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幹部候補「ネクストボード」選出メンバーと執行役員によるパネルトーク

DeNAの次世代を担う経営陣の発掘・育成を目的に2017年に発足した組織「ネクストボード」。11名で構成される「ネクストボード」のメンバーは、1年の任期の中で通常業務と平行して進行するプロジェクトを担い、複数のチームに分かれて経営課題の解決にあたります。そんな「ネクストボード」に選出された安江氏、住吉氏、そして執行役員の崔氏の3名で、学生から出た質問に答えるパネルトークを行いました。

Aug, 21, 2018

株式会社ディー・エヌ・エー

崔 大宇 氏 ・ 安江 亮太 氏  ほか

エース社員を育て上げた失敗体験

Q:皆さんにとって一番の失敗体験とはなんですか?

住吉:以前、ゲームを開発したことがあり、長い期間をかけて自分が世の中にインパクトを与えられると思ったものを作り切ったつもりだったんです。ところが実際にリリースしたところ、世の中には何も起きなかったんですよね。一般的にですが、新規のサービスって、ドキュメンタリーなどで “世の中にぶつける”というストーリーで語られることが多いと思います。でも実態として、届ける先の人のことが理解できてないものは、何もインパクトを起こせないということを学びました。失敗は失敗で、その時はもがくしかないですし、その経験を踏まえて次に何かやるしかないというのが僕の経験です。

安江:新卒一年目に、韓国のメンバーに日本のマーケティングのノウハウを伝えるというミッションで現地へ赴いたんです。自分自身は順調に使命を果たしていると思っていたんですが、数カ月経った時に社長から呼び出されて「お前どうなっているんだ?」と聞かれたんですね。「現地メンバーもしっかり教えたことで独り立ちしましたよ」と得意げに答えたんですが、「そうじゃなくて、プロジェクトは成功してないじゃないか?」と言われ、ズコーンと殴られたような感覚に陥りました。自分の仕事は現地メンバーにノウハウを教えることまでだと勝手に思い込み、事業の成功にはコミットできていなかったことが恥ずかしくて、自分がダサいなと思って。それからはダサくない生き方をしようと考えて、ひたすらに挑戦するっていう働き方に変わっていきましたね。

仁平:二人とも共通しているのは、失敗した時の捉え方が前向きですよね。そういう姿勢が、上から横から信頼を集めて、次のチャンスをもらってくるんだと思います。

DeNAは“素直”な人材を待っている?

Q:どういう人材と皆さんは働きたいですか?

安江:単純に、素直で良い人って好きですね。DeNAがどうということではなく、これは僕の性格上なんですけど、ひねくれていて頭の良い人よりも、そういう人と働いている方が楽しいかな。面接をやる時は、幼少期から今までどうやって生きてきたのかを聞いています。話しても話しても全然足りないなって思いながら、何回も3、4時間もかけて繰り返し面接をやって聞いていくんですよ。DeNAで生きる道と、その人が生きる道がマッチしていれば最高と考えているので、そこは本当に重点的に聞きますね。

住吉:僕は、素直で好奇心の強い人。あとは愚直な人ですね。毎日少しでも良い習慣を作れる人って、ものすごく頭のいい人よりもきちんと成果が出たりするものなんです。そういう良い習慣作りをするためには、何事にも好奇心を持ちながら、素直にちゃんと吸収していくということが大切になってきます。僕の言っている好奇心というのは、新しいプロダクトに向いている好奇心というよりは、自分が普段やっている研究とか、日常的なものとか、フラットな目線を持って色々なものを吸収しているかどうか。誰かと働くうえで、そういう好奇心を持てている人かどうかは大事にしています。

仁平:DeNAのイメージとして普通よく聞くのは「ロジカルモンスター」とか「体育会系」とかなんですけど、ここでDeNAらしからぬ“素直”という言葉が出てきましたね。今皆さんが挙げた“素直”の定義は一般的なそれと少し違うのかなと思うんです。いわゆる素直って「はい、分かりました!何でもやります!」みたいなイメージだと思うんですけど、それとはまた違うニュアンスですよね?

