リスクが高まる現代社会で選ぶべきキャリアのあり方 株式会社レイ 代表取締役社長 分部 至郎氏 

最初の一歩を踏み出して、自分を追い込む

元々アウトローな性分で、学生時代は企業への就職は考えておらず、自分の手で何かを成し遂げたいと考えていました。漠然と自分で事業を興したいと考えていた大学2年生の時に、たまたま「ホログラフィ(※)」と運命的な出会いを果たしました。技術の先進性や、事業化への可能性に強く惹かれ、この分野で将来起業するために、その前段階として「早稲田大学レーザーディスプレイ研究会」というサークルを大学の友人と立ち上げ「ホログラフィ」と「レーザーディスプレイ」に関わることにしました。
当時ホログラフィの技術は脚光を浴びていたこともあり、徐々に参加者や協力者が集まり、サークルを拡大することができました。活動することで次第に大学生の趣味の域から脱し、「レーザーディスプレイ」分野では、サークルとしても仕事をもらえるようになり、そのまま株式会社として起業したのです。
今の学生のみなさんには、情報が溢れているために生じる不安や迷いもあるのかもしれませんが、当時は情報が少なかったこともあり、年収や福利厚生など先のことは全く頭になく、とにかく目の前の事業に集中していました。昼夜もなくがむしゃらに働き、満足な給与もなく、仕事とプライベートの垣根がない生活でしたね。
先のことをあれこれ考えるよりも、まず思い切って始めることで、自ずと責任が生まれ、コミットするようになります。私は不確実な未来を予測することよりも、その時々の時代に合わせて柔軟に事業を変化させ、今この時に全力を尽くすことが重要だと考えています。
実際、レイの事業も、創業当初の「レーザーディスプレイ」のビジネスから、PCの小売や映像機器のレンタルなどを経て、現在の広告・プロモーションやコマーシャルなどの映像制作ビジネスへと変遷してきました。もちろん失敗し、撤退した事業もありますが、常に社会・情勢の変化を鋭敏に感じ、時代が求めているビジネスを行うべく、試行錯誤をしてきました。その過程で、創設時とは全く違う会社になっています。

未来は誰にとっても不確実なもの

現代はインターネットを通じて様々な情報を簡単に手に入れることができるため、すべての分野での現状の実態が格段によくわかり、またその情報を元に、未来に対して様々な想像や予測を立てることができます。しかしながら、明確な未来を知ることは不可能で、高度な分析を行う評論家にとっても、また若い学生にとっても、未来は100%不確実なものなのです。
しかし、不確実な世の中においても、時代の変化を示す「匂い」というものがあります。人々の感性の動きや社会情勢など、時代が変わるタイミングには必ず匂いがあるのです。近時はリーマン・ショックなどに起因する社会的な不安から、特にリスクを回避する傾向が顕著ですが、大事なのは、リスクの低い選択をあれこれ悩んで模索することではなく、匂いを敏感に捉え、失敗を恐れずにチャレンジすることだと思います。これは勘に近いものがありますが、時代の変化に応じてリスクテイクし、チャレンジすることが不確実な時代を生き抜く重要な要素だと思います。誰かが先頭を切って危ない橋を渡らなければ、その先の社会は良くなりません。そのような開拓者精神が、今の社会には必要だと思います。

株式会社レイ

30年前、学生サークルであった「早稲田大学レーザーディスプレイ研究会」を母体として設立。創業当初の事業から離れ、1990年よりデジタル映像事業に進出する。デジタルの映像加工技術と映像演出技術を武器に広告イベント、プロモーションやCMなどの映像制作ビジネスを立ち上げ、今に至る。リスクテイクでき、新たな風を吹き込める人材を積極的に募集中。