◇なぜMECEが必要なのか?
MECEではない状態、つまり考えに漏れや重複がある状態だと、問題の整理・分析・解決を行う際に大きな支障が生まれる。漏れによって問題の本質を見落としたり、重複によって情報の整理がすすまず、解決策を見出すところで効率性や正確さが低下したり、さまざまなトラブルが起こる確率が高くなる。
上記の成人女性の例を用いて、女性向けのメディアを運営している会社が、ユーザーを「主婦」、「OL」というセグメントに分類し、それぞれに対するサービス実績の現状分析や、何らかの打ち手を考えているとしよう。
前述した漏れがあるため、主婦とOL以外のユーザー層について注目すべき実績として、大幅にユーザー数が増えた、ユーザー数は少ないが一人あたりの利用頻度が非常に高い、などがあったとしても、それらを認識してサービス開発につなげることができない。また、主婦であり、かつOLという重複があるため、主婦とOLの両方に属する人へのサービス実績分析をどちらの属性に分類するかで結果が異なり、結論が不正確になる可能性が発生する。
◇1つの物事をMECEに分類するにも、たくさんの切り口がある
MECEに分類すると言っても、その切り口は定型的なものではなく、無数の種類が存在する。今度は「飲み物」を全体集合としてMECEに分類してみよう。
明らかに、たくさんの切り口が存在することがわかるであろう。メーカー別(国内メーカー/海外メーカーなど)、パッケージ別(ビン/カン/ペットボトル/紙パック・・・など)、温度別(ホット/常温/アイスなど)など、さっと思いつくだけでもいくつか挙げられる。
MECEの概念で大切なのは、1つの物事に複数の切り口が存在する中、状況や目的に応じてどの切り口でとらえていくかを考えることだ。例えば、コンビニなどでの、季節に応じた商品発注を決めるには、まず温度別の切り口でとらえることが重要だと考えられるし、バーで提供する飲み物の種類を考えるなら、アルコール/ソフトドリンクの切り口をもとに、それぞれの中でどういったセグメントの商品が売れているかを把握することが必要になってくる。
どの切り口を選ぶかの判断については、経験則がものを言うことも多いが、経験や慣習では見つけることができない、新たな観点をもたらす切り口が必要になるケースも多い。MECEとなること意識しながら、どの切り口で考えるのが適切か、考える習慣を持って欲しい。