住吉:ゼロベースでちゃんと考えられるか。例えば議論をしていても、自分の意見を「どう思われたい」「うまく見せたい」「怒られたくない」っていうことに縛られずに、自分で考えて発言できるかどうかですね。余計な感情が入ってしまうと、コミュニケーションが歪んでしまって、素直なやり取りができないですから。

安江:あとは、謝れるとか、反省できる人かどうかですね。それができない人間の方が多いと思いますけど、反省しないと成長しないですよね。

崔:僕は立場上公式見解になってしまうところもあるんですけど…。あくまでも個人的に面接で落とすなあって思うのは、面接本をしっかり読んできているなという学生さん。学生時代一番頑張った事を聞くと、きちんと用意された回答をする。二番目を聞くと、それもきちんと用意されている。三番目は、四番目は?と聞いていくと、一番目とのクオリティの差が出てきますね(笑)。どうしてそれをするかというと、DeNAという会社は自分をさらけ出さないと活躍できないと思うんです。面接対策をするなという訳じゃないんですけど、「何でもやります!」みたいな変な意味での素直さは要らなくて。自分がその場で考えて意見を言えるかどうか。多様な人々が居る中で成果を出すのは、ちゃんと自分で考えて発言できる人です。面接本で準備されてしまうと、それを剥がす作業から始めないといけなくなってしまいますね。

年収と市場価値、それを創り上げる挑戦環境

Q:ダイレクトな年収の額というより、自分の市場価値を含めた年収について、語ってください。

住吉:これからのフェーズは、誰かに評価してもらうことで年収が上がるというフェーズでもないと考えています。例えばですが、自分の年収をあと1000万増やしたいと考えたとき、会社の売上を増やすような新しい事業を自分で立ち上げる必要があると思います。

安江:僕も、うちの会社の年収が高いというよりは、市場価値に対して出してもらっていると思っています。DeNAに行けば高くなるんじゃなくて、そこで成果を出して、どの企業に行っても同じ年棒をもらえるぐらいになっているからこそ、理想の年収を出してもらえるのかなと思います。

私達がDeNAに決めた理由

Q:数多の企業からなぜDeNAを選んだのですか?

崔:少し話が逸れるんですけど、僕は就職活動がとても下手だったんですよ。30社以上受けていて、ほぼ全部最終面接まで行くんですけど、全部落ちたんですね。受かったのがリーマン・ショック真っ只中のリーマン・ブラザーズと、DeNAだけだった(笑)。馬鹿正直過ぎて、面接の対策本とか何も読んでいなかったので、「5年後どういうキャリアを描いていますか?」と聞かれても「ただ幸せに生きていけたら…」なんて答えていました。「君のやりたいことは、うちの会社じゃないとできないのか?」と聞かれた時は、「別の会社でもできます。御社に受かったら、ここでやります。」なんて答えていました。そういうのを繰り返していた中、DeNAの面接があったんです。「なぜ君は面接に全部落ちているか、分析してみた?」と質問されたので、「就活は、企業と学生をマッチさせるものだと思っているので、媚びたくないし、ストレートな自分を受け入れてくれる企業を探していたんです。だからこそ対策本とか読まないで、答えてはいけないことも答えてしまったんですよね。」と答えたら、面接官の方は「全然だめ。」と一言。また落ちたと思った矢先、「崔君は、DeNAと出会うために他の会社を落ちたんだよ。」と面接官の方が言うんです。何なんだこれ、と思いましたね(笑)。その時点でビビッときまして、結果的にご縁がありました。

