大企業のあいつぐ倒産や合併・買収、公的機関の民営化など、日本の社会は大きな転換点を迎えています。
右肩上がりに経済が成長した時代は終わり、長い間当たりまえとされてきたことが崩れ去り、
先の読めない、まさに不確実な時代になっているのです。
社会の変化にともなって個人の生き方も多様化しています。キャリアの面では、
大半の人が学校を卒業して就職すると定年まで勤めあげる、または結婚や出産を機に退職していた
時代からはうって変わって、転職や復職はごく普通のことになりましたし、
会社組織を離れて起業や独立をする人なども増えています。ライフスタイルに関しても、一生涯シングル、
子供をもうけず夫婦共働きのディンクス(double income no kids)、あるいは共働きで子育てをする、
専業主婦、3世代同居、核家族などさまざまな選択肢があります。決まったレールの上を進むのではなく、
個人が自分の人生を選択し、切り拓いていく時代と言えるでしょう。
そのような時代の流れのなかで、会社と個人の関係も大きく変化を見せています。
これまでは会社がさまざまなリスクから個人を守り、個人の人生設計を支援してきました。
たとえば、終身雇用や年功序列の賃金、退職金、企業年金などの仕組みにより、
社員は生活設計やマネープランをそれほど考える必要がありませんでした。
ところが、こうした仕組みが崩れてきており、もはや自分のリスクやマネーは自分で管理し、
人生設計を考えなければならなくなってきています。実現したい夢や目標、望むライフスタイルがあるなら、
自分の収入や支出、資産や負債を把握したうえで、経済環境と照らし合わせながら適切なリスク管理や
マネー設計ができるだけの、ファイナンシャル・プランニングのリテラシーを身につける必要があるのです。
会社に依存せず、個人でキャリアの可能性をどんどん広げていきたいという方はなおさらです。
ファイナンシャル・プランニングには、景気など経済の動向に応じて資産を運用する、
リスクを見きわめ目的にふさわしい金融商品(株式、投資信託、保険など)を選ぶ、
年金制度を理解したうえでリスク管理も含めて長期的なライフプランを考える、
税制や不動産についての知識を深めて多角的な資産運用を目指すなど、多岐に渡る知識・スキルが求められます。
個人がそのリテラシーを高める必要性は世界的に指摘されており、海外では、
大学でファイナンシャル・プランニングを体系的に教える国も多くなっています。
これからの時代、社会に出てキャリアを形成していく皆さんには、
必修科目のつもりでファイナンシャル・プランニングを学んでいただきたいですね。