
なぜ日本の大企業の研究開発はうまくいかないのでしょうか?
研究開発をする上で重要なのは常に事業等の将来のイメージを持つことです。そしてそのイメージを持つためには研究開発の企画段階が一番大切なのに、あまり重要視されていないように思います。われわれはその企画作りを支援しています。
アメリカでは企画は量が大切だと考えられています。とにかく量を出し、その中から色々な目で選んでいくことが、成功率を高めるシンプルで有効な手段です。日本の大企業のように、単独あるいは決まった仲間とだけで研究開発を企画することが多いと、試行錯誤や選択の目はどうしても少なくなります。
我々はベンチャーの身軽さを活かして、大学の先生や研究者、事業主を企画段階からつないでいくことで、企画内容や選ぶ目においてこの量を生み出すことを可能にしています。
大きなトンネルを掘るときには、最初に先進導坑という道筋となる細いトンネルを掘ります。ピコラボは先進導坑を掘る会社なのです。先進導坑を通したらあとはそれを太くするだけで良いのです。ピコラボがその最初の先進導坑を担い、太くする段階を大企業が担うことで、日本の研究開発がうまくようになる、というのが理想的ですね。
ピコラボの仕事は研究企画の支援、研究実施の支援、研究成果事業化支援の3つのフェーズに分かれています。その中でも一番重要な企画支援に特に力を入れています。
ピコラボが目指すポジショニングや会社のコンセプトを詳しく教えてください。
「イノベーションをビジネスにしていくためのコラボレーションをしていく」というのがピコラボのコンセプトです。どんなに優れた研究者でも単独でできることは限られているので、皆の知恵を束ねなければいけません。
現在はナノテクという言葉が使われていますが、ナノよりさらに小さいピコという単位がメインになり、原子一つ一つが制御できるような時代はあと数十年以上先になると思います。このように数十年かけておこるようなイノベーションの初期の段階に関わっていけるような会社になりたいのです。
ナノテクの例はあくまで喩えで、現在の我々のターゲットはモバイル・ユビキタスの分野ですが、他にも認知科学やバイオインフォマティックスなど5年レンジでいろいろな分野を対象にしていきたいと思っています。
コラボレーションからイノベーションを起こすというコンセプトの元でのピコラボの具体的な役割を教えてください。
私たちの役割は「繋ぐ」ことです。例えば「ビジネス」と「技術」だと分かりやすいですね。また技術者や研究者同士でも、色々な人がそれぞれの専門領域に分かれて研究をしており、彼らの研究内容を繋いでいくのがピコラボだと思っています。異種の要求や研究が複数組み合わさって新しいものが生じることもイノベーションの重要な側面です。
例えば、次世代携帯電話を構成する要素には色々なものがあります。まずは製品を開発するメーカー等の技術リソース、また端末・システム・ネットワーク等を束ねるオペレータやキャリアのプラットホーム、そしてそれらの上で提供されるサービスやコンテンツです。この3つがワンセットになってはじめて利用者はメリットを得ることができ、一つでも欠けると利用者のメリットは失われてしまうものなのです。こういったサービスを作り出すためには異なった研究分野の人がつながっていく必要があるのです。
ピコラボのスタッフになるために必要な経験・素質はどんなものですか?
今のメンバーは、研究開発的な部分と実際のビジネスの両側を経験してきた人たちが多く、その経験は技術をビジネスニーズに「繋ぐ」という仕事でも活かされています。
もともと技術職や研究職にいて「研究の世界だけでは実世界に自分たちの技術を活用できない」と感じ、ピコラボに来たスタッフもいます。
周りの世界に興味が持てるなら、全く経験がなくてもいくらでも吸収できると思います。実際に、私は全くビジネスの経験が無い状態でデュオシステムズを立ち上げました。興味を持っていれば、やってみれば分かることは多いので、とりあえずやってみるのがいいのではないでしょうか?
大切なことは「興味を持つこと」と「実際に接する機会を持つために行動すること」の2つです。
ちなみに、今ピコラボにいる社員のうちでも元々アルバイトで一緒に働いていたメンバーが何人かいます。学校を出て、一度就職して修行を積んでから、我々の面白さを実感してまた一緒に働くことになった人たちです。ピコラボでまずアルバイトしてみるのも面白いと思います。経験あるスタッフたちと働くことで得るものがたくさんあるのもピコラボの魅力の一つです。
最後に、東大生に一言お願いします。
東大の研究施設は整っており他の大学よりもずっと恵まれていると思います。そのような環境の中で、受身になって井の中の蛙になってしまわないように、積極的に大海に出て行って、恵まれた環境を活かして自ら情報を発信するような人になってほしいと思います。
株式会社ピコラボ
事業内容:情報通信技術・先端ソフトウェア技術の企画研究開発・コンサルティング業務
所在地:〒107-0061 東京都港区北青山1-4-6 246青山ビル3階