仁平:色々な人に話を聞くと、DeNAはそういう人が多いよね。

DeNAでの育児事情、女性の活躍

Q:DeNAで育児をされている方はどんな生活をしていますか?加えて女性の活躍について聞かせてください。

崔:うちの子供は二歳なんですけど、僕は毎日保育園に子供を送ってから会社に行っています。働き方は自由なので、子供が熱出した時は早く帰ったりはしています。個人個人でバランスとってやっているという感じですね。男性も育児休暇が取れたりします。あと、産休をとっていた方はほぼ全員復職される。保育園などの送迎も含めた短時間勤務をされている方も各チームにかなり多いし、しっかりとパフォーマンスも出してもらっています。ちなみに女性は役員や部長になれますし、実際にいます。そもそも会長である南場が女性ですから(笑)。

経験も浅かった20代での成功

Q:右も左も分からない状態から挑戦し、成功に至るまでの過程やコツを教えて下さい。

安江:これって言われたことに関して、断らずに全力でやる。とにかく仕事は選ばなかったですね。仕事を選んでいたら、今の自分はないと思っています。あとは、失敗してもきちんとその原因を分析するということを繰り返していったというのが、成功の過程だったと思います。

崔:僕も全く同じです。自分の才能がどこにあるかなんて分からないから、仕事は選ばずに何でもやってみる。そうするとどこかで成功するんですよ。数打ちゃ当たる原理じゃないですけど、自分の得意なことなどをあまり決めつけ過ぎるのは良くない。僕自身、営業なんか全く向いていないと思っていたけれど、やったらやったで営業力がついていくんです。“俺営業できる感”も沸いてきて、別の機会で営業に同行してくれと頼まれた時に「おういいよ!行ってやろうか。」という気持ちになる。振り返ってみると、そういうことが成功体験だったなと思うんです。

住吉:今持っている知識で数年後の目標を立てることもあるんですけど、仕事を選ばずに積み重ねていく経験によって勝手に目標って変わっていくんです。「これを学ぼう!」と思って意識的に学ぼうとしたことよりも、ひたすら挑戦する中で気づいたら経験していたことの方が、ずっと自分自身に吸収されていて、結果として色んなビジネスに繋がっていることが多かったりしますね。

株式会社ディー・エヌ・エー

Interviewee

崔 大宇 氏

ちぇ・てう

株式会社ディー・エヌ・エー

執行役員 / ヒューマンリソース本部長

東京大学大学院 (工学系研究科航空宇宙工学) 卒、2010年DeNAに新卒入社。エンジニアとしてソーシャルゲームの開発に携わった後、中国など海外拠点での組織開発を担当。その後エンタメやメディア、AI領域での新規事業立ち上げを経て、2018年4月から現職。

Interviewee

安江 亮太 氏

やすえ・りょうた

株式会社ディー・エヌ・エー

IPプラットフォーム事業部事業部長 / マンガボックス編集部 編集長

東京大学 経済学部 経済学科卒、2011年DeNAに新卒入社。 入社1年目の冬に韓国でのマーケティング組織の立ち上げを手がける。2年目に米国でのマーケティング業務。 その後全社戦略の立案などの仕事を経て、現在はおもにマンガボックス、エブリスタ、My Anime Listといった三事業を管掌する。

Interviewee

住吉 政一郎 氏

すみよし・せいいちろう

株式会社ディー・エヌ・エー

ソーシャルライブ事業部事業部長

東京大学 大学院 (理学系研究科 地球惑星科学専攻) 、2012年DeNAに新卒入社。ゲームのサーバーエンジニア、運用ゲームのプロデューサー、新規ゲームのプロデューサー/ディレクター、新規サービスのプロダクトオーナー、ゲームのコミュニティマネジメント経験と、コミュニティマネジメント組織の立ち上げなどを経て、現在ソーシャルライブ事業部の事業責任者を務める。

Interviewee

仁平 理斗 氏

にひら・まさと

スローガン株式会社

執行役員 / ポテンシャルアクセラレーション事業本部長

早稲田大学国際教養学部卒業後、2010年DeNAに入社。新卒2年目に当時最年少で社長室に異動しソウル支社へ出向、韓国事業の立ち上げに従事。ゲーム事業部にて部長・エグゼクティブプロデューサーを務め、「パズ億」「逆転オセロニア」をプロデュース。2016年12月スローガン入社。