエーション」モードの関係にあると、常に妥協点探しにエネルギーと時間を費やすことになって、限られた価値を互いに争奪する関係になってしまいます。でも、共にひとつの目標を達成しようという関係性でパートナーシップを組めば、サービス提供側と受ける側の知恵をぶつけ合い、実際に成果を出していくことに全員が集中して全力を尽くすようになります。「ネゴシエーション」は疲れます。「コラボレーション」は時に大変ではあっても、創造的活動ですから圧倒的に楽しい。「ネゴシエーション」が競争をドライブするならば、「コラボレーション」は価値創造をドライブすると言えるでしょう。

私は、お客様から私達が仕事を「請け負う」というビジネスモデルではなく、お客様と共に、ひとつのチームで、経営課題を解決する価値創造活動を実行するというビジネスモデルを提唱しています。非常にわかりやすい言葉でいえば、「成功報酬型」ビジネスとも言えますが、それはあくまで手法であって、大切なのは「コラボレーション型ビジネスモデル」の実現に尽きます。これは、実はICTサービス業界やコンサルティング業界に限ったことではなく、サービスを通じて価値を創造しようとする企業にとっては、みな同じなのではないでしょうか。製造業であってもサービスの質が差別化になるこの時代、今、マーケットで求められている人材というのは、自らのプロフェッショナル・スキルを、コラボレーションを通じて価値につなげることを楽しめる人なのではないかと、私は思っています。そして、私自身経営している「シグマクシス」も、そういう社員のモチベーションをエネルギーにさらなるコラボレーションを作り出す、そんな組織にしたいと思っています。

経営者になる近道は
「自らの意思決定」の回数を増やすこと

コンサルタントを経験すると経営者になれるか、よく聞かれますが、現実的にはそんなに簡単ではないですよね。経営の能力を身につけられるかどうかというのは、どれくらいビジネスそのものに直接触れられるか、という点に尽きるでしょう。そういう意味では、大きな企業になればなるほど、若い頃はビジネスのほんの一部にしか触れられないのが一般的でしょうから、比較論でいれば、お客様のビジネスとの接点を持つ機会はコンサルティング会社の方が多いのかもしれません。

でも、大切なのは、自分がやりたいことがどれくらい明確になっているか、そしてそれを実現するために、自らリスクをとって意思決定し、実行した経験がどれくらいあるか、ということでしょう。経営者が何かを決めて実行するときに物をいうのは、知識の量ではなく、意思決定の経験の量なのです。言い方を変えれば、社員の成長を支援する組織というのは、そういう意志決定の場をできるだけ多く経験させてくれる組織、と言えるでしょう。

私自身は、新入社員時代にとても恵まれた環境にいました。「とにかく営業がやりたい」と私が新人として飛び込んだIBMは、当時IT業界急成長期でしたから、とにかく人手が足りなかった。新人であろうが、トレーニングが終わったらすぐ現場に入れられて、単身で大会社の経営者相手にコンピューターを売っていました。相談する相手もいないし、新しいビジネスなので正解もない。とにかく自分で考えて実行するしかなかったので、若い内からビジネスに触れて、失敗もたくさんしました。でも「やりたいこと」をやっているから苦にならない。そういう積み重ねが今の私を作っているのです。当時に育ったIBMの人間に、今経営者が多いのは、そういう経験を通じて経営者としての能力を身につけた人が多いからなのではないかと思います。

株式会社シグマクシス

事業内容:三菱商事とRHJインターナショナルの共同出資で2008年5月9日に発足。ICTを活用して企業価値創造を支援するビジネスコンサルティング・サービス(企業戦略主案・企業革新、企業情報システムの構築支援)を展開。コラボレーションを通じた価値創造のビジネスモデルを実現する、新時代のコンサルティング・ファーム。
所在地:〒105-0001 東京都港区虎ノ門 4-1-28 虎ノ門タワーズオフィス9F

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