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データがお金を生む時代 真に価値を生む技術と働き方とは

Jan, 20, 2017

フォルシア株式会社

屋代 浩子 氏

インターネット技術の発達と、多様なデバイスやセンサーの普及により、企業はあらゆるデータを取得できるようになった。

例えば、個々の消費者の行動データは、スマートフォンをはじめとするデバイスを通じてリアルタイムで取得されており、個々の消費者の好み・ニーズに合わせたマーケティングが可能になった。さらに、ネット上の行動だけでなく、自動車や住宅などに取り付けられたセンサーによりデータが取得されるようになることで、個々の製品の異変検知、稼働状況・サービスの履行状況の一元的把握が可能になり、新たなビジネスモデルが誕生しつつある。

実際に、スペインのとある劇場では、観客の笑顔をセンサー検知し〝笑った分だけ料金を支払う〟仕組みで25%売上を上げるなど、ユニークな活用事例も登場した。

このように、データが新たな価値を生み出す時代にどのような可能性が秘められているのか、またデータビジネスを成功させる者の条件とは何か。現在、国内外でデータを活用したビジネスを展開するフォルシアの屋代氏に聞いた。

新卒で野村證券、その後マサチューセッツ工科大学への留学を経てゴールドマン・サックス証券へ入社。フォルシアを立ち上げるまで、ずっと金融畑で仕事をしてきた私は、〝必要な情報へ迅速にたどりつくこと〟が、いかにビジネスの世界において重要なのかを体感してきました。

そして、人々が情報やモノを見つける際に、求めるものへ到達するまでの時間を短縮し、その精度を向上させることがもし可能になれば、世界を進歩させることができるかもしれない、と想いこの会社を創業するに至りました。

これまでは『Spook®』という検索プラットフォームを主力サービスとしながら、データ検索をはやく、賢く、効率的に提供するためにはデータをどのように持つべきか、そしてどのように見せるべきかを考え、技術とノウハウを蓄積してきました。現在では旅行業界、航空業界、住宅設備業界、商社をはじめさまざまな業界に利用されています。

データの活用でより高いレベルの気付き・最適解を

現在では「情報を見つける」という領域に留まらず、データを活用しながら、「自然と気付かせる」「探さずとも最適解を提示する」など新たな可能性を模索するフェーズにいます。

その一つがビジネスインテリジェンス(企業内の膨大なデータを蓄積・分析・加工して、企業の意思決定に活用しようとする手法)です。例えば住宅業界で、膨大な過去の施工データ・顧客データを分析することで、いつどの顧客が何を購入したかが分かり、購入された製品が「そろそろ買替のタイミングかもしれない」ということを察知することで、タイムリーに、より的確な営業活動を行うことができるようになります。このように、さまざまなかたちでデータを活用して企業のマーケティングや経営の意思決定をサポートしています。

人工知能があらゆる商取引を変えるエンジンに

今まではユーザーが探したいものを迅速に・直接的に発見することを助けることがメインでしたが、今後はユーザーのプロファイル、検索方法と購入履歴を収集・分析した結果をもとに、情報を適切に表示できるようにアレンジしていけるようになります。データの活用、人工知能的なアプローチを組み合わせることで、検索という行動を超えて、人の潜在的なニーズを察知し、購買可能性のある商品・サービスを最適に提案しながら購買チャンスを増やす。そんな可能性に今挑んでいるところです。

技術力だけではダメな時代に

最近では社内にデータサイエンスチームが編成されるなど、データの活用にも注力しています。ただ、フォルシアはあくまでクライアントに価値を提供し、成果に貢献することに重きを置く会社です。情報を集めること、精緻に分析することは目的ではなく手段。その先にクライアントの売上・課題解決への貢献ができているか否かを最も大切な指標としています。

2016年夏に移転した新オフィスの休憩スペース。社員はここで気軽な意見交換を行う。

したがって、フォルシアのエンジニアはクライアントとの打ち合わせにも必ず同席しますし、技術的知識や開発スキルだけではなく、ビジネス的思考や顧客の必要な物を見抜くことができるビジネス・スキルの双方が備わることが期待されます。一般的にエンジニアに求められる技術力の習熟を素地としながら、データをもとにビジネス価値へ還元することが求められるのです。

データも技術も誰かのためになってこそ価値があります。基本的なプログラミング能力が広く普及していく時代において、技術力だけでは活躍するのが難しくなります。技術力とビジネス・スキルを併せ持つことで、顧客やユーザーとの会話の中でビジネスチャンスを見いだし、社会に新たな価値を生めるエンジニアになれるはずです。フォルシアはそんな集団を目指しています。

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フォルシア株式会社

Interviewee

屋代 浩子 氏

やしろ・ひろこ

フォルシア株式会社

代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)

南アフリカ生まれ。1988年慶應義塾大学卒業後、野村證券株式会社に女性総合職第一期生として入社、デリバティブの開発に携わる。1991年マサチューセッツ工科大学大学院にて経営学修士号を取得。1993年ゴールドマン・サックス証券株式会社入社を経て、2001年フォルシア株式会社を創業。