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前向きが一番。未来はいくらでも変えられるから。

アドバンテッジリスクマネジメント代表取締役社長の鳥越慎二氏は、約20年前よりメンタリティマネジメントを日本で創めた、同領域における第一人者である。そんな鳥越氏は、創業時「誰にも価値を認識されていなかった」商品をいかにして売り込み、業界トップにまで成長させたのか。快活な大声とはち切れんばかりの笑顔の裏に隠された、意外な辛苦の過去と、根底に眠る経営哲学を明るみに出す。

Mar, 27, 2017

株式会社アドバンテッジリスクマネジメント

鳥越 慎二 氏

銀行員の父がくれた、「ビジネス」という玩具

新潟の銀行員のうちの次男坊として生まれた私は、ソロバンを片手に机に向かう父親の背中をみて育ちました。小学生の頃「何をしているの?」と尋ねたら、父は銀行の役割や企業の仕組みを教えてくれ、他にも様々な会社のケースを交えつつ、ビジネスの世界に私を誘ってくれました。そのなかでも、私が一番惹かれたのは、やはり司令塔として会社のトップに立ちながら、作戦(戦略)を練り、敵(競合他社)を倒していくヒーローのような経営者たち。父の話しを聴くうちに、 “いつかは私も起業したい” と考えるようになっていました。

コンサルティング会社で学べなかった、ビジネスの実践知。

それから大学生になって、4年生になるころには就職活動を始めました。ビジネスを立ち上げることができる総合商社に興味を持ち、選考を受け、軒並み内定をいただきました。それから当時はかなり稀有な存在だったのですが外資系の経営コンサルティングファームのベイン・アンド・カンパニー(以下、ベイン)にも内定が決まりました。最後は商社とベインとで迷いましたが、配属リスクが無く、確実に若い時から経営に携わることができる、という理由等から、ベインを選びました。

ベインでは、事実に基づきロジカルに思考すること、さらに論理の先に感性的閃きや飛躍も必要なことなど、戦略立案に必要な考え方を徹底的に学びました。ビジネスマンとして必要な礎を築けましたし、ベインで得たことは今でも役に立っていると思います。ただ、これはベインを辞めて起業した後に気付いたことなのですが、やはりビジネスの “実践知” というところは、コンサルティング会社では得られなかった気がいたしますね。

電話を掛け続け、断られた起業初期。

当時私は、日本にはほぼ存在しなかった「メンタリティマネジメント」という概念の重要性を説いて、それを商品としていろんな会社に提案していたのですが、電話をし続けて、ようやく訪問の約束ができた企業でまた断られるような日々。とにかくなかなか売れないんです。オヤジの家を担保にして借りた事業資金も、だんだんと底を尽き、やがて借金ばかりが1000万、2000万とどんどん膨れ上がっていく。そんな財務的にも厳しい状況に見舞われ、実績も信頼も無いなかで、どうやって最初のきっかけをつくっていくかというところで、非常に苦労しました。当時私が売りこもうとしていた商品は、米国では普及していたものだったので、最初は外資系企業に売り込んでみたり、一時期は労働組合の方に協力を乞いに掛け合ったりもしました。そうして幾度となく壁にぶつかりながら、突破口は無いものかと模索した先に、ようやく価値を理解してくれる人が現れるようになったんです。そうして現在では、2100社以上の団体に導入いただき、業界トップに躍り出るまでに成長できました(矢野経済研究所『2012年度オフィス関連製品/オフィスサービスマーケット 全調査』よりメンタルヘルスケア対策支援において、国内トップシェア)。


