総合商社で感じた矛盾、
「安定」と引き換えに失いかけた「大切なもの」
私が通っていた一橋大学は、ビジネスマン養成学校のようなところなので、学生の大部分が大企業志向(メーカー、商社、金融)でした。その中で、できるだけ大きな規模のビジネスを自分で創れる会社に行きたいと思い、総合商社に入社しましたが、入社後は正直言って違和感を覚えました。これまでの人生の重要な局面では、すべて自分の意思で決断を行ってきましたが、会社に入った途端、それができなくなりました。
配属先も選べず、仕事も決められ、おまけに定年までの給料テーブルまである。大企業はどこもそうかも知れませんが、良くいえば「安定」、悪くいえば「隷属」というイメージを持ちました。
給料は高いものの、自律的に考えることはあまり求められなかったので、新しいビジネスの部署に出入りしたり、企画書を書いたりしていました。日に日に、自分の人生を自分でコントロールしたい、自分が社会に通用するのか試したいという思いが募り、会社を飛び出してベンチャーキャピタルに転職しました。
「絶対に3年で独立する」
背水の陣で臨んだ、ベンチャーキャピタルでの第二の人生
ベンチャーキャピタルに転職したときには、投資からベンチャーの経営に絡むことで、経営ノウハウを身につけ、どんなに居心地が良くても3年で絶対独立しようと決めていました。社会に飛び出せば、誰からの助けもなく、全て「自責」になる以上、自分に何ができるかが全てだと思って必死で働きました。仕事がなくとも毎日深夜まで、過去の投資失敗事例などの資料を見まくっていましたね。そんな中、ネットプロテクションズを買収するという案件が上がり、私が出向することになりました。アイデアがあるだけで実態としては何もない会社で、事業構築からスタートしました。私の場合は、ゼロからの起業ではなく、大きな損失を抱え、組織も既に壊れている状態からのスタートでした。決済市場もマネジメントもシステムも何も分からない26歳の若輩者が、マイナスからの企業再生を経て、世の中に存在しない新しいビジネスを起業したことになりますので、壮絶な経験をさせてもらいました。
株式会社ネットプロテクションズ
事業内容:
後払い決済サービス『NP後払い』の運営
クレジット決済サービス『NPカード』の運営
オンラインショッピングモール『アトバラ』の運営
所在地:
〒104-0061 東京都中央区銀座1-10-6 銀座ファーストビル4F
1975年生まれ。福岡県出身。一橋大学社会学部を卒業後、1998年に新卒で日商岩井(現・双日)に入社。3年後にITX株式会社に転職。すぐに株式会社ネットプロテクションズの買収に携わり出向。弱冠26歳で企業再生というマイナスの状態からスタートし、オンリーワン決済サービス『NP後払い』を立ち上げ。2004年4月社長就任、同8月に転籍し、現在に至る。