次の社会にとっての本当の価値を追求する、新しいコンサルティングの形 株式会社ビービット 取締役副社長 若林龍成

厳しい環境を求め、無名の外資系コンサルファームに入社

大学時代は、とにかく面白そうなことには何でも首を突っ込んでいましたね。マーケットリサーチの仕事で、公園にいる人に「自分らしさとは何だと思いますか?」と聞きまわったり、静岡の農家で農薬についてヒアリングしたり。また、外資系コンサルティング会社のインターンで出会った学生40名を集めてイベントを開いたりもしました。といってもただ飲んでいただけですが。その時に出会った仲間からコンサルティング案件を受注したこともありますよ。様々な経験の中、常に良い出会いに恵まれていたと思います。
就職活動をした1996年は、バブル崩壊後で日本の主要銀行が次々と破綻する金融危機の真っ只中。多くの学生は「リスク回避のため」と言って大手企業に入ろうと躍起になっていましたね。ですが、私は「大手に入ることこそリスクだ」と考えました。
自分が40代や50代になっている頃、社会は大きく変化している。今ある大企業が倒産したり、リストラにより突然放り出されるなんてことも大いに起こり得るだろう。変化する社会の中では若いうちから経験を積み、どのような環境でも生きていける能力を身につけることが最も重要なのではないか、と考えました。
当時アクセンチュアは全くの無名でしたが、「仕事ができなければ2~3年でクビにされる会社」と聞き、厳しい環境で自分を磨けると思い入社を決めたんです。

起業を決めたのは「面白いことができるかもしれない」と思ったから

入社3年目のとき、シカゴにあるアクセンチュアの研修所で現在ビービットの社長である遠藤と出会いました。意気投合し仕事についていろいろ話をしているうちに、彼が起業を考えている、ということを聞きました。当時は楽天やサイバーエージェントなどは起業して間もなく無名で、あまり知られていなかった時代です。起業は今ほど当たり前ではなく、それまで考えたこともなかったので、非常に驚きましたが、同時に、面白いことができるかもしれない、という思いが湧き起こり、一緒に起業の道を進むことにしました。
ビジネスモデルについては、創業メンバーでアイディアを出し合いました。多くの意見がありましたが、「21世紀の社会にとって価値あるビジネス」という主軸は決まっていました。僕らが起業したのは2000年の3月。21世紀における社会の変化を正確に捉え、必要とされるビジネスを行いたいという思いがあったんです。

大量生産・大量消費から「ユーザ中心」の社会へ

社会の変化の1つには、「量」から「質」へのニーズの変化があげられます。戦後のモノがなかった時代では、「安く、大量にモノを作って供給すること」が何よりの社会貢献でした。フォードはT型フォードを大量に作り、松下幸之助も電気器具の大量生産を進めました。しかしモノが溢れるようになった現代では、消費者はただモノを求めるのでなく「より上質で自分に合ったモノ」を求めるため、ニーズはどんどん多様化しています。
そこで僕らは「ユーザ中心」というユーザの視点からビジネスを組み立てる考え方のもと、インターネットビジネスのコンサルティングを事業にしようと思い立ちました。ユーザの行動や心理を詳細に把握し、ユーザ視点を持ってそれぞれに適切なサービスを提供することが、社会への価値創造に繋がると考えたのです。

株式会社ビービット

2000年にアンダーセンコンサルティング(現・アクセンチュア)出身者が集まって起業。デジタルマーケティングの雄となるべく「ユーザ中心設計」という概念で、消費者を中心に据えたウェブビジネスのコンサルティングとソフトウェア開発を行っている。三井住友銀行のOne's DirectやYahoo!Japan等、数多くのプロジェクトで成果を創出し高い評価を得ている。