経営者視点で「生産性」との相関からメンタル問題を捉える

ではこのような成長を、なぜ私達が遂げられたのか冷静に振り返ると、「会社のなかで起きるメンタル問題」に向き合う経営者がそれまでいなかったからだと考えられます。

私たちが売っているのは、企業で働く人が直面しうる様々なシーンにおける、メンタル問題のソリューションなのですが、このソリューションを購入する(お金を出す)のは会社で、その直接的な恩恵を得るのは従業員です。したがって従業員が抱える・抱えうるメンタル問題が、いかに“会社”にとって重要かを説明する必要があるのですが、このメリットを誰も説明してこなかったし、問題を解決する仕組みが構築されてこなかった。そんな時代に私は、メンタル問題によって発生しうる休職コスト(500万円/人)を予防できることや、メンタル問題が業務における生産性を上げることと深く関わる、というように、経営者の関心事と関連づけながら事業の価値を説明したのです。このように希少性の高い着眼点を持ち合わせていたことが、私たちがマーケットで確固たる地位を築けた理由の一つに挙げられるといえるでしょう。


固有のデータをAIに流し、誰も想像していない未来をつくる。

また、アドバンテッジリスクマネジメントしか持っていない固有性に、「メンタル問題関連の大量のデータを採取してきた」ことが挙げられます。今後これらの情報、知見を活用しながら、ビッグデータ解析・人工知能と掛け合わせれば、より企業の生産性向上に繋がるメンタリティマネジメントが可能になるし、より精度の高い法則も見つかる可能性があると考えています。そうして、いつ、どのように何をすれば、人間が一番気持ちよく働けて、企業に対して成果を出すことができるのかを探求していきたいのです。科学の力で高いクオリティを担保したメンタリティマネジメントを実現できれば、近い将来、AIがあなたの相談に乗り、あなたにとって最適な選択肢を提示する未来が訪れるのかもしれません。

こんな風に、まだ誰も見たことのない景色を想い描いて語り、誰も手をつけていない領域を開拓していくことが、私は大好きでして。“未知への探求” とは、経営者としての私の本質なのかもしれません。


大切なのは、ピンチをチャンスと捉える姿勢。

最後に一つだけ、大切なメッセージをお送りします。それは、どんなに苦しい状況になっても、前向きであれということです。そして「前向き」な気持ちは、行動によって醸成することができるということです。

もしも、私が創業して間もない頃にビジネスが全然うまくいかない状況を「ああ、やっぱりこんな事業はやっても無駄なんだ」という風に捉えていたら、今のアドバンテッジリスクマネジメントは存在しなかったはずです。そうでは無く私は「誰もやっていないし、誰もその価値に気付いていないからこそ、大きなチャンスが眠っている」というように、目の前の現状をポジティブに捉えて、必死になってあの手この手で結果を出そうとした。私は、この前のめりの姿勢が、どのような状況でも大切な心構えだと考えています。試しても無いのに無駄だと決めつけたり、精一杯もがいてみてもいないのに諦めるような姿勢は本当によくない。例えるなら、9回裏満塁でバッターボックスに立ったときに、あなたはどう感じますか?という話し。「どうしよう、ここで失敗したら終わりだ」なんてクヨクヨするのではなく、ニカッと笑って「チャンスだ!」と自身を鼓舞できること。あなたがもし、後者の心の持ち様ができる方なのであれば、ぜひアドバンテッジリスクマネジメントの門戸を叩いてみてください。

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株式会社アドバンテッジリスクマネジメント

Interviewee

鳥越 慎二 氏

とりごえ・しんじ

株式会社アドバンテッジリスクマネジメント

代表取締役社長

東京大学経済学部経済学科卒業、ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院MBA取得〔財務管理/マーケティング戦略専攻〕 1986年米国系戦略コンサルティング会社ベインアンドカンパニー入社 1994年株式会社 アドバンテッジパートナーズに参加、同社パートナーに就任 1995年株式会社 アドバンテッジ インシュアランス サービスを設立、代表取締役社長に就任 団体長期障害所得補償保険(GLTD)のマーケティング事業を開始 1999年株式会社 アドバンテッジ リスク マネジメントを設立、代表取締役社長に就任