Big DataからGood Dataの時代へ

データが企業ビジョンの具現化を左右する

Mar, 11, 2016

フォルシア株式会社

屋代 浩子 氏

創業から今日までの歩み

人々が情報やモノを見つける際に、求めるものへ到達するまでの時間を短縮し、その精度を向上させることができれば、世界を進歩させることができるかもしれない、という思いでフォルシアを創業しました。私はもともと金融の世界で仕事をしていたので、必要な情報にスピーディーにたどりつくことの価値を強く認識していましたし、世の中のデジタル化により、情報が溢れるようになるにつれ、膨大な情報を高速に分析しユーザに「わかりやすく」提示する必要性は高まり続けるだろうと考えていました。創業後は苦労もありましたが、徐々に旅行や小売業界、BtoB(企業間取引)の機械部品業界など、探すものの組み合わせや対象品数が膨大な業界を中心に評価をいただき、とある業界最大手企業からも、「同じことをできる会社は他にない」と言っていただけるまでに成長しました。

現在のトレンド:BI、プラットフォーム、グローバル化

「検索だけですか?他の領域には踏み出さないのですか?」という質問を受けることがあります。私は「見つけること」の重要性は普遍的であり、膨大な情報の中から見つけにくいものを見つけやすくすることの意義はますます拡大していくと思っています。フォルシアのビジネスも現在では旅行手配のようなEC領域の検索から、ビジネスインテリジェンス(BI)、データプラットフォーム、グローバル化の領域まで急速に拡大しています。

BIの例としては、住宅設備・建築材料分野の最大手企業における、施工データ・顧客データを分析しマーケティングや営業活動の意思決定をサポートする仕組みを構築しています。常にデータが増え続ける中で、どのようにデータを扱うかという方法論とデータドリブンの経営コンセプトを顧客企業に提案し、新しいビジネススタイルそのものを創り出した事例です。

データプラットフォームの例としては、旅行の分野でフォルシアの豊富な開発実績と技術力がGoogleから高く評価され、Googleのサービスを日本で本格的に展開する際の「インテグレーション・パートナー」に日本で初めて認定されました。特定業界の情報を地道に集め、処理し続けた結果、大量データのプラットフォーム化にまで成功した事例です。

グローバル化の例としては、BtoBの部品調達などサプライチェーン関連の分野で顧客企業と共にグローバル展開を進めている事例がありますし、海外の企業から直接の問い合わせを受けた案件にも取り組み始めています。

外から見るとフォルシアが扱っている領域は狭く見えるかもしれませんが「膨大なデータを分析し顧客企業とともに新しいビジネスを創っていくこと」がフォルシアのビジネスであり、私たちには広大なマーケットに見えています。

Good Dataを集める時代へ

私はBig Dataをどのように扱うかという時代からGood Dataを戦略的に集め分析する時代にすでに入っていると考えています。みなさんがわかりやすい例としてはGoogleのストリートビューがあります。Googleがなぜ自ら車を運転し世界中を撮影し情報公開しているのか、日本では富士山にまでカメラを背負って登っています。なぜか。それはGoogleが必要と考えるデータ(Good Data)が世の中になかったから自分たちで作ったのです。

他の例では多くの方が利用するECサイトでは「これを買った人はこれも」といったリコメンドは当たり前になりましたが、私たちはそのサイトの中にある情報だけを利用し作成されたリコメンドは「あるべきリコメンド」ではないと思っています。人それぞれの価値、生活様式等まで理解した上でおこなうのが「あるべきリコメンド」です。この分野ではストリートビューのようにGood Dataを集めることが急務です。企業が必要と考えるデータを戦略的に集め、そのデータを活用することができれば、顧客企業のビジョンを実現したり、人々の生活に良い影響を与えたりできるでしょう。フォルシアはこの分野でも再び、他社にはできないレベルでの高度な課題解決と価値提供を目指しています。

ビジネスを創造するプロフェッショナル集団でありたい 

私たちは言われた通りにものを作るのではなく顧客企業も無理だとあきらめていたような難題の解決に挑戦しています。基本的にコンペには参加しません。他社ができることはやらず自分たちだからこそできる難しい課題解決に特化しているからです。社内には「できるもの」ではなく「あるべき姿」を求めようという考えが強くあります。あるべき姿を実現するには高い技術力も必要ですが、より大切なのは膨大なデータを適切に扱い顧客企業に貢献する、世界を少しでも良い方向に変えるというマインドです。今後も顧客企業のビジネスを創造できるプロフェッショナル集団であるべく努力し続けたいと思います。技術の話になると「技術は追いつかれませんか?」という質問を受けることがありますが、この「プロフェッショナル集団」は差別化の大きなポイントです。フォルシアには難題を好む、創造性のある社員が数多く働き、常にトップであり続けようとするマインドがあり、15年に及ぶ技術の蓄積もあります。優秀な社員に集まっていただくこと、マインドを醸成すること、高い技術力、いずれも過去の積み重ねの上に成り立つものです。「使われない技術に価値はなく、顧客企業に貢献してはじめて価値が生まれる」という考えのもと、創業以来社員が真面目に考えてきた技術やビジネスを今後も地道に磨きながらより高い頂きに挑戦しようと思います。

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フォルシア株式会社

Interviewee

屋代 浩子 氏

やしろ・ひろこ

フォルシア株式会社

代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)

南アフリカ生まれ。1988年慶應義塾大学卒業後、野村證券株式会社に女性総合職第一期生として入社、デリバティブの開発に携わる。1991年マサチューセッツ工科大学大学院にて経営学修士号を取得。1993年ゴールドマン・サックス証券株式会社入社を経て、2001年フォルシア株式会社を創業。