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企業と消費者とのデータ流通を最適化するプラットフォームビジネスを打ち立てる

Sep, 01, 2015

株式会社フィードフォース

塚田 耕司 氏

消費者ビッグデータとアドテクノロジーが融合する、デジタルマーケティングの最先端

ここ15年ほどの間、驚くほどのスピードで私たちの消費のデジタル化が進行し、その環境は一変しました。2008年のiPhoneの日本進出からわずか6年ほどで、スマートデバイス普及率は50%を超え、消費者のデジタル情報へのアクセスが極めて容易になったことなどは、その代表例です。さらに、実店舗での購買に加えてWebサービスを介した購買、すなわちEコマースも当然の選択肢となってきており、国内での市場規模は過去10年で10兆円規模にまで拡大しています。消費のデジタル化に呼応してマーケティング手法にも必然的に変化が訪れていますが、とりわけ広告のデジタル化には目を見張るものがあります。流通する商品数の爆発的な増加と、広告配信先となるインターネットメディアの多様化に伴い、マーケティングの費用対効果をオートマティックに最大化するアドテクノロジーが著しく発展しました。さらに、Webでの行動履歴や商品閲覧履歴といった消費者ビッグデータを統合して活用するCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)領域の重要性も増してきています。今後は、アドテクノロジーとCRMとの連携こそが、デジタルマーケティング領域の最先端課題となるでしょう。

最適な情報を最適なエンドユーザに発信する

私たちは、それぞれ独立したビジネス領域で発展してきたアドテクノロジーとCRMの双方に新規事業を打ち立て、両者を有機的に連携させることで、企業とユーザの間の情報流通を最適化しようとしています。
情報の発信者である企業側に対しては、商品名や商品カテゴリ、色などといった属性データをマーケティングに最適化された形式に変換し、アドテクノロジーを活用して配信するデータフィード事業(『DF PLUS』)を展開しています。元々Eコマース領域から始まったデータフィードは、すでに人材、不動産、旅行といった業界にも広く浸透し始めており、今後の市場性がさらに期待されています。一方で、情報の受け手であるエンドユーザ側では、性別や年齢、趣味といったパーソナルな情報を、Webでの行動履歴と紐付けたデータベース構築をおこなう、CRM事業(『ソーシャルPLUS』)がすでに軌道に乗っています。この二つの事業を融合させ、商品情報とユーザ情報の両方にアクセスすることで見えてくる世界は、限りなく広大です。「情報に、新しい架け橋を」というフィードフォースのミッションのもと、情報発信側の企業と受け手であるエンドユーザが、どちらも正しい情報を正しい形で受け取れる世界を具現化していきたいですね。

ビジネスのスタートは、 小さく速く

時に「ラットイヤー」とも言われる通り、デジタルの先端分野では、技術やプロダクトの陳腐化がごく短期間で生じます。スピーディにサービスを投入できなければ、事業機会を逸する危険性すらあることを常に意識せねばなりません。だからこそフィードフォースでは、ビジネスサイドとエンジニアサイドの区別なく、柔軟かつ俊敏な意思決定をおこなう組織づくりを徹底しています。実際、すでに主軸サービスとなった『DF PLUS』を立ち上げたのは、数名規模のスモールチーム。開発の前提となるのは「リーンスタートアップ」という考え方です。顧客自身が必ずしも輪郭をつかみきれていない課題に対して仮説を立て、解決に不可欠な機能を一つだけ実装した状態でリリースします。その後、顧客を巻き込みながらニーズを深堀りしつつブラッシュアップを繰り返すことで、確実に市場のニーズに合ったサービスを輩出する戦略を実行しています。ただ、その戦略は短期的な収益を生み出すためだけのものではありません。将来的には、複数のマーケティングシステムやアドシステムが接続されることを見据え、『DF PLUS』と『ソーシャルPLUS』に続いて、あらゆるサービスに共通して必要とされるデータプラットフォームとなるプロダクトに集中した事業開発をおこなっていきます。

エキスパートに乏しい新産業だからこそ、若手が事業開発のドライバーとなる

デジタルマーケティングは、まだまだ拡大を続けるアクティブな新産業で、日々常識が塗り替えられる未成熟な状態にあります。専門家と呼べるほど熟達した人材も数えるほどしかおらず、実務経験や知識の有無はビジネスパーソンとしての優劣にほとんど関係がありません。だからこそ、この領域を中心となって開拓するのは、情熱や知的好奇心を持ち、常に最先端をキャッチアップし続ける貪欲さを持った若手であると考えています。フィードフォースも例外ではありません。例えば、新規事業開発において基幹的な存在と位置づける「マーケティングラボ」では、内定者や新卒社員が初仕事としてリサーチ・分析に集中し、国内外の未上場企業やベンチャーキャピタルの有望投資先のビジネスからマーケティングトレンドや新しい技術領域を読み解き、事業シーズを発掘する役割を果たしています。実は『ソーシャルPLUS』も、このラボで発掘した400程度のテーマから、収益性と市場性に優れるビジネスとして見出され結実した事例にほかなりません。また『DF PLUS』のプロダクト責任者を務めるのは新卒3年目のメンバーで、GoogleやFacebookとの関係構築にも貢献しています。若くして新産業領域の拡大に寄与できるエキサイティングな環境に、ぜひ挑んでほしいと思います。

株式会社フィードフォース

Interviewee

塚田 耕司 氏

つかだ・こうじ

株式会社フィードフォース

代表取締役

京都大学工学部卒。1996年に株式会社ルート・コミュニケーションズを設立。以来、外資系エンタープライズ企業を中心にデジタルマーケティング全般を支援。2006年、株式会社フィードフォース設立に伴い代表取締役に就任。オウンドメディアのソーシャル化支援ツール『ソーシャルPLUS』、データフィードサービス『DF PLUS』を両輪として、マーケティングのフロンティアに挑む。