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“みんなで仕組みをつくるから、組織が変わり続ける。” デファクトスタンダード代表インタビュー

Jan, 31, 2017

株式会社デファクトスタンダード

尾嶋 崇遠 氏

シェアリングエコノミーの到来と、求められる遊休資産の活用

AirbnbやUberの台頭に伴い、世界的に注目を集めるシェアリングエコノミー。大量生産、大量消費、そして大量廃棄が横行してきた旧来型の消費スタイルから一転し、遊休資産(使われずに眠る資産)の価値の見直しや活用に、新たな期待がかけられている。

このような潮流のなかで、ファッションにおける遊休資産の再流通インフラを構築しているサービスに『Brandear(以下、ブランディア)』が挙げられる。ブランディアとは、中古ブランド品の買取・オークションをオンラインで実現させるウェブサイト。同サイトを運営するデファクトスタンダード社は、5年連続で売上・利益を伸長、昨年までの2年間では200%の売上増を達成するなど、飛躍的成長を遂げている。

デファクトスタンダードの成長は、いかなる戦略と組織によって支えられているのか。また、これほどの成長を担う人材には、どのような力が求められるのか。代表取締役の尾嶋氏に尋ねた。

200%の売上成長、7年連続グランプリはいかにして実現したか

---デファクトスタンダードが運営するブランディアは、7年連続でYahoo!オークションのグランプリを獲得されており、会社の売上、利益も5年間連続で伸長し続けています。なぜこのような結果が生み出せていると考えられていますか。

既成概念に囚われずに、自分達の進むべき方向に舵を振り切ることを意識してきたからではないでしょうか。

他社の真似や他人の後追いではなく「自分たちが取るべき戦略は何か」「自分たちだから発揮できる強みは何か」という問いに向き合い続けたことは自負しています。そして“これだ”という戦略や領域を定めたら、そこに一点集中するのです。

---既成概念に囚われない、というのは具体的にどういうことをしてきたのでしょうか。

例えば、高額な商品であるブランド品をダンボールで梱包することなんかは、以前は誰もが「あり得ない」と言い切っていたことだったのですが、我々は、宅配ならではの利便性を重視し、是非実行するべきだと判断して、どこの会社よりも早く買取におけるダンボール梱包を導入しました。

この他にも、従来中古品の査定ができるようになるまでには、3年もの訓練が必要といわれていたところ、査定に必要な情報を蓄積してシステム化したことで、誰でも簡単に査定ができるようにしたことなどは、業界の常識に囚われずに工夫したところといえるのではないでしょうか。

戦略の違いは結果論。違いを生み出す文化に、成長の原動力がある。

---ダンボール梱包と査定のシステム化が他社との差別化ポイントということでしょうか。

ええ、わかりやすい差別化ポイントといえば、その二つと、加えて宅配での買取をしていること等も挙げられると思います。ただし、これらはあくまで結果的な違いと捉えています。むしろ、宅配に着目する“柔軟な発想力”や、誰も手をつけていなかったダンボール梱包を、“実行してしまう行動力”の方が、より根本的な意味での他社との違いであり、成長の原動力だと感じています。

---柔軟な発想力や、誰もやっていないことに挑戦する行動力は、どのようにして養われているのでしょうか。

ダンボールとパレット(運搬用の荷台や枠組み)を組み合わせて作られている、デファクトスタンダードの机。“多面的に物事を捉えてほしい”という尾嶋氏のメッセージを象徴している。

様々な取り組みを通じて柔軟性のある組織をつくろうとしていますが、わかりやすい具体例としては、3ヶ月に1回かならず行っている“社員総出の棚卸し”が挙げられますね。

---棚卸し、ですか。そして社員総出というのは、尾嶋様も?

ええ、もちろん。役職関係無く、全員がします。

デファクトスタンダードにはすべてのスタッフを含めると900名くらいが働いているのですが、これほど会社に人が増えると、部門間の溝が生まれ、個々人が自分の役割に意識を集中させ過ぎてしまうように、なりかねません。すると例えば、「ここは直さなくても自分の責任じゃない」というように、ネガティブに分業意識が発達してしまい、改変できることや改善すべきことが放置されて、組織の柔軟性や、変化の可能性が失われてしまうかもしれません。そこで、これを防ぐために、3ヶ月に1回、棚卸しの行事を通じて一端組織をフラットなものにより戻すのです。

批評家は要らない。求めるのは、「手足を動かしながら思考できる」人。

社員の方はたいてい棚卸しのなかで、変えられる点、改善できる点に気づきます。そしてその後の面談のなかで、「ここをこうしたらいいと思う」と私に教えてくれるわけです。そしてその時、私はこう言うのです。「だったら是非、ご自身で変えてください」と。このように、気付いた人が変えていくことを推奨するコミュニケーションを、社員との間で取ることで、柔軟な組織づくりを図っています。

---ちなみに、棚卸しのマネジメントは、誰がするのでしょう。

新卒1年目の社員にしてもらいます。社員・パートさんたちをまとめて、必要な業務にあたるよう動かしてもらうんです。ここでマネジメントを誤ったら、当然現場は混乱し、業務がまわらなくなりますよね。そんな失敗も含めて経験を積んで、成長していってほしいと思っています。

40万点にも登る商品の棚卸し。新卒1年目の社員がその運営を一手に担う。

「若手には、試行錯誤からビジネスを体得してほしい」

新卒1年目の社員には、棚卸しのマネジメントの他にも、800名にも登るアルバイトスタッフの採用も任せます。百万円規模の予算も預けた上で、採用というビジネスにおける重要なミッションを達成できるか否かを、彼らに委ねるのです。

このように、デファクトスタンダードの社員は、早くから採用をはじめとする様々なことを任される経験を通じて、お金を稼ぐこと、経営するということを体得していきます。

---新卒1年目の社員にも、大きな予算や責任を移譲してしまっていて、驚きました。他の多くのことについても、社員を信頼して任せているのでしょうか。また、尾嶋様は特にどのような役割を果たしていらっしゃいますか。

確かに、具体的な改変は、役職の垣根なくどこからともなく推進されていると思いますが、わたしは会社全体の大きな方向感を示す役割は果たしていきたいと思っています。

デファクトスタンダードでは1年のはじめに、会社としての方向性をみんなで共有する時間が設けられるのですが、ここで示した目標にきちんと進むことができるかどうかを、さらに細分化した3ヶ月ごと、そして1ヶ月ごとに確認する機会をつくっています。このときに私は、みんなの前で経営の方針を話しています。

---最後に一言メッセージをお願いします。

我々がしている流通の事業は、決して楽ではなく、スマートな仕事でもありません。しかしその分、実のある仕事を通じて、頭に汗をかきながら、ビジネスの実力をつけられると思います。ご自身と会社の双方を、めいっぱい成長させていきたいという気概をお持ちの方は、ぜひデファクトスタンダードの門戸を叩いてみてください。

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株式会社デファクトスタンダード

Interviewee

尾嶋 崇遠 氏

おじま・たかとお

株式会社デファクトスタンダード

代表取締役社長

青山学院大経済学部卒業後、2002年4月に国際証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)株式会社に入社し、2003年にインタートレードへ。2006年にデファクトスタンダード取締役に就任、12年9月より現職。